親権争いに最も影響を受けるのは子ども自身!子どもの意思は尊重されるの?

離婚紛争において、最も激しい争いとなる争点として「親権争い」があります。

 日本では父母の共同親権は認められておらず、離婚の際には父母のいずれか一方を親権者とすることが必要です
 しかし、親権は、経済的な問題とは異なり、双方が譲歩して合意可能な妥協点を探ることができません。
 常にオールオアナッシングの結論しかあり得ません。
 そのため、親権争いが激しい場合は、話し合いや調停では結論が出ず、離婚裁判にて裁判所が判断するまで争いが続く場合が多いです。

 裁判所が親権を判断する際に重視するポイントは多数あり、複雑に絡み合いながら最終的な判断がなされます。

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家庭裁判所の調停や審判などで、子どもに関する事件について、家庭裁判所調査官という方がお子様の状況について調査をすることが…

本記事では、親権争いにおいて最も影響を被る子自身の意思がどの程度重視されるのかについて解説します。

1 法律の規定

 家事事件手続法65条は、以下のように規定しています。

「家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。」

 この規定は「家事審判」に関する規定ですが、家事調停にも準用されています(同法258条1項)。

 さらに、子の年齢が15歳以上の場合は、親権を決める際に子の意見を聴取することが必須事項とされています(家事事件手続法169条2項、人事訴訟法32条4項)。

 このように、法は、親権を定めるに際して子の意思を極めて重視しています。

2 子の年齢が15歳以上の場合

 上述したように、法律も子の年齢が15歳以上の場合は子自身の意見を聴取することを必須事項としており、子の意思が極めて重視されます(家事事件手続法169条2項、人事訴訟法32条4項)。
 そして、大体の場合は、子の意思に沿った形で親権者が指定されます。

 ただし、15歳以上とは言っても、未だ幼さの残る年齢ですので、常に子供の意思のみで決定されるものではありません。
 また、子に両親のどちらかを明確に選択させることは酷であり、子としても明言しない・明言できないことも多いです。
 子と面談をして子の意思を調査するのは「家庭裁判所調査官」と呼ばれる国家公務員ですが、家庭裁判所調査官も子に直接的な質問をぶつけたり回答を強いることはしません。
 そのため、完全に子の意思のみで決定されるものではなく、親の意向、従前の子との関わり方・監護養育の実績、子の現在の生活状況、子の離婚後の生活状況の変動、監護補助者、経済的な事情などの様々な要素の総合判断となることもあります。

※家庭裁判所調査官による調査について詳しくは

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3 子の年齢が15歳未満である場合

 子の年齢が15歳未満の場合でも、親権者の決定に際しては、子の意思は重要は考慮要素とされています。
 特に概ね10歳を超える子の場合は、子の意思は十分に考慮される傾向にあり、子の年齢が15歳に近ければ近いほど子の意思の重要性は増加します。
 逆に、子の年齢が10歳未満などの場合には子の意思の重要性は低下し、より幼い子の場合には家庭裁判所調査官による直接の面談も実施されない場合もあります。
 個人差があるところですが、幼い子は調査官からの質問の意味を正確に理解した上で自身の意見を正確に発言することができないこともありますし、その時々の状況に応じてコロコロと発言内容が変わったりします。
 また、監護親の影響を受けやすいので、幼い子の発言の取り扱いは極めて慎重になされなければなりません。
 そのため、そのような幼い子の発言を重視して親権という重大な事項を判断することはできません。
 幼い子の場合は、たとえ子の明確な発言があったとしても、一考慮要素以上の意味を持たない場合が多いです。

まとめ

  • 法律の規定上、親権や監護権を決める際、子供の意思を考慮しなければならない!
  • 15歳以上の子供の場合、子供自身の意向の確認が必須とされ、その意思は最重視される!
  • 15歳未満の子供の場合でも、10歳以上であれば、子供の意思が重視される傾向にある!

弁護士の本音

弁護士青木
弁護士のホンネ 

 親同士が争っている場合に親権者を決めるのは裁判所です。
 そして、裁判所は家庭裁判所調査官による調査の結果を極めて重視しています。
 家庭裁判所の調査官による子の意思の調査の方法は調査官に委ねられており、専門的な知見より様々な工夫を凝らした質問などが行われます。
 その結果は調査報告書にまとめられて、裁判所に報告されます。
 ただ、時には理解不能な、最初から一方当事者に対する同情などに影響された結論ありきとしか思えない杜撰とした言いようのない調査報告がされる場合もあります。
 調査官は児童心理学や教育学などの試験や研修を受けた家庭問題・児童問題のエキスパートではありますが、その公平性・平等性には疑問を感じることも多いです。
 まだまだ日本の家庭裁判所には多くの根深い問題が蔓延っているように思います。

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