離婚調停で相手の口座を2年分開示してもらおう!結果が大きく変わる!

離婚調停において、財産分与は非常に重要な話し合いの一つです。しかし、「相手が財産を隠しているかもしれない」「全体像が見えない」といった不安を抱えている方も少なくありません。この記事では、離婚調停で相手の口座情報を2年分(可能であればそれ以上)開示してもらう方法と、それが財産分与や養育費・婚姻費用にどのような影響を与えるのかを詳しく解説します。

財産分与の基本と「隠し財産」のリスク

財産分与とは?

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築き上げた財産を、離婚時に公平に分け合う制度です。原則として、別居時の財産(預貯金であればその時点の残高)が分与の対象となります。別居をしていないケースでは、調停の申立時など、離婚の意思が明確になった段階とする場合が多いです。

分与の割合については、本来的には夫婦それぞれの寄与度に応じて分けることになりますが、実務上は2分の1ずつ分けるケースが多いです(これが公平適切かどうかは議論がありますが、現状は2分の1ルールとして運用されています。)。

通常の財産開示と隠蔽のリスク

離婚協議や調停において、通常は夫婦双方が任意で別居時の財産資料を開示し、その情報に基づいて財産分与の話し合いを進めます。預貯金であれば通帳のコピーや残高証明書、不動産であれば登記簿謄本、有価証券であれば取引報告書などがこれにあたります。

しかし、残念ながら、相手が財産を正直に開示しないケースも少なくありません。特に、離婚を意識し始めた段階で、預貯金を別の口座に移したり、隠匿したりする人もいます。このような「隠し財産」がある場合、開示された情報(例えば、別居時点の残高)だけでは財産全体の正確な状況を把握できず、本来受け取れるはずの財産分与額が減ってしまう可能性があります。

財産分与のキーポイント!「2年分の口座開示」を要請する

なぜ2年分の開示を要請するのか?

相手が財産を隠している疑いがある場合、または相手の財産全体を正確に把握したい場合は、調停の場で別居時点(財産分与の基準時)の2年前に遡って、相手のすべての口座情報を開示するよう、調停委員と相手に強く要請しましょう。

なぜ2年分なのかというと、調停や裁判において、過去2年程度の金融取引履歴は、財産状況を把握する上で合理的な期間とみなされることが多いからです(1年程度に限られる場合もあります。)。もちろん、相手が応じるのであれば、2年よりもさらに昔に遡って開示を求めることも有効です。

口座履歴を遡って確認することで、以下のような隠れた財産や収入が明らかになる可能性があります。

  • 別の口座の存在: 開示された口座履歴の中に、定期的な送金がされている不審な記録が見つかることがあります。これは、相手が他にも口座を持っている可能性を示唆しており、そこからさらに別の隠し財産が発覚することもあります。銀行によっては、送金先の口座まで記載しているケースもあります。
  • 不明瞭な収入源: 源泉徴収票や確定申告書には記載されていない収入(例えば、副業の収入や、家族からの援助、投資による利益など)が、口座の入出金履歴から明らかになることがあります。
  • 不自然な支出: 多額の現金引き出しや使途不明な支出がある場合、それが財産隠しの一環である可能性も考えられます。別居直前期に大胆に現金として引き出されている場合は、計算上、別居時点も存在するものと擬制して分与額を計算する場合も多いです。
  • 保険掛け金や投資信託の掛け金: 口座履歴から、積立式の生命保険の掛け金の引き落としや、NISAや投資信託への入金が窺われるケースがあります。その場合は、これらも財産分与の対象としてさらに追求していくことが可能です。

開示要請の具体的な進め方

離婚調停の場で、調停委員に対して、相手のすべての金融機関の口座(普通預金、定期預金、証券口座など)について、別居時点から遡って2年分の取引履歴の開示を求める旨を明確に伝えましょう。具体的には、以下の情報を求めましょう。

  • 金融機関名
  • 支店名
  • 口座の種類
  • 口座番号
  • 2年分の取引履歴(入出金の明細、残高の推移など)

相手が任意での開示に応じない場合でも、諦める必要はありません。

相手が応じない場合は「調査嘱託」を申し出る

調査嘱託とは?

