離婚事件で弁護士に依頼したあと、どこまで自分も動くべき?

 

離婚や男女トラブルの対応を弁護士に依頼した後、多くの方が抱える共通の疑問があります。

「自分も動いた方が良いのか?」「どこまで情報・資料を集めればいいのか?」

弁護士に任せ切った方が良いのか、それとも積極的に自分で調べたり動いた方が良いのか。このバランスは、相談者によって判断が難しいところです。

本記事では、「弁護士に依頼した後、依頼者がどこまで動くべきか」を分野ごとにわかりやすく解説します。適切な役割分担を知ることで、無駄なストレスを減らし、より良い解決へつなげることができます。

1 基本的な考え方:役割は 「情報提供」 と 「生活の管理」

弁護士に依頼した後、依頼者が行うべき基本は次の2つです。

① 必要な情報・資料の提供

弁護士は、依頼者からの情報を元に主張を組み立て、証拠を揃えます。
そのため、

  • 過去の出来事の時系列
  • 財産状況
  • 相手方とのやり取りの記録
  • 子どもの生活状況

など、事実に関する素材は、依頼者の協力が不可欠です。

日常生活の維持・管理

離婚協議中は精神的負担が大きくなりがちです。
弁護士に依頼した後は、生活の安全確保・子どもの日常の維持・家計の管理など、依頼者自身にしかできない部分に集中することが大切です。

2 分野別:どこまで自分で動くべきか?

離婚・男女問題といっても、不貞慰謝料、財産分与、親権問題など、求められる行動は少しずつ異なります。それぞれ具体的に見ていきましょう。

(1)不貞慰謝料の場合:証拠提供は「できる範囲で」 OK

不貞(不倫)が疑われる場合、依頼者が最も悩むのが「証拠をどこまで集めるか」です。

結論としては、

専門的な証拠収集(探偵、不貞現場の撮影)は弁護士と相談して判断

無理をして自分で尾行したり、GPSの器具などを車やカバンに忍ばせる行為は、大変な労力が必要であったり、違法になる危険もあります

自分でできる範囲の証拠は協力して集める

たとえば、

  • LINEやメールのスクショ
  • ホテルの予約履歴(自分の端末に残っている場合)
  • SNSの書き込み
  • 家計の動き(急な出費など)

これらは日常生活の中で自然に収集できます。

弁護士は

  • どの証拠が裁判で有効か
  • 何を押さえるべきか

を具体的に指示しますので、その指示に沿って進めましょう。

無理に自分で「完璧な証拠」を揃える必要はありません。

(2)財産分与の場合:資料整理は「依頼者の協力が大きな武器」

財産分与では、資料の正確性が非常に重要です。

弁護士は法的な整理と交渉を担当しますが、元となる情報は依頼者側にあります。
特に、以下の資料は依頼者が動くとスムーズです。

本人が集めやすい資料

  • 夫婦各名義の通帳
  • 過去2〜3年分の取引明細
  • 住宅ローンの返済予定表
  • 生命保険の契約内容
  • 証券口座の取引報告書
  • 家計簿アプリのデータ
  • 車・不動産の評価資料

これらは自分で取得する方が早く、コストも小さいです。

弁護士が主導する部分

  • 相手方名義の財産の開示請求
  • 交渉・調停での提出資料の裁判所形式への整形
  • 法的主張の構築
  • 隠し財産の疑いへの対応

つまり、「自分で取り寄せられる資料は自分で取っておくと進みが速い」「交渉や法的整理は弁護士に任せる」という役割分担が理想です。

(3)親権・監護問題:生活実態の証明は依頼者の協力が不可欠

親権・監護の争いでは、法律よりも日常生活の実態の証明が鍵になります。

弁護士に依頼した後、依頼者がやるべきことは明確です。

子どもの生活の記録を残す

  • 保育園・学校への送迎
  • 食事、睡眠、学習の様子
  • 医療・健康管理
  • 習い事の参加状況
  • 子どもとの関わりの写真
  • 家族のLINEのやり取り

特に、監護者指定や面会交流の争いがある場合、
「どちらが主に育てているか」といった実態の証拠が重要になります。

引越し・別居の場面では弁護士の指示を優先

別居のタイミングや住居選びは、

  • 監護権
  • 面会交流
  • 婚姻費用

などに影響するため、独断で行動すると不利になることがあります。

弁護士と相談しながら進めることが不可欠です。

3 弁護士に任せるべきこと

依頼者がやる必要のないもの、むしろ任せるべきものも多くあります。

相手方との連絡・交渉

感情的対立を避けるためにも、弁護士を窓口にするべきです。

法的主張の整理・書面作成

専門知識が必要な部分は弁護士に任せるのが良いでしょう。中途半端な知識は有害の場合も多いです

裁判・調停での手続・出頭

実務的で形式的な要素が強いため、弁護士が対応するのが基本です。ただし、調停は原則として一緒に参加しましょう。

4 逆に「自分で動くと不利」になるケース

依頼者が頑張りすぎると逆効果になるケースもあります。

 相手を尾行・盗撮する

違法行為となり、慰謝料請求側が不利になることも。

ネットを経由して相手のメール内容などを見る

違法取得の証拠は裁判で使えないこともあります。

 相手方と直接交渉してしまう

感情的な発言が後々の交渉に悪影響を与えることがあります。

別居・引越しを独断で決めてしまう

親権争いに不利に働く可能性があります。

5 理想的な役割分担とは?

弁護士に依頼した後のベストバランスは、次のようにまとめられます。

  • 事実に関する素材は依頼者が提供
  • 法的な整理・交渉は弁護士が担当
  • 精神的負担が大きい手続き・対人対応は弁護士に任せる
  • 日常生活や子どものケアは依頼者が中心となる

無理に「自分で何もかもやろう」としなくても、
「弁護士が必要としている情報」のみに集中すれば十分です。

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弁護士に依頼いただいた後は、「どこまで本人が動くべきか」ではなく、「何を弁護士と協力して進めるのが最適か」という視点が重要です。

依頼者が過度に負担を抱える必要はありません。むしろ、生活の安定・子どものケア・必要資料の整理といった、依頼者にしかできない部分に集中していただきたいと思います。

それでなくとも、離婚や不倫問題は、人生で最も精神的なストレス負荷がかかる出来事です。弁護士に依頼した以上は、大いに弁護士を利用しましょう。

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