【いつかの離婚】未来のあなたを救う「証拠日記」のすすめ

離婚。その二文字を頭によぎらせた時、あるいは既に現実的な選択肢として考えているあなたへ。今のあなたは、漠然とした不安や怒り、悲しみ、そして未来への希望など、様々な感情が渦巻いていることでしょう。

「いつか離婚するかもしれない」「離婚に向けて何を準備すればいいんだろう」そう考えているなら、今日から「証拠日記」をつけ始めることを強くおすすめします。

この日記は、ただ日々の出来事を記録するものではありません。もしも離婚という選択をすることになった時、あなた自身を守り、有利に進めるための「証拠」となり得る記録を残すことを目的とします。

なぜ今、日記なのか?〜未来のあなたを守る記録の力

離婚調停や離婚裁判になった際、過去の出来事や相手の言動、あなたの受けた精神的・身体的苦痛などを客観的に証明する必要が出てきます。しかし、いざその時になっても、手元には何も残っていないというケースも多いです。

この証拠日記は、その時のあなたの「生の声」を、証拠として残すためのツールです。

また、証拠日記は、以下のような有用性もあります。

  • 記憶の補完: 後から振り返った時に、具体的な日付や出来事を正確に思い出す手助けになります。
  • 精神的整理: 自分の感情や状況を文字にすることで、心の整理ができ、冷静に状況を分析する手助けにもなります。
  • 専門家への情報提供: 弁護士などの専門家に相談する際、この日記があれば、より詳細で正確な情報を提供でき、スムーズな対応に繋がります。

裁判では日記が意外に「有力な証拠」になる理由

「日記なんて、ただの個人の記録でしょ?」そう思われるかもしれません。しかし、裁判において、詳細で具体的に書かれた日記は、意外にも有力な証拠として扱われることがあります。

その理由は、詳細かつ具体的な出来事を、全くゼロから創作することは通常不可能であると考えられているからです。例えば、「〇月〇日午前〇時、夫がリビングで『お前は給料泥棒だ』と大声で罵倒した。その時、長男も隣にいて顔をこわばらせていた。私は心臓が激しく動悸し、吐き気を感じた」といった具体性のある記述を、何年間分にも渡って後から創作しようとしても、その場の雰囲気や細かな状況まで再現することは非常に困難です。

感情の起伏、周囲の状況、身体的な反応など、その時その瞬間にしか知り得ない情報が詳細に記されている日記は、その信憑性が高いと判断される傾向にあります。もちろん、日記単独で常に決定的な証拠となるわけではありませんが、あなたの主張を裏付ける強力な補強材料となり得るのです。

「編集できないアプリ」を選ぶ理由〜改ざん防止の重要性

この日記をつける上で最も重要なポイントの一つが、「編集ができない、あるいは編集履歴が残るアプリやツールを選ぶ」ということです。なぜなら、離婚における証拠は、その信憑性が非常に重要視されるからです。後から内容が改ざんされたのではないか、と疑われるようなツールでは、証拠としての価値が著しく損なわれてしまいます。例えば、iPhoneに搭載されているデフォルトのメモアプリは、編集ができてしまいますし、履歴が残りません。

そこで、具体的には、以下のようなツールがおすすめです。

1.LINEのKeepメモ

多くの人が日常的に利用しているLINEには、「Keepメモ」という機能があります。これは、自分だけが見られるトークルームのようなもので、メモ代わりに使えます。写真もアップできますので、他の証拠保存にも利用できます。

利点

  • 手軽さ: 普段使っているLINEなので、すぐに始められます。
  • タイムスタンプ: 送信した時刻が自動的に記録されます。
  • 編集不可: 一度送信したメッセージは、基本的には編集できません(削除は可能ですが、削除すると記録が消えてしまいます)。
  • 検索機能: 後からキーワードで検索できるため、特定の情報を探し出す際に便利です。

注意点

  •  誤って削除しないよう注意が必要です。

2.匿名でのX(旧Twitter)やInstagramなどのSNS(非公開設定)

「SNSで日記?」と意外に思うかもしれませんが、非公開設定にすれば、あなただけが見られる日記として活用できます。こちらも、写真をアップできますので、他の証拠の保存にも利用できます。

利点

  • タイムスタンプ: 投稿日時が自動で記録されます。
  • 編集不可: 基本的に一度投稿した内容の編集はできません(削除は可能ですが、削除すると記録が消えてしまいます)。
  • 写真や動画も記録可能: 状況を視覚的に記録したい場合に有効です。
  • 匿名性: 誰にも知られずに記録できます。
注意点

  • 非公開設定の徹底: アカウントを非公開に設定し、第三者に見られないように心がけましょう。こっそり投稿していても、SNSを利用していた配偶者が見つけてしまった、という例が実際にあります。
  • アカウントの特定に繋がる情報: 個人が特定できるような写真や場所の情報などは投稿しないようにしましょう。
  • SNSのルール変更: 将来的にプラットフォームのルールが変わる可能性も考慮に入れる必要があります。

紙の日記ではダメなの?

