横浜の弁護士の荒木です。
このように思っているあなたのために、弁護士は非常に心強い味方であることは間違いありません。
ところが、先日、大変驚くようなニュースがネット上で話題になりました。
『え…最悪!離婚を余計にややこしくする「こじらせ弁護士」急増中』
このニュースによれば、離婚問題について経験不足・知識不足の弁護士が多く、ただでさえ複雑な離婚問題を、さらに弁護士が「こじらせ」てしまい、依頼者とのトラブルに発展するケースが急増しているようです。
依頼者の方々は、離婚や男女問題に困り果てて、ワラをも掴む思いで、お金を出して弁護士に依頼しています。
それにもかかわらず、せっかく依頼した弁護士が、納得できるような対応をしてくれずトラブルになってしまうとは、弁護士にとって、大変残念なニュースです。
それでは、離婚の相談先選び、弁護士選びで失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか?
離婚や男女問題の解決にはどんな弁護士を選べばいいのでしょうか?
私も、離婚問題を専門に取り組む弁護士のはしくれとして、アドバイスいたします。
鉄則は、離婚事件の経験が豊富であること!
まず鉄則は、離婚事件の経験が豊富(少なくとも似たような事件を最低5件以上扱ったことがあること)です。
弁護士の仕事というのは、職人技のようなものです。
案件をこなせばこなすほど弁護士としての実力がつきます。
そうですから、離婚や男女問題の事件の経験が全くない弁護士は避けた方が無難です。
そして、弁護士の専門分野は、企業法務や刑事事件、労働事件、離婚・男女問題と非常に多岐に渡ります。
そうですから、弁護士になってからウン十年のベテランの先生でも、離婚は初心者ということも珍しくはないのです。
では、弁護士が、離婚事件の経験が豊富であるかどうかはどうやったらわかるのでしょうか?
それは、簡単です。
相談のときに
「先生は、私のようなケースを何件くらい扱ったことがありますか?」
と聞けばいいのです。
ここで、答えをはぐらかしたり、非常に少ない(正直なことは良いことですが。。)弁護士は避けた方が無難かもしれません。
自分の話や、希望を聞いてくれるかどうか
良い弁護士というのは、相談者の話に(愚痴や不満も含めて)じっくり耳を傾けて、相談者の希望を聞いて、相談者に対して、法律的な見通しや、今後の戦略の道しるべを示すものです。
離婚の相談に来られる方でも、境遇も事情もご希望も千差万別です。
たとえば、奥さんが子どもを連れていきなり別居した旦那さんの場合でも、
- なんで奥さんが別居を始めたのか(旦那さんの不倫やDVが原因なのか、それとも奥さんの身勝手なのか)
- 別居した後の事情はどうなのか(連絡はとれているのか、全く音信普通なのか、奥さんに弁護士がついているのか)
- 旦那さんがどういう希望を持っているのか(奥さんとよりを戻したいのか、いっそ離婚したいのか、子どもと一緒に暮らしたいのか、それとも子どもとは面会交流できればいいのか)
など、一つとして同じ事案はないのです。
そして、弁護士は事情をしっかり聞き取りをしないと、正確な法律的な見通しや戦略を伝えられませんし、希望をしっかり聞き取りしないと、依頼者の希望していない方向に事件処理をしてしまいます。
そうですから、あなたが、相談している弁護士が、自分の話をじっくり聞いてくれるのか、適宜質問などをしてしっかり聞き取りをしているか、自分の希望も聞いてそれを反映した上で法律上の見通しを教えてくれるのかをしっかりチェックすべきです。
もし、「弁護士が自分の話や希望をしっかり聞いてくれないなあ。。」と違和感を感じたのであれば、ほかの弁護士に相談してみてもいいかもしれません。
今はネットで情報も拾えるから、弁護士に依頼しなくても、ネットの情報を参考にして、離婚条件を取り決めて離婚くらい簡単にできる? いいえ、ネットの情報は断片的なものであって正確性に欠ける情[…]
大きい事務所か、個人事務所がいいのか
離婚相談をやっている事務所には、弁護士がウン十人といて、法人化や全国展開をしている大規模事務所も、弁護士が一人または数人の個人事務所(日本の弁護士の大半はこちらです。)もあります。
これはどちらも一長一短です。
- メリット
大規模なので、事務所として案件を大量に受任しているので、ノウハウの集積が期待できる。
全国展開している事務所であれば、相手方が遠方に住んでいる場合、交通費や日当の節約になることも(たとえば、東京に住んでる夫が、大阪の妻相手に調停を起こす場合、大阪支店の弁護士が対応するなど。)
- デメリット
大規模事務所なので、担当する弁護士によって当たりハズレがある(比較的若い弁護士が多いのも特徴)。
担当をする弁護士は通常、給与をもらって仕事をしている「サラリーマン弁護士」なので、仕事の熱心さに差があることも。
弁護士個人ではなく、弁護士法人に依頼しているので、弁護士の異動や退職によって、担当弁護士が交代させられる可能性がある(相談で良い印象だと思った弁護士に頼んだのに、他の弁護士に引き継ぎになってしまい、、というようなことも。)
個人事務所
- メリット
相談した弁護士個人に依頼をするケースが大半なので、途中で弁護士の交代ということはあり得ない。
個人事務所の弁護士はその事務所の経営者でもあるので、頑張って依頼者の利益が大きいほど報酬が大きいので、少しでも有利な解決をしようという貪欲さはあるかもしれません(程度問題ですが。。)。
- デメリット
遠方に住んでいる相手に調停や裁判をする場合、弁護士の日当や交通費がかかる(これが案外バカになりません・・)
もし弁護士との関係が悪化したときや、信頼関係が破壊されてしまった場合、弁護士を解任するほかない(また一から弁護士を探さなければなりません。)
このようにどちらも一長一短です。
どちらだからと言って良いも悪いもないと思われます。
最後は、フィーリング
と、いろいろ述べてきましたが、結局、最後はフィーリング(相性)が重要だと思います。
弁護士が仕事をするにあたっては、依頼者との信頼関係が非常に重要です。
長く険しいことも多い離婚問題を解決するためには、弁護士と依頼者がガッチリタッグを組んで二人三脚で乗り越えることが必要となります。
そうですから、あなたから見て、その弁護士と相性が合うか、人間的に好きかどうか(信頼できるか)ということは、非常に重要なファクターになると思います。
そのためにも、(時間とお金に余裕があれば、)いろんな弁護士に相談をして、弁護士を比較検討してみてください。
そして、弁護士を選ぶ「目」を養ってください。
弁護士選びの際に、離婚事件の経験が豊富であることは必須条件だと思います。
ただし、私としては、プラスアルファで、「顧客満足度」を重視した対応も大事だと考えています。
迅速な対応と、わかりやすい説明、丁寧な応対でお客様の満足度を高めることも非常に重要だと思いますね。
弁護士もサービス業ですから、顧客目線で満足度を高めるような事件処理を心がけています。