【第1回リコネット座談会】−有責配偶者からの離婚請求−④

 
 今回投稿するのは、第1回リコネット座談会−有責配偶者からの離婚請求−について、最後の記事となります。

 こちらのテーマに関するこれまでの記事は、【第1回リコネット座談会】−有責配偶者からの離婚請求−①【第1回リコネット座談会】−有責配偶者からの離婚請求−②【第1回リコネット座談会】−有責配偶者からの離婚請求−③をご覧ください。

8.有責配偶者からの離婚請求が例外的に認められる要件 ②未成熟子の不存在

弁護士荒木
それでは、最高裁が示した2つ目の要件の、未成熟子の不存在については井上先生、どのように考えればよろしいでしょうか。
弁護士井上
そうですね。未成熟子の不存在については、やはり裁判所としてもお子様がいるのかどうかという観点についてはかなり重視して判断をくだしている印象です。
基本的にお子様がいらっしゃるという場合には、特に有責配偶者からの場合、裁判で認められる可能性がかなり下がってしまうので、未成熟子がいらっしゃるかどうかの観点については十分に認識していただく必要があるのかなと思います。
弁護士荒木
印象的にはお子様がいらっしゃらないで別居期間が6年の事案と、小学生のお子様2人いらっしゃって別居期間10年の事案では、前者の方が離婚が認められやすい印象ですか。
弁護士井上
そうですね。前者の方が、お子様がいないということで裁判所で離婚が認められる可能性が高くなるという印象です。
弁護士荒木
これは、ケースバイケースだと思いますが、未成熟子の不存在について「未成熟」の定義に対して、大体何歳くらいのお子様だったらクリアになるのでしょうか。
弁護士井上
そうですね。未成熟の評価の問題にもかかわってくるんですけれども、やはり高校生は超えていないと難しい印象です。
弁護士荒木
高校卒業の18歳から20歳までに達していないと難しいというところなんですかね。
弁護士井上
そうですね。最低ラインとしてそこらへんまであった方が安心という印象ですね。
弁護士荒木
ありがとうございます。

9.有責配偶者からの離婚請求が例外的に認められる要件 ③過酷な状況に置かれない

弁護士荒木
では、最後に3つめの要件の、経済的社会的に過酷な状況に置かれないという、いわゆる過酷条件というところなのですが、これは最高裁のほうが詳しい具体例を判示していないこともあってなかなか理解が難しいところだと思うんですけれども、こちらについて山﨑先生はどういう風にお考えでしょうか。
弁護士山﨑
そうですね。過酷条件というのは、はっきり言ってかわいそうであるから認めないということが根本にあるものだと思います。いずれにせよ過酷条件についてそれがクリアできるかどうかという状況に至る前に相当程度の別居期間というのは必要ですから、その別居期間中に有責配偶者側がどういうことをしてきたのか裁判所はよく見ているという印象です。
あと、やはり解決に至る前に離婚訴訟だと、通常は和解の話し合いというのは先行的に何回かされる例が多いですが、その際にどういう申し出をしたのか、離婚に対して不倫されてしまった側が応じるとしたら、不倫してしまった側がお金はいくら払うとか住む場所を提供するとかそういう風なことでどれだけのことをしてあげるかということを提案できていたのか、そこを見て結局和解合意にならなかったとしても、判決に至ったとしてもそういったことを提供すると約束していた事実というのを裁判所はよく見ている、その上で過酷条件についてクリアすると判断する例が多いと思います。
弁護士山﨑
あとは純粋に、別居に至ったあとに離婚を求められている方がどういうことをしてきたのか、たとえば、別居するまでは専業主婦であった人がずっと専業主婦であったのか、ちゃんとお仕事をして収入を得るよう頑張ったけれどあまり働けなかったとか、配偶者の不倫によって精神が病んでしまって病院に通っていたから働けなかったのか、単純にサボって働かなかったのか、そういうところを見て、収入が低いから離婚して過酷になる、その責任は相手にもあるということを裁判所にも考えていただけるのではないかと思います。
弁護士荒木
ありがとうございます。扶養的財産分与や養育費、慰謝料などいろいろな支払い、経済的給付などがあると思うんですけれども、そういったものに関する請求する側の意向や離婚後の生活状況に関してもトータルで裁判所が判断しているということなんでしょうね。
弁護士山﨑
そうですね。やはりその点は総合考慮になっていくんじゃないかなと思います。
弁護士荒木
ありがとうございます。

