養育費と公的扶助の関係を説明します! 〜生活保護・児童手当・ひとり親手当〜

離婚後、元夫から養育費を受け取っていますが、公的扶助を受けることを考えています。
公的扶助を受けることで養育費が下がることはありますか?
また、養育費を受け取っている場合、公的扶助は受けられないのでしょうか?

 

離婚後、元夫から子供の養育費を受け取っておられる方が多いと思います。

現在、生活支援のための公的扶助は、いくつか種類が存在しているところですが、公的扶助と養育費の関係については知らない方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、養育費と公的扶助の関係について、説明します。

・公的扶助を受け取っている場合に、養育費は減額されるの?

養育費を受け取っていることで、公的扶助の金額は変わるの?

なお、今回の記事においては、公的扶助として、生活保護、②児童手当、③ひとり親手当、の3種類について説明いたします。

1 公的扶助を受け取っている場合に、養育費は減額されるの?

結論から先に言うと、公的扶助を受け取っている場合でも、養育費の減額はされません。

養育費というのは、子供の生活費であり、支払義務を負っているのは、両親です。

そして、離婚後であっても、子供と父親(または母親)の親子関係には変わりがありません。

一方、公的扶助は、地方公共団体や国からの支援です。

順番としては、子供のための生活費としての養育費が先に存在し、養育費で不足する部分を公的扶助で補うというイメージになります。

したがって、公的扶助を受け取っていたとしても、養育費の金額は減額されません。

もっとも、以下に記載いたしますように、公的扶助の種類によっては、養育費の金額によって受け取ることのできる公的扶助の金額に変動が生じることがあります。

2 養育費を受け取っていることで、公的扶助の金額は変わるの?

以下では、養育費を受け取っていることで、公的扶助の金額が変わるのかという点を、①生活保護、②児童手当、③ひとり親手当、の順に説明します。

①生活保護

生活保護という公的扶助は、その制度趣旨について厚生労働省から説明されているように、「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とし」た制度です。

このような趣旨から、生活保護は、国が定めた最低生活費を下回る「収入」しかない方が対象となります。

上記の「収入」については、元夫から受け取っている養育費の金額も100%含まれます

したがって、生活保護に関しては、養育費を受け取っているかどうかで、金額が変わります。

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②児童手当

児童手当という公的扶助は、子供が中学校を卒業するまで(子供が15歳の誕生日を迎えた後、最初に来る3月31日まで)支払われるものです。

児童手当については、元夫から受け取っている養育費は収入として考慮されません

このため、児童手当については、養育費を受け取っていても金額は変わりません

③ひとり親手当

ひとり親に対する公的扶助としては、児童扶養手当と児童育成手当など、複数の制度が存在しています。今回は、児童扶養手当と児童育成手当に限定して説明します。

児童扶養手当という公的扶助は、ひとり親家庭の児童のために支給される金銭支援です。子供が18歳になった日以降の最初の3月31日まで受け取ることができます。

児童扶養手当においては、養育費として受け取っている金額の80%が収入として加算されるという扱いになっています。

このため、児童扶養手当については、養育費を受け取っていることで、金額が変わります

児童育成手当という公的扶助は、18歳までの児童を扶養するひとり親家庭が対象となる支援制度です。児童扶養手当と同じく、子供が18歳になった日以降の最初の3月31日まで金銭支援を受けることができます。

児童育成手当においても所得制限はありますが、養育費として受け取っている金銭は、所得に算入されません

このため、児童育成手当に関しては、養育費を受け取っていても金額は変わりません

まとめ

生活保護  →養育費を受け取っているかどうかで金額が変わる!

児童手当  →養育費を受け取っていても金額は変わらない。

児童扶養手当→養育費を受け取っているかどうかで金額が変わる!

児童育成手当→養育費を受け取っていても金額は変わらない。

弁護士のホンネ 

今回は、養育費と公的扶助の関係について説明しました。

養育費と公的扶助の関係では、⑴公的扶助を受け取っていることで養育費が減額されるのか、という点と、⑵養育費を受け取っていることで公的扶助の金額に変動があるのか、という点の2つが問題となります。

この2つを混同してしまいますと、誤解が生じますので、今回の記事では整理して説明をさせていただきました。

今回の記事が、離婚を考えている皆様に少しでもお役に立てれば幸いです。

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