離婚調停や婚姻費用調停を申し立てようと思うけど、夫は出頭しないと思うから申し立てても無駄?
このように、結局調停を申し立てても相手が出頭しないのではないか、調停を申し立てても無駄ではないかと考える方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、
・相手が調停に来ない場合はどうなる?
・婚姻費用調停や面会交流調停、財産分与調停に来なかったら?
・離婚調停に来なかったら?
についてお話させていただきます。
相手が調停に来なかった場合どうなるの?
調停は、あくまでも話し合いの場になります。
そのため、相手が調停に来なかった場合には、話し合うことはできないため、調停は不成立となり、終了となります。
通常は、2回や3回連続で相手が出頭しない場合、裁判所から調停の不成立又は調停を取り下げるかについて意見を聞かれることになります。裁判所側でも、期日に出頭するよう求める書面を相手に送ります。
そして、あなたの意見を聞いた上で調停は不成立となります。
もっとも、婚姻費用分担調停や面会交流調停、財産分与調停など一部の調停事件については、調停が不成立になると、審判という手続きに移行することになります。
以下では、婚姻費用分担調停・面会交流調停・財産分与調停の場合と、離婚調停の場合において、相手が調停期日に来なかった際の流れについてお話ししていきます。
婚姻費用分担調停・面会交流調停・財産分与調停に相手が来なかったら?
婚姻費用分担調停や面会交流調停、財産分与調停については、相手が出頭せず調停が不成立になると審判手続に移行することになります。
審判手続きは、調停とは異なり、当事者の主張・証拠を基礎に裁判所が一定の判断を下す手続きになります。
ただし、相手が期日に出頭せず、何らの主張も証拠の提出もしていない場合はどうなるのでしょう?
その場合、裁判所が審判を出すにあたって判断の基礎とするのは、専らあなたからの主張・証拠になります。
つまり、審判に移行した場合、相手が欠席であれば、相手の反論や反対証拠が提出されないため、あなたの主張・証拠どおりの結論が出される可能性があるのです。これは非常に有利となります。
そして、審判にて婚姻費用や財産分与に関する判断がされ、その判断が確定した場合、相手に対して強制執行をすることができるようになります。
一刻も早く離婚したいんですが、離婚調停を申し立てるべきか悩んでいます。調停を申し立てると長引いてしまうんでしょうか・・・?プロキオン法律事務所の弁護士の青木です。上のような質問をされる方は多くいらっしゃいます。つまり、離婚を早く進めた[…]
離婚調停(夫婦関係調整調停(離婚))に相手が来なかったら?
離婚調停の際に、相手が来ない場合には、離婚調停は不成立又は取り下げることになります。
離婚調停の場合には、当然に審判手続に移行はしません。
それでは、離婚を達成したい場合、どうすれば良いのでしょうか。
相手が離婚調停に出頭せず、離婚調停が不成立又は取り下げとなった場合、相手に離婚を求めるには離婚訴訟を提起する他ありません。
仮に、離婚訴訟においても相手が期日に出頭しない場合でも、訴訟手続きは進められます。
そして、相手による反論や反対証拠がなければ、裁判所はこちらが出した主張や証拠のみによって判断するほかありません。したがって、こちらの主張が通りやすくなりますので、離婚が認められる可能性は極めて高いでしょう。
まとめ
・相手が調停に来ない場合、数回の期日を経て、調停は不成立となる!
・婚姻費用調停・面会交流調停・財産分与調停においては、相手が来ない場合、審判手続に移行し、有利な結果となり得る!
・離婚調停に相手が来ない場合、調停は不成立となり離婚訴訟に進むことになるが、離婚訴訟でも相手が来ない場合には離婚が認められやすくなる!
調停期日に相手が出頭して来ないのではないかと不安に思う方もいらっしゃいますが、多くの場合、結局調停には出頭するケースが多いです。我々も数百件の調停事件を経験していますが、9割以上はきちんと出席してくれている印象を持ちます。
調停に出頭しない場合、本文でお話ししたようなリスクがありますので、リスクを避けようと考え、出頭するものと思われます。
また、本文でお話したように、相手が調停期日に出頭しないからといって、特段不利益になるものではなく、むしろ有利に働くことが多いです。
そのため、相手との任意での話し合いが難しい場合には、調停という手段を取ることも積極的に検討しましょう。