妻が子供に会わせてくれない!面会交流を実現するマル秘方法

(2023年12月11日更新)

——別居中や離婚後に、妻が子どもに会わせてくれない…

このような悩みを持つ父親は多いのではないでしょうか。

しかし、離婚後や別居中、子供と同居していない親が、子供に会う権利ー面会交流権は法律上認められています。

それでは、実際に、父親が子供に会うためにはー面会交流を実現するには、どのような方法をとれば良いのでしょうか。

1 そもそも、面会交流って何?

そもそも、面会交流(めんかいこうりゅう)って一体何なんでしょうか。

民法766条1項では、以下のように定められています。

1.父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない

最高裁平成12年5月1日決定民集54巻5号1607頁(平12(許)5号 面接交渉の審判に対する原審判変更決定に対する許可抗告事件)は、上記の民法766条が改正され「父又は母と子との面会及びその他の交流」が加えられる前の事件で、以下のように判示しています。

「父母の婚姻中は、父母が共同して親権を行い、親権者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負うものであり(民法八一八条三項、八二〇条)、婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合であっても、子と同居していない親が子と面接交渉することは、子の監護の一内容であるということができる。そして、別居状態にある父母の間で右面接交渉につき協議が調わないとき、又は協議することができないときは、家庭裁判所は、民法七六六条を類推適用し、家事審判法九条一項乙類四号により、右面接交渉について相当な処分を命ずることができると解するのが相当である。

実は、裁判所は過去に別居中の父母と子供との面会交流について原則として認めないという非常に消極的な態度を取っていました。
もっとも、上記の最高裁平成12年決定や、その後の法改正(現在の条文は平成24年4月1日施行)により、裁判所は態度を変えて、面会交流を積極的に認める姿勢に方針転換しました。

子供と同居していない親が子どもと個人的に会ったり文通をしたりする権利は、親として当然の権利として法律上認められています。

また、子供からしても、両親が離婚や別居をしたとしても、同居していない親も世界に一人の実の父親または母親であることに変わりはないので、子供の権利という側面もあります。

2 面会交流の条件や内容について

もっとも、子供が幼い場合、面会交流を実現するためには、やはり子供と同居している妻の協力が必要不可欠となります。

一般的に、面会交流を実施するにあたっては、父母である(元)夫婦の話し合いで、下記の内容を決めます。

  • 回数(例 月1回、毎月第一土曜日)
  • 1回あたりの時間(例 午前10時から午後5時まで)
  • 引き渡しの方法(例 JR横浜駅西口改札前で引き渡し)

夫婦ともに、約束通りの時刻・場所に、子どもを引き渡すこととなります。

東京高裁平成29年11月24日決定判時2365号76頁(平29(ラ)1661号 面会交流審判に対する抗告事件)も以下のとおり、面会交流実施が子の健全な成長のため意義があることは認めつつも、事情によっては面会交流を否定したり、面会交流実施のための必要な条件等を策定する必要性を認めています。

「父母が別居し,一方の親が子を監護するようになった場合においても,子にとっては他方の親(以下「非監護親」という。)も親であることに変わりはなく,別居等に伴う非監護親との離別が否定的な感情体験となることからすると,子が非監護親との交流を継続することは,非監護親からの愛情を感ずる機会となり,精神的な健康を保ち,心理的・社会的な適応の維持・改善を図り,もってその健全な成長に資するものとして意義があるということができる。
他方,面会交流は,子の福祉の観点から考えられるべきものであり,父母が別居に至った経緯,子と非監護親との関係等の諸般の事情からみて,子と非監護親との面会交流を実施することが子の福祉に反する場合がある。
そうすると,面会交流を実施することがかえって子の福祉を害することがないよう,事案における諸般の事情に応じて面会交流を否定したり,その実施要領の策定に必要な配慮をしたりするのが相当である。」

では、面会交流では具体的にどのようなことをしているかと言うと、子供と一緒に遊園地や水族館に行ったり、映画を観に行ったりなどと、子供の年齢や成長に応じて、子供の希望や意見を聴きつつ、お出かけされる方も多いです。

もちろん、子供の学校の様子を聞いたり、普段の暮らしについて話をしたりなどと、普段離れて暮らす子供と会話をするのも貴重な時間です。

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3 面会交流を実現するための法的手続き(面会交流調停及び審判)について

ところが、夫婦間の感情的なもつれなどから、ご夫婦で面会交流について話し合いが難しいケースはとても多いです。

そのような状況は、子供と交流できない親にとっても、不幸ですし、子供にとっても片親と引き離されることとなってしまいます。

妻と面会交流の話し合いがまとまらない場合には、速やかに家庭裁判所に面会交流を求める調停を申し立てましょう。

東京家庭裁判所のホームページでは、<面会交流調停(審判)を申し立てる方へ>というページで以下のとおり説明しています。

https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/file/M01.pdf

(以下引用)

「別居中又は離婚後,子を監護していない親は,子を監護している親に対して子との面会交流を求めて調停(審判)を申し立てることができます。また,一度決まった面会交流であっても,その後に事情の変更があった場合(子の年齢,状況等に相当変化があった場合など)には,面会交流の内容,方法等の変更を求める調停(審判)を申し立てることができます。

円滑な面会交流の実施は子の健全な成長にとても大切なものですので,調停手続では,調停委員会が,申立人(あなた)及び相手方から事情をお聴きしたり,書類等を提出していただいたりして,申立人,相手方及び子の状況等を把握しながら,双方の合意を目指して話合いを進めます。話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,裁判官が,双方からお聴きした事情や提出された資料等一切の事情を考慮して,審判をします。審判を申し立てた場合でも,調停手続が先行することがあります。」

なお、家庭裁判所実務は、原則として、同居していない親と子供との面会交流を実現するべきであるとの考えをとっており、子の年齢や環境、精神状態など様々な事情を考慮して、面会交流の具体的な回数や方法を決めるということが多いです。

万一、妻が面会交流を拒否し続けるなど、調停での話し合いがまとまらない場合は、家事審判という手続に移行し、裁判所が適当な面会交流の条件を決める流れとなります。

そのため、妻としても、調停において、ある程度譲歩し、面会交流の実現に協力してくれるようになることも多いです。

調停を申し立てる際の見通しや戦略については、離婚専門の弁護士にご相談されるのが良いでしょう。

弁護士のホンネ

子供と会えないで苦しんでいる方には、ぜひ、面会交流の調停という方法があることを知って頂きたいですね。子供と面会交流をすることは正当な権利です!

また、子供自身も、同居していない親と定期的に交流をすれば、両方の親から愛されているという実感し、別居や離婚で傷ついた子どもの心を癒やすこととなります。

つまり、面会交流というものは、何よりも、子供の成長のためにとても大切なことといえるでしょう。

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