離婚時の財産分与|財産分与で株式や投資信託の評価はどのように行う?

プロキオン法律事務所(https://rikon-procyon.com/)(横浜で離婚に特化した法律事務所として東京と横浜に事務所を構えています。)の代表弁護士の荒木です。離婚や男女問題に特化した弁護士として、年間200回以上の離婚調停や裁判に出席しています。
夫側、妻側、それぞれに立場に応じて弁護活動を行っています。
(弁護士 荒木雄平 /プロキオン法律事務所 代表弁護士)

離婚を考える際、財産分与は非常に重要なポイントの一つです。
特に、株式や投資信託を保有している場合、その評価方法によって分与額が大きく変わる可能性があります。「株や投資信託(S&P500やオールカントリーのインデックスファンドなど)を持っているけど、どう評価されるの?」「売るべき?それともそのまま持っておくべき?」そんな疑問や不安をお持ちの方のために、離婚専門弁護士が詳しく解説します。

「この株は自分で投資して増やしたものだから、相手に分けるなんて納得できない…」「そもそも離婚時に株式がどう扱われるのかよく分からない…」といったお悩みを抱えている方も多いと思います。
そんな方のために、株式の評価方法や適切な財産分与の進め方を、具体例を交えながら解説します。

株式や投資信託は別居時点の存在すものが対象、ただし時価額で評価。

財産分与においては、別居時点で存在する株式や投資信託が対象となります。
つまり、結婚生活中に築かれた株式や投資信託の金融資産については、別居した時点に存在するもののみが対象となります。別居後に取得した株式や投資信託は対象とはなりません。

ただし、その評価は、現在時点での評価額を基準にするケースが多いです。
具体的には、裁判になった場合は口頭弁論終結時の株価を基準とするのが原則ですが、実務上は口頭弁論終結時までに当事者のどちらかが提出した資料の中から最新の時点での計算が採用されることがほとんどです。

そのため、別居時点と現在の株価が大きく変動している場合、どの時点で評価するかが重要なポイントとなります。

【成功例】

Aさん(50代・会社員)は、離婚協議の際に最新の株式評価額をしっかりと算出し、適切な分与を行いました。その結果、スムーズに合意に至り、早期に離婚成立。

【失敗例】

Bさん(40代・自営業)は、別居後に株価が急騰したにもかかわらず、評価時期を考慮せずに交渉を進めました。その結果、配偶者側から「現在の株価を基に分与すべき」と主張され、想定以上の分与をする羽目に。

また、「別居した時点では株価が低かったのに、今は高騰している。別居時点の評価額で分与したい!」と思う方もいるでしょう。
一方で、「今は暴落してしまったから、現在の時価で評価してほしい!」と考える方もいます。
このように、株価の変動をどう捉えるかによって、財産分与の戦略が大きく変わるのです。

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上場株式は時価の計算が容易

上場株式の場合、証券取引所での市場価格が基準となります。
一般的に、現在時点での終値を基準に評価します。
「離婚するのは決まったけど、株の評価ってどうやるの?」と悩む方も多いでしょう。上場株式の場合、証券取引所に価格が表示されているため、比較的簡単に時価を計算できるのが特徴です。

【成功例】

Cさん(45歳・会社員)は、インターネット上の証券会社のウェブサイトをもとに、現在時点の株価を確定。調停でもスムーズに評価が認められ、公平な財産分与が実現しました。

【失敗例】

Dさん(50歳・女性)は、適切な評価基準を知らず、過去の高値での評価を主張。配偶者側の弁護士が最新の時価を提出したことで主張が認められず、予想外に不利な条件で合意することに。

「どうせなら株価が高い時の値段で評価してほしい!」と思うのが人情ですが、実務上は公平性を保つため、現在時点での価格を採用するのが原則となります。

非上場株式の評価は財務資料をもとに

非上場株式は市場価格がないため、会社の財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)を基に評価する必要があります。
特に、自営業や家族経営の企業に関わる場合、正しく評価しないと大きな問題になることがあります。

【成功例】

Eさん(48歳・経営者)は、会社の直近3年間の財務諸表を用意し、税理士に依頼の上で、公正な評価を行った査定書を作成した上で交渉を進めました。その結果、合理的な分与額で合意。

【失敗例】

Fさん(42歳・自営業)は、財務資料を開示せずに評価額を低く見積もろうとしました。しかし、相手側弁護士が調査を進めた結果、隠していた利益が発覚し、調停で不利な立場に。

例外:別居後に売却した株式の評価

基本的には別居時の時価で評価しますが、別居後に売却された場合は、売却額を基準に分与が行われます。
これは、資産の実際の価値が確定しているため、調停や裁判でも採用されやすい方法です。

【成功例】

Gさん(50歳・エンジニア)は、別居後に持ち株を売却。その売却額を基準に財産分与を進め、円満に合意。

【失敗例】

Hさん(45歳・会社員)は、別居後に株価が暴落して値下がりした後の金額で売却したにもかかわらず、売却額基準の方法を知らず、現在の評価額で判断する一般的なやり方に流されてしまいました。

このように、財産分与における株式の評価は「どの時点で計算するか」によって結果が大きく変わります。「別居時点の評価が良いのか、それとも現在の評価が有利なのか?」は、ケースバイケースで異なります。
ご自身の状況に合った最適な評価方法を選ぶためにも、離婚問題に精通した弁護士と早めに相談し、準備を進めることが重要です。
「株式の評価で困っている」「どの時点の評価を基準に交渉すべきか知りたい」など、ご不安がある場合は、専門の弁護士に早めにご相談ください。

弁護士のホンネ

弁護士 荒木
弁護士のホンネ

株式の財産分与について、多くの方が「別居時点の評価で計算してほしい」と希望されます。
特に、別居後に株価が大きく上昇した場合、その利益を配偶者と分けることに納得できない気持ちはよくわかります。
しかし、現在時点での時価額で評価するという運用は家庭裁判所で定着しており、裁判ではほぼ間違いなくこのルールが適用されます。
これは、他の財産分与ケースとの公平性を考慮した結果です。
「自分の努力で増やした資産だから分けたくない」「相手は何もしていないのに利益を取られるのは不公平だ」と感じる方も多いですが、裁判所は個別の事情よりも統一的なルールを重視します。
そのため、この点で争うことは、早期解決を望む場合にはあまり得策ではないかもしれません。
また、株式や投資信託の取引履歴がなく、評価額を正しく算出できないケースも多く見られます。
財産分与の交渉や調停において、証券会社の取引履歴や売買記録は極めて重要な資料となります。後になって困らないよう、日頃から取引の記録を整理し、必要な書類を保存しておくことを強くおすすめします。
この問題をスムーズに解決するには、離婚問題に詳しい弁護士に早めに相談し、どの時点の評価を主張するのが最も有利かを慎重に検討することが重要です。

なお、本文に挙げた成功例・失敗例は、実際の事例やありうるケースを融合したものです。

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