不貞や離婚について裁判をする時、事実の裏付けとなる証拠を保存することは大切なことです。
今回は、LINEアプリを利用した証拠の保存方法について、3つのポイントに分けて紹介します。
・LINEメッセージを証拠とする場合の注意点について
・LINEメッセージ履歴の保存方法
・LINEメッセージの証拠はこんな場合に使える!
LINEメッセージを証拠とする場合の注意点について
LINEメッセージを証拠とする場合の注意点として、一番大切なことは、メッセージを送付した本人は、いつでもメッセージを削除することが可能な点です。
相手がLINEを見られていることに気がついてしまうと、証拠にできるようなメッセージを削除されてしまう可能性が存在します。
そのため、証拠になるようなメッセージはできるだけ早期に保存するようにしましょう。
LINEのメッセージ履歴の保存方法
LINEのメッセージ履歴の保存の方法としては、①保存したいメッセージを表示した上で、携帯電話ごと写真撮影をする、②保存したいメッセージのスクリーンショットを撮影する、③テキストファイルを保存する、といった方法が存在します。
①保存したいメッセージを表示した上で、携帯電話ごと写真撮影をする方法
これは一番簡便な方法です。
携帯電話に証拠として保存したいメッセージを表示した上で、写真を撮影します。
メッセージがいつ送付されたものなのか分かるように、日付も写るような形で撮影しましょう。
また、長いメッセージは、画面のつながりが分かる形で、何枚かに分けて撮影しましょう。
②保存したいメッセージをスクリーンショットする方法
これも、①と同様に、日付やメッセージのつながりが分かる形で撮影するようにしましょう。
もっとも、証拠として保存したいメッセージ量が膨大な場合には、①や②の方法では難しい場合もあります。
そのような場合には、次の③の方法も活用しましょう。
③テキストファイルを保存する方法
まず、メッセージ画面の右上からメニューを開き、歯車のマークのボタンを押して設定画面を開きます。
次にトークに関する設定画面を開き、「トーク履歴を送信」のボタンを押します。
この方法を用いることで、トーク履歴をテキストファイルの形で送付することが可能です。
もっとも、テキストファイル形式で保存したデータについては、後でデータを書き換えることが可能です。
そのため、裁判所が、証拠としての信用性が低いと考えるリスクがあります。
重要なメッセージ部分のみは写真等の形で別途残すことが望ましいです。
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LINEメッセージの証拠はこんな場合に使える!
相手が不貞をしたことを認めているメッセージがある場合には、そのようなメッセージを保存することで、相手の不貞を裏付ける証拠として用いることができます。
もっとも、LINEのメッセージのみでは、相手が当方に脅された、当方と別れたいがために、本意ではないが発言したといった反論をする可能性が存在します。
そのため、他の証拠も収集し、それらの証拠を積み重ねて不貞を立証する場合が多いです。
また、離婚訴訟では、離婚をしたいと考えている場合には、相手からの暴言や離婚に合意している発言を保存することで、夫婦関係が破綻していたことを示す証拠のひとつとして用いることが可能です。
逆に、離婚をしたくないと考えている場合には、夫婦仲が良いことを示す発言を保存することで、夫婦関係が破綻していないと示す証拠のひとつとして用いることも可能です。
LINEメッセージがどの程度事実を裏付けることが可能かは、事案やメッセージの内容により異なります。
もっとも、裁判となった場合にはLINEメッセージ以外の証拠もあわせて提出することが一般的です。
LINEメッセージだけでなく、証拠はできるだけ集めるようにしましょう。
集めた証拠に関してご不安がある場合には、証拠を持参して弁護士に相談することも選択肢として検討するようにしましょう。
<まとめ>
・LINEメッセージは、発言者が削除することができるので、保存はお早めに
・LINEメッセージの保存方法を使い分けよう
・LINEメッセージ以外の証拠もできるだけ集めるようにしよう
今回の記事では、LINEアプリを利用した証拠収集の方法と、その注意点について紹介しました。
家庭内の出来事は、証拠となるような記録が残るような場合は少なく、証拠を残すことの意味はとても大きいです。
当事務所では、証拠を持参いただいた上で法律相談をお受けすることも可能です。
この記事が、みなさんにとっての一助となれば幸いです。