不貞の慰謝料は、どのような時に高額になるのでしょうか？
今回は、不貞慰謝料の増額事由について、３つのポイントに分けて紹介します。
・こんな場合は増額されるかも。増額事由の紹介
・どの程度増額されるの？
・慰謝料の請求のためには証拠が大切
こんな場合は増額されるかも。増額事由の紹介
①不貞の回数が多く、期間が長い
不貞の回数が多い事実や、不貞の期間が長期間に及ぶことは、慰謝料の増額事由です。
過去の事例からすると、半年から１年程度を超える場合には長期間であると判断されることが多いようです。
性交渉がどの程度の回数あったのかということや、いつから不貞が開始したかということも確認するようにしましょう。
②不貞に対して積極的であったこと
過去の裁判例には、「関係を維持するに当たって・・・、積極的に振舞っていたといえる。」として、不貞に対する積極性を慰謝料の増額事由として考慮している事案があります（東京地裁平成２５年９月１２日）。
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③婚姻関係が長期間だったこと
過去の裁判例には、以下のような事案があります。
- 原告（請求側）の１５年間にわたる婚姻期間を長期間であるとして、慰謝料の増額事由として考慮した事案（東京地裁平成２４年３月２９日）
- １９年間にわたる婚姻期間を長期間であるとして、慰謝料の増額理由として考慮した事案（東京地裁平成１６年２月１９日）
④不貞行為を止めるよう求めたにも関わらず不貞行為を続けた場合
過去の裁判例には、妻が不貞相手に対して再三にわたり夫との不貞行為をやめるよう申し入れたにも関わらず、不貞行為を継続したことを慰謝料の増額事由として考慮した事案（東京地裁平成１９年４月５日）があります。
どの程度増額されるの？
増額事由が存在することで、どの程度慰謝料が増額されるかは、増額事由の数や具体的な内容によって変化します。
不貞慰謝料の相場は、
夫婦が同居を継続した場合は５０万円から１００万円程度
夫婦が別居をした場合は１００万円から２００万円程度
夫婦が離婚をした場合は２００から３００万円程度
とされています。
増額事由が存在する場合には、この幅の中で金額の調整がされることが一般的です。
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不貞慰謝料の請求のためには証拠が大切
訴訟で不貞慰謝料を請求する場合、相手に不貞があったという事実を裏付けるような証拠が必要です。
また、慰謝料の増額事由を主張する時も、証拠が必要になる場合もあります。
ある証拠のみでは不貞の事実を立証することが難しい証拠であっても、複数の証拠を組み合わせることで不貞の事実を立証することができるようになる場合もあります。
どのような証拠を集めるべきか迷った場合には、下記の記事もご参照ください。
「不倫を証明するため知っておくべき証拠ベスト５！ここに紹介！」
証拠を集め終えるまでは、当方が不貞を知っていることを相手に隠すなど、証拠を集めやすい状況作りをすることも検討してみましょう。
まとめ
・増額事由があれば主張しよう
・大きく増額されるとは限らないため注意
・証拠はきちんと集めよう
今回の記事では、不貞慰謝料の増額事由について紹介しました。
妻や夫の不貞が発覚した場合、ショックの大きさから冷静な対応が難しかったり、どのような証拠を集めたら良いのか不安を感じたりする方も多いです。
1人で解決することが難しいと判断した場合には、弁護士に相談してみることも選択肢になります。
