離婚調停の際、調停委員が間に入って離婚に向けた話し合いが行われます。
調停委員は中立公正な立場であるとされていますが、時にはこちらの意思を理解してくれないと、怒りすら感じることもあるでしょう。
時にはそれに対して強い怒りを感じることもあるかと思います。
今回は、そう感じた時の心がけについて、弁護士が3つのポイントに分けて解説します。
- まずは冷静であれ!合意に応じるかはあなたが判断できる!
- はっきりと中立には見えないと伝える
- 弁護士と相談してから判断したいと伝えて牽制する
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1 まずは冷静であれ!合意に応じるかはあなたが判断できる!
調停は、話し合いの手続きです。合意を目指しては話し合いが行われます。
そのため、時には、合意をさせるために、調停委員が少し高圧的になったり、一見合理的とも思える論理を強く展開してくるかもしれません。
しかし、どんなに合理的な内容であっても、こちらが気に入らなければ、応じる義務はないことも事実です。もちろん、応じる方が得であるという場合もありますが、応じなければならないということはありません。
ですので、まずは冷静になりましょう。調停委員から述べられた条件に応じることが、自分にとって本当に得なことなのか、じっくりと判断しましょう。
最終的に条件に応じるかどうかは、他の誰でもなく、あなたが判断できることです。あなたが応じるべきではないと考えたのであれば、キッパリと断りましょう。
2 はっきりと中立には見えないと伝える
調停委員が一方的にあなたばかりを説得していると感じた場合には、中立ではないと感じている旨を調停委員にはっきりと伝えることも大切です。
その際には、感情的になるのではなく、あくまでも冷静に、理由を伝えた上で中立ではないと感じていることを伝えるようにしましょう。
調停委員は、裁判所から、中立公平に振舞うよう、指導されています。当事者による中立ではないという指摘は、調停委員にとってもショッキングなことですので、その後の対応が変わる可能性が期待できます。
3 弁護士と相談してから判断したいと伝えて牽制する
調停委員に対して毅然と反論できず、自分1人で調停委員と向き合うことが難しいと感じたときは、弁護士と相談してから判断したいと考えていることを伝えることが良いでしょう。
弁護士に相談することで、調停委員が提案している条件があなたにとって有利なものであるのかそうでないのか判断がしやすくなりますし、弁護士が介入することは、調停委員に対する強力な牽制になります。
弁護士が一緒に調停に参加した途端、調停委員の対応がガラッと変わることが良くあります。
まとめ
- 気に入らない条件に応じる必要はない!
- 調停委員の相手への肩入れが度が過ぎていると感じた場合には指摘することも大切!
- 自分1人で対応することが難しいと感じた場合には弁護士に相談し、同席してもらうなりして調停委員を牽制するのも有効!
弁護士のホンネ

多くの調停委員さんは一生懸命で、中立的に振る舞ってくれますが、中には高圧的であったり、あやふやな法律知識を押し付けようとするケースも残念ながら見受けられます。
本文で述べた三つの方法について、ぜひ検討してみていただければと思います。
この記事が、あなたのお役に立てば幸いです。