旦那(奥さん)との別居を考えている方必見!別居前に準備しておくこととは?

旦那(奥さん)との生活には耐えられない!」

別居に向けて準備することはありますか?

というご相談を受けることは多いです。

着の身着のまま家を飛び出して別居を開始すると後々不利になることも多いです。同居中であるからこそ、離婚のための有用な証拠収集も可能です。

別居する際には、後々の離婚の話し合いを有利に進められるように事前の準備をしましょう。

そこで、今回は、

・別居後に同居していた家に黙って行ってもいいの?

・同居中に確認・取得しておくべきものは?

生活費(婚姻費用)についてはどうすればいいの?

について、お話ししていきます。

1 別居後に同居していた家に黙って行くことはできるの?

旦那と同居していた家を出て別居を開始した。でも、私の荷物が大量に残っているから、別居の際に持ち出した合鍵を使って家に入って、荷物を回収しても問題ないですよね?

いいえ、それは、避けた方が良いでしょう。

あなたが以前住んでいたとはいえ、別居した以上は、あなたと旦那さんの居住環境は別になります。

旦那さんの許可なく家に入った場合には、住居侵入罪(刑法130条1項前段)の構成要件に該当する行為となります。

場合によっては、警察沙汰にも発展しうるので(特に、別居をしてから時間が経過している場合)、従前同居していた家に入る際には、必ず旦那さんの許可を得るようにしましょう

このように、一度別居を開始してしまうと、自分が従前住んでいた家でも勝手に出入することが難しくなります。

そのため、下でお話しするように、別居の際には、同居中にしかできない準備を整えておきましょう

2 同居中に離婚のために確認・取得しておくべきもの!

それでは、具体的に、同居中にはどのようなことを準備しておけば良いでしょうか。

離婚は、離婚届を提出するだけで終わりというものではありません。

離婚に至る前には、その条件として、①財産分与、②生活費(婚姻費用・養育費)、③慰謝料請求等の複雑な手続きが絡み合うことになります。

ここでは、離婚条件を有利に進めるため、同居中にしか確認・取得できないものについてお話ししていきます。

(1) 相手の財産をチェック!

財産分与は、夫婦の共同生活において築き上げた財産について、2分の1ずつ分けようという制度です。

簡単に言えば、自分と相手の預貯金・生命保険・不動産・自動車等について、別居日を基準としてその財産の合計額を算出して、より多く財産を持っている方が少ない方に対して支払うというものになります。

そうすると、財産分与の手続きを適正に行うためには、相手の財産を正確に把握する必要があります

でも、別居してしまった後では、財産資料については、相手に対して任意の提出を求める他ありません。財産を隠されてしまった場合、知る術がないという状況になりかねないのです。

そこで、同居中に可能な限り、相手の財産状況について確認しておくと良いでしょう。

具体的には、以下のような事項となります。

  • 預貯金について

 相手名義の全ての通帳の銀行名・支店・口座番号を控え、婚姻日と最新(別居日直前)の残高を控える

  • 生命保険について(個人年金も同じ)

 相手名義の掛け捨てではない生命保険の会社、証券番号などを控える

  • 負債について

 住宅ローンに関する資料など現在残高がわかる資料を控える

その他、相手がをやっている場合には、その銘柄や数などの資料があれば控えておきましょう。

なお、不動産自動車については、別居後においても査定書の取得ができるので、急いで取得する必要はないでしょう。

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(2) 相手の収入資料を取得!

婚姻費用や養育費については、自分と相手の収入資料から客観的に判断されることになります。

そのため、相手の給与明細源泉徴収票など、収入状況についてもそれがわかる資料の控えを取っておきましょう。

市役所(区役所)で取得できる配偶者の課税証明書は、原則として同居中しか取得できませんので注意が必要です。

(3) モラハラの証拠収集!

相手から暴言や暴力などのモラルハラスメントを受けている場合には、離婚に伴い、慰謝料の請求をすることができる場合があります。

そのため、相手のモラルハラスメントを証明する証拠の収集も同居中にしておきましょう。

具体的には、会話を録音しておくことや、メールやラインの内容を保管しておくことです。

会話の録音については、基本的には同居中にしかできませんので、お手持ちのスマートフォンなどの録音機能を使って録音しておくと良いでしょう。

これまで録音をしていなかった場合は、別居前が最後の機会ですので、離婚の話し合いを試みるなどして、録音を行うと良いでしょう。

また、同居中の出来事について日記をつけておくこともお勧めです。

3 生活費(婚姻費用)はどうすればいい?

夫婦が別居した場合、収入の多い少ない、どちらが子供と住んでいるかに応じて、どちらか一方が婚姻費用(生活費)を支払う義務が生じます(民法752条、760条)。

ここでは、婚姻費用を払う側ともらう側について、それぞれが気をつけるべきこと、すべきことについてお話ししていきます。

(1) 婚姻費用を払う側

家庭裁判所実務においては、婚姻費用算定表に基づいて婚姻費用の適正額が定められることが多いです。

婚姻費用算定表については、裁判所のホームページから確認することができます。

もっとも、婚姻費用について、当事者間に合意がある場合には、算定表ではなく、その合意が優先されるため注意が必要です。

婚姻費用について安易に相手の提示額等で合意することは絶対避けましょう!

相手が応じない限り金額の変更は不可能です。詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

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婚姻費用・生活費の約束はしてはいけない!

(2) 婚姻費用をもらう側

別居後に無駄なく婚姻費用を受け取るために、別居前から婚姻費用調停の申し立てを準備し、別居後すぐに申し立てると良いでしょう。

裁判所が婚姻費用を認めてくれるのは、申立てをした月の分からだからです。

詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

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<まとめ>

・別居後に、従前同居していた家に相手の許可なく立ち入るのは避けよう!

・財産資料や収入資料、モラハラの証拠など、同居時に証拠の収集をしておこう!

・婚姻費用の金額について、安易な合意は避けよう!(払う側)

・別居後すぐに婚姻費用調停を申し立てられるよう、準備をしておこう!(もらう側)

弁護士のホンネ

別居後、従前同居していた家に勝手に入ることは控えるべきというお話しをさせていただきました。

とはいえ、家に残してきた荷物は回収したいとお考えになるはずです。

荷物を回収する方法としては、

・相手に許可を得て家に立ち入る

・郵送で送ってもらう

・第三者や業者に依頼する

といった方法が考えられます。

大抵の場合には、別居後に相手と顔を合わせるのに抵抗があり、また留守の間に自宅に入られることに拒否感を示す方が多いことから、郵送処理が多いです。

なお、家を出て行かれてしまった側の方は、残置された相手の荷物については、後々トラブルに発展しうるため、勝手に廃棄することは控えた方が良いでしょう。

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