既婚者と浮気した場合における浮気相手の配偶者からの慰謝料請求の相場は?
浮気相手の配偶者から、慰謝料請求をされているが、そこで請求されている金額が高いのか妥当なのかわからないという方は多いと思います。
以下は、裁判実務上における相場です。ぜひ参考にしてみてください。
浮気相手と配偶者が現在も同居している場合→80万円〜150万円
浮気相手と配偶者が別居したが離婚していない場合→150万円〜200万円
浮気相手と配偶者が離婚した場合→200万円程度
そして、これとあまりにもかけ離れている金額を要求されている場合には、応じるべきではないといえます。
しかし、これはあくまで裁判実務上の相場です。
当事者間の合意があれば極論として金額は1円や1億円とすることも可能です。
そのため、請求された場合には、安易に相手の要求額について払う意思を示すべきではありません。
例えば、メールやラインにおける文面で「払います。」などという文章を送ってしまった場合、それが当事者間で合意になったという証拠になってしまう危険があります。
相手との連絡のやりとりは、それが今後どのような証拠となるか分からないですし、その判断も難しいと思います。
不用意に返信するのではなく、一度弁護士に相談をして判断を仰ぐことをお勧めいたします。
払わなければ、家族や会社にバラすと言われている。どうすればいい?
浮気相手の配偶者に自分の勤務先や自宅が発覚しているような場合、「500万円を支払え。さもなければ勤務先や家族に浮気をしたことをバラす。」等として無理矢理にでも、要求金額を支払うことを主張してくる人もいます。
しかし、このような相手の要求は、恐喝罪(刑法249条1項)の実行行為に該当する行為です。
確かに、浮気相手の配偶者は、慰謝料請求を行うことのできる立場にあります。
しかし、判例(最判昭和30年10月14日刑集9巻11号2173頁)によれば、正当な権利行使であっても、その手段が恐喝行為に基づく場合には、刑法上の恐喝罪に該当すると判示しており、裁判実務上の通例となっています。
また、恐喝手段として利用する害悪の告知(ここでは、勤務先や家族にバラすということ)も、それ自体が不法なものであることを要しないとされています。
要求された支払いに応じていない場合、行為は未遂にとどまっているといえます。しかし、恐喝罪は未遂であっても刑事罰の対象として定められています。(刑法250条)。
また、浮気の事実を、みだりに第三者(こちらの勤務先など)に口外した場合、名誉毀損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)が成立し得ることになります。
このように相手の主張は、犯罪に該当しうる行為であるため、相手の要求に応じることは避け、出来るだけ早く弁護士に相談をすることをお勧めいたします。
また、相手の不当・不法な主張は、証拠として残しておくべきですので、相手からのメールやラインの履歴の保存、電話や直接の対話時における録音などはしておくべきといえます。
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相手からの請求が不安で仕事も手に付かない。弁護士に依頼したらどうなるの?
浮気相手の配偶者から直接、慰謝料の請求を受けるような場合、直接電話やメールでの応答を継続して話し合い、最終的に相手が納得する金額を提示して支払うことで解決することになると思います。
しかし、弁護士を介さない場合には、およそ経済的合理性のない話にばかり話が続いたりします。
例えば、相手から、「同様の苦痛を味わうまで納得しない。」「退職しないと許さない。」と言われる始末です。
解決までに時間も要するため、相手との対応は精神的に厳しいものといえます。
また、早急に解決をしたいとの思いから相手の法外な請求金額に応じるなど泣き寝入りしてしまうことも懸念されます。
一方、弁護士に依頼する場合、相手との直接の連絡のやりとりは一切不要となり、通常の生活に戻ることが可能となるはずです。
また、弁護士は、相手からの不当な要求には妥協しません。裁判実務上の相場など妥当な解決に導くことになります。
この点が弁護士に依頼する最大のメリットといえます。
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合意した後に再び別の理由をつけて金銭要求をしてきた場合の対処方法
無事に相手との間で合意書を取り交わして解決金も払い終わり。ああ、解決してよかったと思っていたら、ある日再び相手から、「合意書は無効だ。新たな事実が発覚した。金を払え。」等と主張されたという場合も、本当に稀ではありますが、見受けられます。
しかし、既に合意書を取り交わして解決金も支払っている段階での相手の主張は単なる嫌がらせか、弁護士との委任関係が終了したことを見計らって、さらに不当に金銭要求しているものです。
このような要求をしてくる相手に対しては、一般的には、一切の連絡を遮断すれば良いでしょう。
そして、さらに勤務先や家族への接触等言ってきた場合には、いよいよ刑事告訴をすることも選択肢に入れるべきです。
ただ、ここまでしつこい相手というのは滅多にいません。
弁護士を介さずに、当事者間のみで話し合っていたときには、強固な姿勢で自らの要求を押し通そうとしていた人でも、弁護士が介在して、冷静に法律に則った交渉をすることによって、態度を軟化させる人は多いです。
そのため、相手の態度が強固でどうしても自分ではこれ以上まともに話し合うことができない場合には、一度弁護士にご相談いただければと思います。
また、自分が弁護士をつけることで相手も弁護士をつけて訴訟を提起されたりするのではないかと不安になられる方もいらっしゃいますが、むしろ相手に弁護士がついた方が、相手も経済的なメリット・デメリットという冷静な判断をするようになります。
その結果、話し合いが円滑に進み、早期解決となるケースのが多いと実感しています。