このように、既婚者の方との食事に行ったことでどのような責任が生じるのか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
そこで、今回は、
・既婚者と食事に行くことで責任を取る必要があるの?
・奥さんからお金などを要求されたら?
・肉体関係がなければ安心?
について、お話ししていきます。
1 既婚者との食事はやめるべき?
先輩や友達など異性であっても、2人で食事に行ったり遊びに行ったりすることもあるでしょう。
でも、その上司や友達が既婚者だった場合、肉体関係はないけれど、食事や遊びに行くだけで何か責任を問われることがあるのでしょうか?
いいえ。仲の良い友達や先輩がたとえ既婚者であっても、それだけで何らかの法的責任を問われることはありえません。
そんな社会、恐ろしいですし、人間の自由を根本的に奪うものですから、裁判で慰謝料が認められるということはありません。
ただ、嫉妬深い奥さんは、旦那の携帯電話のチェックをしてあなたと仲が良さそうに連絡をしていたり、食事に行ったりしている事実を発見したら、嫉妬に狂い、「不貞があるに違いない」と思い込み、慰謝料の請求や謝罪の要求をしてくることもあるかと思います。
では、奥さんからの要求にはどのように対応すべきでしょうか?
2 奥さんからの要求には応じるべき?
旦那さんと食事に行ったことを奥さんから追及され、「責任を取れ!」「慰謝料を払え!」「直接謝罪をしろ!」と一方的な要求をされることもあるかもしれません。
法的な責任がないとはいえ、どのような対応をすれば良いのか不安に思う方もいらっしゃると思います。
でも、奥さんの要求に絶対に屈してはいけません。
あなたに慰謝料を払うべき法的責任はありません。慰謝料の支払いには断固拒否の姿勢を示しましょう。
また、メールやライン上において、「旦那さんと会うことで奥さんに辛い思いさせてしまったことは申し訳ないと思っています。」という程度の謝罪をすることであれば問題ありません。
ただ、これを超えて奥さんから直接の謝罪を要求された場合には、拒否した方が良いでしょう。
直接会うことによって、感情的な対立が激化して事態が悪化する可能性があるためです。場合によっては、奥さんから暴力等を振るわれるなど危害を加えられる可能性も否定できません。
そのため、直接の謝罪を要求されても基本的には拒否の姿勢を示しましょう。
仮に、どうしても、直接の謝罪をすることになった場合には、密室の空間は避け、カフェやファミレスなど衆人環視の下で、なおかつ2人きりで会うことは避けましょう。
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3 肉体関係さえなければ大丈夫?
法律上の責任を負い、奥さんから慰謝料請求をされるのは、原則的には、あなたと旦那さんとの間に肉体関係がある場合となります。
では、肉体関係さえなければ、全く安心と言えるでしょうか。
実は、肉体関係がない場合であっても、単に食事を共にするにとどまらず、恋愛感情を伴う親密な関係にあるようなケースでは、少ない金額ながらも、慰謝料が一定程度認められる場合があります。
また、実際に肉体関係がないとしても、証拠上、肉体関係ありと認められてしまうケースも多々あります。
例えば、あなたが一人暮らしするアパートに旦那さんを呼んで、一緒にご飯を食べたり、ゲームをしたりするにすぎず、肉体関係は一切存在しないとします。
しかし、アパートの部屋で一緒に数時間を過ごしている場合、その時間帯などによっては、裁判所は肉体関係ありと認めてしまうことがあるのです。
本来は肉体関係がなかったとしても、裁判手続上はあるとされてしまう。これは裁判官の能力の限界であり、司法の限界です。真実と異なることが判断されてしまうことがあるのです。
真実として肉体関係が存在しないのに、それがあるかのような行動を取ったことにより、結果として、あなたは一定の慰謝料を支払わなければならなくなる可能性があるのです。
既婚者の方と一緒に二人きりで家に入ったり、ホテルに行ったりすることは避けた方が良いでしょう。
<まとめ>
・既婚者と食事に行ったり遊びに行ったりするだけでは法的責任は生じない!
・慰謝料の支払いは断固拒否!直接謝罪も避けよう!
・肉体関係がなくても、恋愛感情を伴う親密な関係にある場合、慰謝料の支払いをしなければならないことがある!
・肉体関係がなくても、それを疑わせる証拠がある場合、真実とは異なる判断がなされ、慰謝料を支払わなければならないことがある!
奥さんが、旦那さんの浮気を疑っている場合、旦那さんに探偵を付けていることがあります。
また、旦那さんの携帯電話にGPSアプリを入れ、移動場所をチェックしているケースもあります。
では、奥さんが、浮気をしているような証拠を持っている場合には、どのように対応するべきでしょうか。
その場合には、浮気が存在しないという反対の証拠を提示し、争っていく必要があります。
例えば、日頃のラインやメールのやり取りの中で全く異性関係を疑わせる文面がないとか、仮に旦那さんと二人でアパートに入ったとしても、その後にラインやメールで、「食事とゲーム楽しかった。異性として見てないからアパートにも呼べる。」「男女二人でいるのに何もないってある意味すごい。」など肉体関係を否定するような文章を残しておけば、反対証拠として主張することができます。