紙の日記ももちろん有効ですが、デジタル記録の方が、改ざんが難しく、タイムスタンプが自動で付与されるため、証拠としての信頼性が高いです。また、紛失のリスクも考慮すると、クラウド上に保存されるデジタル記録の方が安心と言えます。

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具体的な記載例〜「事実」と「感情」を明確に

この日記の書き方には、いくつかのポイントがあります。最も重要なのは、「いつ、どこで、誰が、何を、どのようにしたのか」という客観的な事実を具体的に記録すること、そして、それによってあなたが「どう感じたのか」という感情も併せて記録することです。

記載のポイント

  • 日付と時間: 必ず正確な日付と時刻を記録しましょう。
  • 場所: 出来事が起こった場所を具体的に記載しましょう。
  • 登場人物: 関わった人物(配偶者、子ども、友人、親族など)を明確にしましょう。
  • 具体的な会話内容: 可能な限り、具体的なセリフを記録しましょう。「〜と言われた」だけでなく、「『お前は本当に役立たずだな』と吐き捨てるように言われた」のように括弧を用いて正確に書くとベストです。
  • 行動の具体性: 「怒鳴られた」だけでなく、「顔を真っ赤にして、テーブルを叩きながら大声で怒鳴られた」のように、状況が目に浮かぶように描写しましょう。
  • あなたの感情と体調: その出来事によって、あなたがどう感じたか(悲しい、怖い、悔しい、怒り、精神的に疲弊したなど)や、体調の変化(吐き気がした、眠れない、食欲がないなど)も具体的に書き記しましょう。
  • 証拠の記録: 診断書、LINEのスクリーンショット、録音、写真など、もし物理的な証拠がある場合は、そのデータもついでにアップしておくと良いでしょう。情報の集約にもなります。

記載例(様々な状況を想定した、創作した例です。)

2025年7月8日(火)

  • 午前8時30分:リビングにて
    • 夫が朝食中に突然、「お前は本当に役立たずだな。俺が稼いだ金で食わせてもらってるくせに、文句ばかり言うな」と大声で罵倒してきた。
    • 私は何も言い返せず、ただ俯いていた。心臓がバクバクして、朝食を食べる気になれなかった。
  • 午後7時00分:自宅玄関
    • 夫が帰宅後、私に一言も声をかけず、リビングを素通りして自室に閉じこもった。
    • 私が「何か食べる?」と声をかけると、「お前の作ったものなんか食えるか」と吐き捨てるように言われた。
    • 悲しくて、夕食を作る気力が失せた。子どもたちには簡単なもので済ませてしまった。

2025年7月9日(水)

  • 午前0時00分:寝室
    • 夫が深夜に帰宅し、泥酔していた。
    • 私が寝ている間に、突然体を触ってきたため、拒否しようとしたら「なんで拒むんだ!俺の妻だろ!」と怒鳴りつけられた。無理やり体を重ねられそうになったため、必死で抵抗し、なんとか逃れることができた。
    • 怖くて、その後一睡もできなかった。全身が震えていた。
  • 午後2時00分:カフェにて
    • 友人の〇〇子と会って、夫のモラハラについて相談した。〇〇子も夫の言動に驚いていた。「それはひどすぎるよ」と言ってくれた。
    • 客観的に自分の状況を話すことで、改めて夫の言動が異常だと感じた。

2025年7月10日(木)

  • 午前9時00分:夫の会社のウェブサイト
    • 夫の不倫相手と思われる女性のSNSアカウントを検索したところ、夫の会社の同僚である△△という女性であることが判明した。
    • △△のSNSには、夫と二人で旅行に行ったと思われる写真(背景から〇〇温泉であることがわかる)や、夫からプレゼントされたと思われる時計の写真が投稿されていた。
  • 午後6時00分:自宅リビング
    • 夫が長男〇〇に対し、「お前は本当にトロいな!そんなんだから何もできないんだ!」と怒鳴りつけた。
    • 長男はシュンとして、その場から逃げ出した。長男がかわいそうで、見ていられなかった。

