離婚調停で弁護士は何をしてくれるの?

弁護士の青木です。

離婚調停を行おうとした時に、弁護士に依頼した方が良いのかどうか、迷われている方がいらっしゃると思います。

 

一番疑問に思うのは、おそらく実際のところ調停で弁護士はどんなことをしてくれるのか、ということだろうと思います。

 

そこで、ほぼ毎日のように離婚調停に参加をしている私の方より、以下ご説明しましょう。

 

1.まずは経済的に有利な解決を目指す!

 

まずは、経済的に少しでも有利な解決をすることが、弁護士の役目として一番大事なところです

 

離婚の話し合いでは、結局お金の話し合いに行き着くことが大半です。

財産分与の金額はもちろんのこと、慰謝料養育費も大事です。

養育費は最後に取り決めることが多く、しかもそれまでの財産分与の話し合いでくたびれているため、一般の方はここで気を抜いてしまいがちです。

しかし、月に1万円でも相場と差があると、10年で120万円の差になってきます。弁護士は、養育費という最後の詰めまで気を抜かずに交渉を試みます。

 

それと、財産分与や慰謝料と同じくらいに大切なのが、婚姻費用の金額です。

婚姻費用は、離婚に至るまでの間にもらったり払ったりする生活費のことです。

離婚に至るまでは、短くとも3ヶ月、長ければ1年程度かかります(裁判になる場合はさらに1年から2年プラス)ので、その間ずっともらったり払い続けるものです。

 

離婚すれば婚姻費用は無くなります。

したがって、一般に、妻側は婚姻費用の金額が高くなればなるほど、交渉を長引かせても問題ないどころか、むしろ得をします

一方で、夫側は交渉が長引けば経済的に不利に働きますから、不利な離婚条件でも、ケースによっては応じざるを得なくなります。

一般に離婚で男性側が不利と言われているのは、ここが絶対的に関係しているので

 

したがって、婚姻費用の金額でどういう結果が得られるのかは、その後の離婚条件を有利に進められるかに直結します。

ですので、弁護士であれば、婚姻費用の金額決定に最大のエネルギーを注ぎます。

 

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2.調停委員や裁判官の不当な要求に屈しない!

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離婚調停では、調停委員のいる部屋に、夫側、妻側が別々に入って話をし、婚姻費用の金額や離婚条件を詰めていくことになります。

ここで影響力を行使するのが、調停委員です。

 

調停委員は、合意をさせるのが仕事です。

したがって、調停委員は、中立の立場を建前としてはとりつつも、「押しに弱そうな側」を説得して合意に応じさせようとする傾向があります。

そうした時、調停委員は、「通常裁判所ではこういう運用をしている」とか、「裁判になればどうせこういう金額になってしまう」などという言葉を利用することがあります。

おそらく、弁護士でない一般の方だと、裁判所の関係者がこういう風に述べるのであればそれが事実なのだろうと思って、合意に応じてしまう可能性が高いと思います。

 

しかし、裁判で結果がどうなるかというのは、実は非常に判断が難しいもので、同じようなケースでも、裁判官によっても結論が変わりうるものです。

なので、調停委員がそれを判断することは、そもそもできないはずの問題なのです。

実際、調停が決裂して審判や裁判になって裁判所が判断する場面に至ると、前に調停委員が述べていたことと全然別の結論になった、というケースは山ほどあります。

 

調停委員だけではありません。

調停では裁判官も出席をする機会がありますが、裁判官もまた、同じような言葉を利用して説得にかかってくる場合があります。

しかし、その時の裁判官が述べていたことが、後々高等裁判所に異議を申し立てた結果、全くひっくり返るというケースもザラです。

 

こうした調停委員や裁判官の説得に応じた方が良いのか、あるいは、応じずに場合によっては裁判所の判断(審判や裁判)に委ねるべきなのかについては、一般の方は非常に判断が難しいと思います。

弁護士は、その経験と知識をフル動員して、合意に応じる方が得か否かを判断します。

私自身も、調停時に調停委員が述べていたこととは全く別の結論を裁判で獲得することが多いので、調停委員の発言に対しては常に警戒をするようにしています。

 

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3.離婚協議の窓口となってもらい相手との直接対話を避ける

 

離婚調停になっても、調停がない日は相手から直接連絡を受ける可能性があります。

それが大してストレスではないのであれば良いですが、争いになっている最中は、やはりストレスが大きいのが通常でしょう。

 

離婚調停で弁護士が入っている場合は、調停以外の時も、基本的に弁護士が対話の窓口となります。

相手とのやりとりや、緊急の連絡なども、弁護士を窓口とすることが可能なので、相手とのコミュニケーションに対する不安やストレスはかなり軽減できるはずです。

 

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4.離婚に至るまでの間の良き相談相手となる

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最後は、弁護士が、離婚問題の解決までの間、良き相談相手になってくれることでしょう。

 

離婚調停は短くても3ヶ月、長ければ1年かかります。

その後裁判に移行する場合は全体で2年から3年かかる可能性があります。

 

その期間、離婚の問題を一人で抱え込むにはあまりにも負担が大きすぎます。

特に、多くの人は離婚の経験がありませんから、自分の判断が正しいものなのか、今後どう判断すれば良いのか、不安は尽きないと思います。

 

離婚に精通している弁護士は、他人の離婚の問題を何十件何百件と経験しています。

その経験をもとに、可能な限り不安を取り除けられるアドバイスができるはずです。

 

それは経済的な問題だけではないでしょう。心理的な気持ちの面や、お子様のことかもしれません。

そうした不安を打ち明けられる相手がいるというのは、離婚問題を進めるに際して、大きなメリットになるでしょう。

 

弁護士のホンネ

離婚問題を中心にしている弁護士が、なぜ離婚問題を仕事にしているかというと、離婚というのが、人の幸福問題に直結しており、弁護士としても全人格を持って正面から取り組めるものだからです。

そこに、弁護士としても、自分自身の価値を見出しているのです。離婚が解決するまでの間は不安が長く続くことと思います。

でも、一生懸命仕事をしてくれる弁護士は、きっと良き相談相手にもなってくれるはずです。

ぜひ、法律相談などを通じて、離婚に至るまでの間、良き相談相手になってくれそうな弁護士を見つけていただければと思います。

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