交際相手が既婚者だった場合に「請求される慰謝料」と「請求できる慰謝料」

プロキオン法律事務所弁護士の山﨑慶寛です。

 今や1人1台スマホの時代であり、インターネットは出会いの手段の1つとして完全に定着しています。

 怪しげな出会い系サイトもありますが、真剣な交際相手の検索サイトもあります。

 さらには、ソーシャルゲームやSNSなどを通じて知り合った異性と恋に落ちることもあるでしょう。

 しかし、インターネットでの出会いは、昔ながらの対面から始まる関係よりも格段に嘘が付きやすく、その嘘が簡単に通じてしまうものです。

 経歴や年収などをちょっとばかり都合よく偽る程度であればそこまで問題は大きくないかもしれません。

 しかし、例えば、既婚者であるにもかかわらず独身であると偽った場合は、法律上様々な問題が発生します

 

 そこで、今回は、交際相手が実は既婚者だった場合にスポットライトを当てて、

 ・交際相手の配偶者から慰謝料を請求されるリスク

 ・交際相手に対して慰謝料を請求できる場合

 について、解説します。

交際相手の配偶者から慰謝料を請求されるリスク

⑴交際相手が既婚者だと知らずに交際していたことの責任について

既婚者であることに故意・過失がなければ慰謝料の支払い義務は負わない!

 交際相手の配偶者に対して、不倫をしていたことを理由に慰謝料を支払うべき義務を負うこととなるのでしょうか。

 結論から言えば、法律上は、①交際相手が既婚者であることを知らず(故意がない)、しかも②既婚者ではないと信じたことに過失(不注意)もない場合は、慰謝料を支払うべき義務を負いません。

実際には多くの場合で慰謝料の支払い義務が認められている

 しかし、実際には、裁判上、交際相手の配偶者からの慰謝料の請求が否定されることは極めて稀です。

 なぜなら、裁判所は、よほど特殊な事情がなければ「故意も過失もない」とは認定してくれないからです。

 裁判所は、あなたが本当に知っていたか知らなかったかではなく、あなたと同じ立場に一般人が立った場合に、その一般人がどう思うのかを前提に判断する傾向にあります。

 さらに、裁判所は、「もしかしたら既婚者かもしれないな」と思っているだけで、故意があると認定しています。

 そのため、裁判所に「故意も過失もない」と認定してもらうためには、「およそ一般人であれば交際相手が既婚者かどうか疑うこともしない状況での交際であったこと」が必要です

 そして、裁判所にそのことを分かってもらうのは、極めてハードルが高いと言わざるを得ません。

⑵交際相手が既婚者だと判明したにも関わらず交際を継続するリスク

 交際を続けているうちに、交際相手が既婚者だと判明することもあるでしょう。

 その場合、交際相手が既婚者だと判明した直後に交際関係を清算すれば、交際相手の配偶者に対して慰謝料を支払うべき義務が否定されることもあります。

 他方、既婚者だと判明したにも関わらず、それ以降も交際関係を継続した場合は、交際相手の配偶者に対して慰謝料を支払うべき義務を負うこととなります。

交際相手に対して慰謝料を請求できる場合

 人には、誰と性的関係を結ぶのかを選択する権利(貞操権)があります。

 そして、交際相手が独身だと偽っており、あなたがそのことを信じて肉体関係を結んだ場合には、あなたはその相手と性的関係を結ぶか否かの選択をするための重要な前提事実(既婚者であるか独身であるか)を騙されて知らなかったといえます。

 そのため、そのような場合には、交際相手に対して、貞操権・人格権が侵害されたことを理由に慰謝料を請求することができる場合があります。

 慰謝料の具体的な金額は、50万円程度の場合もありますが、具体的な事情次第では300万円を超える金額が認められる場合もあります。

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 なお、交際開始当時に既婚者であると知っていた場合は、このような貞操権侵害を理由とする慰謝料の請求は原則としてできません

※例外的に慰謝料の請求ができる場合については「不倫相手と結婚したい人必見!不倫相手とした結婚する約束って守られるの?」参照

弁護士のホンネ

 本文中には、交際相手が既婚者であることを知らなかったとしても、実際には、裁判上、交際相手の配偶者からの慰謝料の請求が否定されることは極めて稀だと書きました。

 しかし、冒頭で記載したように、現在は高度に発展したインターネット社会であり、人と人とのコミュニケーションツールも多様化しており、人と人との出会い方も一昔前と比べて格段に多様化しています。

 また、一昔前よりも格段に、人と人とのコミュニケーションの内容が記録として保存されています(LINE、SNS、メール等)。

 そのため、今後、裁判所によって、交際相手が既婚者であることについて「故意も過失もない」と認定され、慰謝料の支払い義務が否定される例も増加していくのではないかと考えています。

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