離婚にあたっては、「財産分与」を行うことが一般的です。
「財産分与」というと、夫婦の預金を分ける、というイメージが一般的です。
もっとも、「財産分与」で分けるものは、必ずしも現金ばかりではありません。
今回は、「財産分与」と「保険」の関係について、3つのポイントに分けてお話をします。
<3つのポイント>
・保険の「解約返戻金」って?
・保険は誰のもの?
・保険の分け方とは?
保険の「解約返戻金」って?
生命保険や学資保険には、「解約返戻金」が存在するものがあります。
「解約返戻金」が存在する保険は、一般的には財産分与の対象となります。
「解約返戻金」とは、保険会社から保険の契約者に対して、保険の契約者が保険の契約を解約した場合等に払い戻される金額のことをいいます。
保険には、「解約返戻金」が存在するものと存在しないものがあるため、保険会社に問い合わせる、約款を確認する等で、「解約返戻金」が存在するのかを確認してみましょう。
「解約返戻金」がある場合には、保険会社に請求することで、解約返戻金証明書などの解約返戻金を示す資料を取得できることが一般的です。
財産分与の対象となる解約返戻金は、別居日もしくは離婚日に取得可能な金額となります。
そのため、別居日もしくは別居日時点の「解約返戻金」を確認するようにしましょう。
保険は誰のもの?
保険は、保険金の受取人ではなく、保険の契約者の財産として扱います。
保険に「解約返戻金」が存在する場合、保険の契約者の財産に含めて分与額を計算しましょう。
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保険の分け方とは?
「解約返戻金」の金額を契約者の財産に含めた上で、財産分与の金額を計算するようにしましょう。
実際に保険を解約する必要はなく、分与する場合には金銭を支払う形で分与することが一般的です。
なお、保険の「解約返戻金」が分与の対象となるのは、保険料を婚姻期間中に支払っている場合となります。
夫婦の協力によって、財産を形成したといえるためです。
婚姻前から加入している保険については、婚姻前と婚姻後の日付を元に、日割り計算をして分与の対象となる金額を計算するようにしましょう。
<まとめ>
・別居日もしくは離婚日時点の保険の「解約返戻金」を確認しよう。
・「解約返戻金」がある場合は、その価値を元にして分与金額を計算をしよう。
財産分与の対象とすべきものを把握した上で財産分与について話し合いを進めることで、当方にとってより有利な条件で離婚することが可能です。
財産分与についてご不安がある場合には、弁護士に相談することも選択肢のひとつです。
この記事が、みなさんにとっての一助となれば幸いです。