2025年7月12日(土)

  • 午前10時00分:自宅リビング
    • 夫から生活費を渡されなかった。今月分の生活費はまだ一度も受け取っていない。
    • 「金がない」と言われたが、夫は先日新しいゴルフ用品を購入していた。
    • 生活費が不足しているため、子どもの習い事の月謝を支払うことができない。

2025年7月15日(火)

  • 午前11時00分:病院(心療内科)
    • 精神的な不調が続き、心療内科を受診した。〇〇医師から「適応障害」と診断された。
    • 夫との関係が原因であると伝え、医師もその可能性が高いと認めた。
    • 診断書を作成してもらうよう依頼した。
    • (診断書の写真をアップ)

2025年7月18日(金)

  • 午後8時00分:自宅ダイニング
    • 夫から離婚を切り出された。「お前とはもうやっていけない。お前が出て行け」と言われた。
    • 私は子どもたちのことを考えると、すぐに「はい」とは言えなかった。
    • 夫は「もし出て行かないなら、家から追い出す」と脅してきた。

2025年7月20日(日)

  • 午後1時00分:夫の実家
    • 義母に電話で連絡し、夫の言動について相談した。義母は夫の味方をし、「あなたが我慢すればいいこと」と言われた。
    • 義母の理解が得られず、さらに孤独感を感じた。

2025年7月25日(金)

  • 午前10時00分:市役所市民相談窓口
    • 弁護士の無料相談を利用した。A弁護士に夫の言動を説明し、離婚の可能性と準備についてアドバイスをもらった。
    • この日記の重要性を改めて指摘された。「できるだけ具体的に、時系列で記録してください」と言われた。

記録を続ける上での心構え

  • 完璧を目指さない: 毎日欠かさず書くことが目的ではありません。書けるときに、できる範囲で記録することが大切です
  • 感情的になりすぎない: 感情を吐き出すことは大切ですが、事実と感情を区別して記述しましょう。
  • 安全第一: 日記をつけることが、かえって危険な状況を招くことのないよう、安全を最優先にしてください。配偶者に見つかるリスクがある場合は、より慎重な方法を選びましょう。LINEのkeepメモであれば、記録したものを一括してクラウドなどに保存できます。その後に他の方法に移行すれば良いでしょう。
  • 誰にも見せない: この日記は、あなた自身を守るためのものです。安易に第三者に見せることは避けましょう。
  • 定期的な振り返り: 気が向いた時に、過去の記録を読み返してみましょう。客観的に状況を把握し、冷静に次の手を考えるきっかけになるかもしれません。

弁護士のホンネ〜AI時代における日記の証拠能力

プロキオン
法律事務所
弁護士のホンネ

これまで、離婚裁判において詳細な日記は、その具体性から「後から創作するのが困難である」という点で、有力な証拠とされてきました。しかし、昨今の生成AIの目覚ましい発展は、私たち弁護士も頭を悩ませる新たな側面を生み出しています。

正直なところ、全くのゼロから事実を創作し、それをあたかも現実に起こったかのように具体的に描写するという作業が、生成AIの力を借りれば「できなくはなくなってきている」と感じています。例えば、特定の状況や感情をインプットすれば、AIがそれらしい具体的な出来事や会話のやり取りを生成することが可能になってきています。

現時点では、AIが生成した文章が法廷でどのように扱われるか、明確な基準はまだありません。しかし、もし将来的にAIによる創作日記が提出されるような事態になれば、裁判所もその真偽を見極めるのがより一層難しくなるでしょう。

だからこそ、あなた自身が「編集できないアプリ」を選び、その時々の感情や状況をそのままの形でタイムスタンプと共に記録しておくことの重要性が、これまで以上に高まっていると言えます

離婚は、人生において大きな決断であり、多大な労力を要するプロセスです。しかし、この「証拠日記」は、そんなあなたの未来を強力にサポートしてくれるツールとなるでしょう。

今日から始める小さな一歩が、いつかのあなたの大きな支えとなります。感情の渦中にいる今だからこそ、冷静に事実を記録し、未来のあなたの「証拠」として積み重ねていってください。

この「証拠日記」が、あなたが望む未来へと進むための、確かな道しるべとなることを願っています。

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