10.弁護士から有責配偶者からの離婚請求に悩む方々へのメッセージ

弁護士荒木
それでは、先生たちの経験を踏まえて一言メッセージをいただければと思います。まずは青木先生から有責配偶者側の方に対して何かメッセージをお願いします。
弁護士青木
そうですね。離婚はいつかは必ずできるということをまず理解しておいていただきたいと思いますね。いわゆる不倫をした側からの離婚は認められないという都市伝説のようになってしまっています。
だけど、あくまでも別居期間がある程度ないと認められづらいという意味であって、(別居期間)10年で認められない例もありましたけど、20年にもなればそこはほぼ確実に認められるわけで、いつかは必ず離婚はできるというところは抑えていただきたいと思います。
それから離婚というのは、協議・調停・裁判、裁判の中でも和解という手続きがある。繰り返しになりますが。離婚というのは線のある手続きといいますか、いろいろなフェイズがある手続きで、そこのフェイズの中で離婚ができる可能性というのは十分にあるわけなので、離婚を決意して踏み出すということは別居を待つ必要はないと思います。
離婚を決断されたらまずは一歩踏み出してみる、それが最終的に早期の離婚につながるんじゃないかなと思いますので、そこは決心されたのであればまずは前進することをお伝えしたいと思います。
弁護士荒木
ありがとうございます。では、井上先生から有責配偶者から離婚請求された側のお客様に対してメッセージをお願いできますか。
弁護士井上
有責配偶者側から離婚請求された方に関しましては、当然複雑な心境がおありだと思います。不倫をされたということで感情的に納得いかないというところもありますし、今後の経済状況とか生活の不安などについても不可避的に存在するものなのだと思います。
そちらにつきましても、法律相談や依頼になった時もそうですし、いらしていただければ、適切なアドバイスをさせていただいた上でご本人のご意向に沿った結末にむけて最善の努力をさせていただきます。是非、お気軽に法律相談に来ていただければと思いますね。
もちろん、離婚を求められたから離婚に応じなければいけないわけではないですし、その際の条件や時期にもついても適切なアドバイスをさせていただきます。
そうですから、離婚請求されたからといって慌てる必要はないので、こちらにいらしていただければと思っています。
弁護士荒木
ありがとうございます。では最後に山﨑先生から法律相談を考えている方、法律相談に行きたいと思っている方に向けて何か一言お願いできればと思います。
弁護士山﨑
はい。さまざまなことを求められて、もしくはさまざまなことを求めて、それを実現するための手段として何があるのか、そういうことを法律相談で聞きたいと思っていると思います。
やはり交渉ごとや訴訟ごとは極めて複雑で、そして高度な専門性が必要になってくるところもあります。ご依頼いただく方の最大の目的、目標に至るためにどういう手段が必要か、どうやっていくのかということも極めて高度なノウハウ、経験が必要なところもあります。
そういうところを判断するためにはご依頼いただく方の個々のご事情をしっかりと弁護士が把握して、何が一番理想的な手段なのかを見極めて初動から進んでいくことが極めて重要だと思います。
あくまで弁護士は依頼していただく方の完全なる味方です。ですので、ご事情について、他人には言いにくいことでもなんでも言っていただければと思っています。それが一番近く早い離婚に至るための道筋なんじゃないかなと思います。
弁護士荒木
ありがとうございます。それでは皆さま、本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
 
(全)
ありがとうございました。
【終】

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