20歳で養育費は終わり?「未成熟子」とは?

20歳で養育費は終わり?婚姻費用・養育費を負担しなければならない未成熟子って?

1 はじめに

自分の子供はかわいいもの。
子供の成長は喜びであり、癒しであり、人生の励みともなります。

その反面、お父さんは子供に対して扶養義務を負っています。
そのため、お父さんは子供と離れて暮らしていたとしても、妻と離婚したとしても、自分の子供の生活費(婚姻費用・養育費)を負担しなければなりません。

しかし、子供はいつか親離れをして、ひとり立ちするものでしょう。
それでは、お父さんはいつまで子供の生活費(婚姻費用・養育費)を負担しなければならないのでしょうか。

この問いの答えは、法律的には、「子供が未成熟子である間は生活費を負担しなければならない。」となります。
「未成熟子」とは、一般的に、「身体的・精神的・社会的になお成熟化の過程にあって労働に従事すればその健全な心身の発育を害されるおそれがあるため労働就労を期待しがたく、そのため第三者による扶養を必要とするような期間にある子など」を言います。
つまり、簡単に言うと、常識的に考えて誰かに生活費を負担してもらう必要がある子供と言うことができるでしょう。

もっと言うと、大抵は下記の2つの基準で判断できます。

  1. 子供が未成年である間は誰かに生活費を負担してもらう必要がある。
  2. 子供が大学生である間は誰かに生活費を負担してもらう必要がある。

つまり、大抵の場合、「未成熟子=未成年の子供+大学生の子供」と考えることができます。
「未成熟子」に成人した大学生が含まれるのは、我が国では、大学生の間は常識的に考えて誰かに生活費を負担してもらうのが通常(自ら生計を立てることは期待されない)と考えられているからです。

しかし、子供が「未成熟子」に該当するか否かの判断が難しい場合もあります。

今回は、子供の生活費(婚姻費用・養育費)を負担しなければならないかどうかの判断が一見して難しい事例についてご説明致します。

2 未成年の子供の生活費(婚姻費用・養育費)について

未成年の子は「未成熟子」の典型であり、通常の場合、生活費(婚姻費用・養育費)を負担しなければなりません。

しかし、未成年者であるにも関わらず就職して働いている子供もいます。
未成年者と言えども、就職して働いている場合は、自ら生活していくだけの収入を得ていると言えます。
そのため、この場合は、「未成熟子」とは言えず、子供の生活費(婚姻費用・養育費)は負担する必要がないのが通常です。

ただし、特別の事情で子供の得ている収入が生計を立てるだけの水準以下である場合は別です。この場合は、未だ誰かに足りない分の生活費を負担してもらう必要がありますので、「未成熟子」とされる可能性があります。
また、子供が退職して高校生・大学生となった場合には、「未成熟子」に逆戻りとなり、子供の生活費(婚姻費用・養育費)を負担しなければならなくなる可能性があります。

3 成人した子供の生活費(婚姻費用・養育費)について

上に書いたように、成人していたとして、大学生である間は、子供は「未成熟子」と扱われ、子供の生活費(婚姻費用・養育費)を負担しなければならないのが通常です。

しかし、子供が大学で留年を繰り返している場合はどうでしょうか。
形式的に「まだ大学生だから。。。」といつまでも「未成熟子」として扱われるのでは堪ったものではありません。
この場合は、留年した事情により違いはありますが、通常は、子供の生活費の負担は、順調にいったら子供が大学を卒業する時まで(すなわち、子供が満22歳に達した後の最初の3月まで)と取り決めることが多いです。

ただし、例えば離婚するに際して、離婚協議書や調停調書において子どもの養育費の終期を「大学を卒業するまで」と定めてしまった場合は、留年があっても、文字通り子供が大学を卒業するまで養育費支払義務が続くこととなりかねませんので、注意が必要です。
なお、そのような場合でも、子供のアルバイトによる収入等を考慮して、養育費の減額が認められる可能性があります。

4 病気の子供の生活費(婚姻費用・養育費)について

子供が成人していたとしても、何らかの病気により十分に仕事ができない場合があります。

このような場合の子供の生活費(婚姻費用・養育費)については、裁判所は、子供の稼働能力(所得獲得能力)を分析して判断する場合が多いです。

すなわち、病気ではあるものの生活をするに十分な稼働能力(所得獲得能力)がある場合には、既に成人している以上は自らの手で生活の糧を得るべきであると言えますので、その子供は「未成熟子」に該当しないと言えます。

他方、子供が病気により稼働能力(所得獲得能力)が無い(ないし不十分である)場合には、その子供は生きていくために誰かに生活費を負担してもらう必要がありますので、原則として「未成熟子」に該当すると言えます。
なお、この場合でも、子供がいくつになっても延々と子供の生活費(婚姻費用・養育費)を負担し続けなければならないということではありません。具体的事情によって誤差はありますが、既に成人している以上は自助の原則が妥当しますので、いつまでも「未成熟子」として生活費を負担し続けなければならないことにはなりません。

この点、大阪高裁平成26年7月18日は、群発頭痛の疾病を有する25歳の子供について、

継続的に就労するには相当の困難が伴うことは容易に推察される

としつつも、

稼働能力がないとまでは証拠上評価することはできない

と認定しました。その上で、

仮に、・・・稼働能力が認められないとしても、成年に達した子については、基本的には自助の原則が妥当すると解されるのであって、・・・(子供)が無職、無収入であって相手方が事実上(子供)を扶養している事実のみを持って夫婦間の扶養義務に基づく婚姻費用分担の一部として(子供)の扶養を考慮するのは相当ではない。・・・したがって、(子供)が高校を退学になった・・・以降、本件において(子供)を未成熟子として考慮するのは相当ではな(い)

と判断しております。

弁護士のホンネ

婚姻費用や養育費の月額の算定については、裁判実務上「養育費・婚姻費用算定表」が用いられております。
そして、子供が「未成熟子」に該当するか否かでそもそも適用すべき「養育費・婚姻費用算定表」そのものが異なります。そのため、子供が「未成熟子」に該当するか否かで婚姻費用・養育費の金額が大きく変動する可能性があります。
婚姻費用・養育費は毎月支払わなければならないものであり、時間とともにその総額は膨れ上がっていきますので、できるだけ妥協するべきではありません。
離婚・別居した妻との子が「未成熟子」に該当するかどうかについて疑問がある場合は、しっかりと調査したり、弁護士の無料相談を利用したりして、十分に準備した上で交渉に臨むのが良いでしょう。

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