離婚する際の連れ子との養子離縁。どのタイミングでどう行うのが適切?

離婚する際の連れ子との養子離縁。どのタイミングでどう行うのが適切?

弁護士

 プロキオン法律事務所(横浜で離婚に特化した法律事務所として2015年に設立。翌年東京にも事務所開設。)の代表弁護士の青木です。離婚や男女問題に特化した弁護士として、年間200回以上の離婚調停や裁判に出席しています。
(弁護士 青木亮祐 /プロキオン法律事務所 代表弁護士)

今回は、配偶者と離婚をする際、連れ子との養子離縁(養子縁組の解消)をどのように進めるのが一般的で適切なのか、お伝えします。

離婚には、①協議離婚、②調停離婚、そして③裁判離婚と、主に3つの種類がありますので、それぞれの場合に応じて解説します。

なお、それぞれの離婚の種類については、こちらの「協議離婚・調停離婚・裁判離婚・和解離婚・審判離婚…違いをすごく分かりやすく解説!」(https://riko-net.com/divorce-column/divorce-variation)もご参照ください。

1 協議離婚の場合の離縁手続

話し合いで離婚の解決をすることを、一般的に協議離婚と言います。

協議離婚では、裁判所の手続きは介在しませんので、当事者が離婚届にそれぞれ署名と押印をして、どちらかが役所に届出を行えば、離婚成立となります。財産分与など、具体的な取り決めを行うために、離婚協議書を作成する場合も多いですが、そうした書面を作成するかどうかは自由です。

協議離婚で離婚する際、連れ子との養子離縁を行うことが一般的です。離縁は、離縁届を離婚届と同時に提出して行うことが一般的です。

離縁届にも、離婚届と同様、「届出人」(養親と養子)の署名と押印の箇所があります。養子が15歳以上のときは、養子本人が署名と押印をします。養子が15歳未満の場合には、離縁後に法定代理人となる人が、署名と押印をすることになります
https://www.city.higashiomi.shiga.jp/cmsfiles/contents/0000000/194/rien-77-2_6719.pdf)。

2 調停離婚の場合の離縁手続

調停離婚の場合の離縁手続

調停で離婚の話し合いをする場合は、離縁調停の申し立てを行うケースもあります。この場合、離婚調停と離縁調停を一緒に行う形になります。

子供が15歳未満であれば、調停の一方当事者が法定代理人として、離縁の合意を行うことができます。一方で、子供が15歳以上の場合は、子供自身も調停に参加することが原則となります。もっとも、実際に調停に参加せずとも、子供が離縁に応じる旨の答弁書を提出すれば、「調停に代わる審判」という制度により、裁判所が離縁を決定することになります。

ただ、子供にそうした手続きをさせる負担をかけさせたくない、という親心もあると思います。そのため、離縁調停はあえて申し立てず、調停で離婚が成立する際に、夫婦で離縁届を作成・提出するケースも多いです。調停で離婚が成立する場合は、夫婦の合意がある場合です。したがって、そうした最低限の協力は可能なはずです。その場合、離縁については協議離縁の形になります。もちろん、調停離縁と協議離縁の効果は同じです。

3 裁判離婚の場合の離縁手続

離婚が裁判手続に移行している場合、夫婦間の話し合いで離縁を進めることは困難な状況がほとんどです。被告側が離婚を拒否している場合はなおさらでしょう。

したがって、離婚訴訟を提起しているケースでは、訴訟提起時、または訴訟の途中で、離縁訴訟を提起することになるでしょう。

離縁については、以下の場合に認められます。

(裁判上の離縁)
民法第八百十四条 縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
一 他の一方から悪意で遺棄されたとき。
二 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。
三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。

基本的には、上記の三つ目、「その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき」にあたるかを争うことになります。

未成年の子供の場合、養子縁組は、再婚相手の連れ子として、一緒に共同生活を送るという前提にて行われています。したがって、夫婦関係が悪化して離婚に至る場合は、連れ子との関係でも「継続し難い重大な事由」ありとされることが多いでしょう。これに関して公表されている裁判例は若干数しかありませんが、実際に我々が弁護士として活動していると、裁判所側も基本的には離縁やむなしというスタンスで手続きを進行していることが分かります。

一方で、養子が成人に達している場合は、すでに年月の経過によって、養親と養子との間には、独立した人間関係が構築されていると言うことができます。そのため、当然に離縁ができるということにはならないと思われます。

実際にも、令和5年3月16日東京高裁判決(令和4年(ネ)4733号)は、夫婦が数年前に離婚している事例ながら、養子縁組から30年以上が経過しており、実親子と同様な関係性が認めらえるとして、離縁請求を棄却しています。

(令和5年3月16日東京高裁判決(令和4年(ネ)4733号))

控訴人と被控訴人が養子縁組をしてから既に30年以上が経過しており、少なくとも、令和3年3月頃、控訴人が被控訴人に離縁を切り出す電話をするまで、控訴人と被控訴人は、実親子と同じように接してきており(原審本人尋問における控訴人の供述によれば、控訴人は、被控訴人に対し、親として実の子以上に接してきたという。)、両者の関係は、良好なものであったと認められる。

以上によれば、・・・において検討した結果を最大限考慮に入れても、控訴人と被控訴人との間の養親子関係が破綻していると認めることはできない

今回の弁護士からのアドバイス

離婚する際の連れ子との養子離縁は・・・

☑️協議離婚の場合は同じタイミングで離縁届も提出しましょう。

☑️調停離婚の場合は離縁調停を一緒に行うのも一つですが、子供の負担を考えて、離縁だけ協議離縁(離縁届の提出)の形を取ることも考えましょう。

☑️裁判離婚の場合は同じタイミングで離縁訴訟を行うことが通常です。ただし、連れ子が成人に達している場合は、当然には離縁にならない可能性が高いことに注意しましょう。

弁護士の本音

弁護士 青木
弁護士のホンネ

 今回、離婚に伴う養子縁組の解消(離縁)についてお話ししましたが、子供との関係性次第では、養子縁組を解消しないという選択肢もあるでしょう。

本文では、連れ子の方が成人に達している場合、裁判でも離縁が認められない可能性に言及しました。しかし、未成年であっても、本質は同じです。子供が、心からお父さん・お母さんと思ってくれている可能性もあります。離縁をするかどうか、今後のご自身の人生設計にも鑑みて、慎重に検討した上、適切な判断を行なっていただければと思います。

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