相手が口座情報の開示に非協力的である場合、裁判所を通じて調査嘱託(ちょうさしょくたく)の申し出を検討しましょう。調査嘱託とは、裁判所が金融機関などの関係機関に対し、特定の情報の報告や資料の提出を職務上依頼する制度です。

調査嘱託が認められれば、裁判所からの命令として、通常の金融機関は情報を開示せざるを得なくなります(稀に開示しない金融機関もありますが、その場合はさらに強力な文書提出命令の申立てを検討します。)。担当裁判官の判断次第ではありますが、過去2年分に遡っての調査嘱託が認められるケースは少なくありません。

調査嘱託の申し出に必要な準備

調査嘱託を申し出る際には、以下の点を明確にしておく必要があります。弁護士に作成してもらうのがベターです。

  • 調査嘱託の必要性: なぜその情報が必要なのか、具体的に財産分与の算定に不可欠であることなどを説明します。
  • 対象となる金融機関: 相手が口座を持っている可能性のある金融機関を特定します。ネット証券やゆうちょ銀行以外は、支店まで特定する必要がありますので、注意しましょう
  • 取得したい情報の範囲: どの期間の、どのような種類の情報を取得したいのかを具体的に示します。

2年分の口座開示がもたらす大きなメリット

隠れた収入で養育費・婚姻費用が増額する可能性

源泉徴収票や確定申告書に記載されていない収入が相手の口座履歴から明らかになった場合、それは非常に大きなメリットをもたらします。なぜなら、養育費や婚姻費用の算定は、基本的に双方の「収入」に基づいて行われるからです。

例えば、相手が副業で得た収入や、投資による利益などを意図的に隠していたとします。これらの収入が口座履歴から判明すれば、相手の実際の収入は開示されていた書類上の収入よりも多いと判断され、その結果、こちら側が受け取れる養育費や婚姻費用が増額される可能性があります。こちらが払う側であれば、金額を減らせることになります。これにより、将来にわたる経済的な負担を軽減することができるでしょう。

逆に言えば、相手の真の収入を把握できなければ、本来受け取れるべき養育費や婚姻費用を受け取れず、不当に損をしてしまうことになります

「隠し口座」の発見とさらなる財産追求

2年分の口座履歴を精査する中で、相手が正直に伝えていない別の口座の存在が発覚することは少なくありません。例えば、特定の口座への送金が繰り返されているなど、不自然な金の流れが見られる場合があります。

このような隠し口座が発覚した場合、そこで終わりではありません。発覚した隠し口座についても、さらに2年分(またはそれ以上)の取引履歴の開示を求めましょう。次々と隠し口座が明らかになることで、相手の真の財産状況が白日の下に晒され、本来受け取れるべき財産分与額を正しく算定できるようになります。

離婚調停は、相手の協力があってこそスムーズに進むものですが、もし相手が不誠実な対応をしているのであれば、徹底的に財産状況を追求する姿勢が不可欠と言えます。

弁護士のホンネ

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離婚調停における財産分与は、非常に専門的な知識と経験を要する分野です。特に相手が財産を隠匿している可能性がある場合、正直なところ、個人で全てを把握し、適切に対処することは極めて難しいと言えます。

また、開示された膨大な口座履歴の中から、不審な取引や隠された収入を見つけ出す作業は、慣れていなければ見落としてしまう可能性もあります。

「もしかしたら相手は財産を隠しているかもしれない」「何をどうすればいいのか分からない」と少しでも感じたら、まずは離婚問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。早期に専門家のサポートを受けることで、不当な不利益を避け、あなた自身の、そしてお子さんの未来を守るための最善の結果を引き出すことができるでしょう。

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