同居義務とは?出て行った旦那さん(奥さん)に同居を求めることはできるの?

プロキオン法律事務所の弁護士の室賀です。

ある日、一方的に旦那さん(奥さん)が家を出て行ってしまった場合、何とかして家に戻ってきてほしいと考える方もいらっしゃいます。

そこで、今回は、

同居を求める方法はある?
・裁判例はどうなっている?
同居の強制はできるの?

について、お話ししていきます。

1 同居を裁判所に求めることはできる?

同居を裁判所に求めることはできるの?

夫婦には、同居義務(民法752条)が存在します。一方的な別居は、この同居義務に反することになります。

 

では、同居義務に違反することを理由として、同居を求めたい場合、どうすれば良いでしょうか。

 

もちろん、まずは相手に対して任意的に同居して欲しいと求めるでしょう。しかしそれでも応じてくれない場合は、家庭裁判所に対して同居を求める調停・審判の申し立てをする方法があります。

 

家庭裁判所では、同居を拒む側に正当な理由があるかどうかを判断します。
そして、正当な理由がなければ、同居を命じる審判が出されることになりますが、どういうケースがあるのでしょうか。

 

裁判例について、以下で説明します。

 

2 同居義務に関する裁判例を解説!

裁判例の解説!

(1) 肯定例

同居義務を認めた例としては、奥さんが浮気をして家を出た(過去に旦那さんにも浮気があった。)事案で、「同居義務が夫婦それぞれの心理を基礎とするものであることに鑑みるとこれを強いることは相当でない」として、これを却下した原審(新潟家審平9・5・2判時1633号90頁)を変更し、奥さんに同居を拒否する正当な理由はなく、共同生活体が今後も維持される可能性は否定できないとして、同居を命じた例(東京高決平9・9・29判時1633号90頁)があります。

 

また、別居期間が1年半あるものの、婚姻関係は破綻しておらず、同居拒否に正当な理由がないとして、同居を命じた例(東京高決平12・5・22家月52巻12号67頁)もあります。

 

(2) 否定例

否定例としては、旦那さんのお父さんの介護と乳児の世話によるストレス、夫婦の会話不足などから家を出て行った奥さんに対して、旦那さんが同居請求を求めた事案において、同居の審判は責任がいずれかにあるのかを確定するために存在しているのではなく、本件では奥さんに翻意の可能性が全くないとしてこれを却下した例(札幌家審平10・11・18家月51巻5号57頁)があります。

 

また、女性と交際中の旦那さんに対し、奥さんから同居を請求した事案で、同居によりむしろ一層互いの人格を傷つけ、個人の尊厳を損なうような結果を招来する可能性が極めて高いとして棄却した例(東京高決13・4・6家月54巻3号66頁。同旨の却下例:大阪高決平21・8・13家月62巻1号97頁など)があります。

 

(3)まとめ

このように、肯定例では、別居していても婚姻関係が破綻していないという認定が前提となっています。

 

一方で、否定例は、別居の正当性の判断というより、同居の拒否が強固であって翻意の可能性がないことや、同居によって人格を傷つける可能性があることを理由として同居が否定されていることがわかります。

 

そうすると、同居を求める場合には、別居中であっても頻繁に連絡を取ったり、旅行に行ったりするなど客観的に円満な夫婦関係を維持することが重要といえます。

 

3 同居義務違反による責任は?

同居の強制はできる?

家庭裁判所が同居を命じる審判を出した!だけど旦那は帰ってこない。。。このような場合にはどうすればいいでしょうか?

 

残念ながら、同居に関しては、家庭裁判所から同居を命じる審判が出されたとしても、婚姻費用など金銭の支払いのように同居を強制することはできません

 

同居を拒否する相手を無理やり家まで連れ戻すことはできないのです。

そうすると、結局は、家庭裁判所において同居の審判が出されても、実効性に乏しいといえます。

 

ただ、同居義務違反が、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)として認定される場合には、一定の慰謝料が認められる可能性もあります。また、同居義務違反によりその後婚姻関係が破綻すれば、相手からの離婚請求は「有責配偶者からの離婚請求」に該当し、簡単には離婚は認められなくなるでしょう(もちろん、こちらから離婚請求をすることは可能です。)。

 

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まとめ

裁判所に調停・審判の申し立てをして同居を求めることができる
・裁判手続きで同居が認められるのは、夫婦関係が破綻していないことが前提となっている!
・裁判手続きで同居が否定されるのは、同居の翻意可能性がない場合や同居により人格を傷つける可能性がある場合!
・裁判所から同居を命じられても強制力はない
 

 

弁護士室賀拓弥
弁護士のホンネ

旦那さんが出ていった場合には、生活費(婚姻費用)の請求をするのも手段の一つです。

婚姻費用は夫婦のうち、収入が多い方が少ない方に対して別居の解消又は離婚するまで支払う義務を負います。旦那さんは、婚姻費用の支払いを避けようと再度同居を翻意するかもしれません

もっとも、旦那さんが、あなたからの同居要請を無視し、あくまでも別居を続け、離婚を求めてきたような場合には、一度弁護士に相談することをお勧めします。

そして、あなたにとってどのような対応をするのがもっとも良い選択であるのか検討しましょう。

 

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