裁判所のいわゆる「算定表」に基づいて決まるんじゃないの?と思った方、正解です。
しかし、自営業の方の場合、いくつか注意しなければいけないこともあるのです。
1.算定表の見方に注意!
養育費の算定表は、夫側と妻側の収入、子どもの人数・年齢に応じて、大まかな金額の目安を測るツールです。
調停や審判では、主に、算定表をもとに金額決められることが通常です。
そして、自営業の所得の場合、目盛りが「給与」ではなく「自営」の収入で見ることになります。
収入は、確定申告書での「所得」金額になります。
この通り、所得金額が同じでも、給与所得より自営所得の方が、養育費の金額は高額になるのです。
離婚をする場合、子どもの「養育費」の金額が気になるもの。 支払ってもらう側も、支払う側も、毎月の養育費がいくらになるか気になりますよね。 では、養育費の金額や相場っていくらなのでしょうか?[…]
2.実際に払っていない控除費目(青色申告特別控除、減価償却費など)に注意!
ところで、確定申告書における「所得」は、
所得=売り上げ−経費
で計算されます。
そして、経費の中には、実際に支払っていないけれど、会計では計上されるお金(減価償却費など)や、青色申告の方は特別控除65万円などがあります。
これらの控除費目については、あくまで会計上の理由で経費に計上されるものの、実際には支払われていないお金なので、養育費の算定では考慮してはいけないこととなっています。
具体的には、
所得+実際に支払われていない経費(減価償却費など)
のように、所得に上乗せして、計算しなければいけないのです。
3.経費の中身についても注意!
そして、他の経費についても、本当に事業のために支出されているものなのか、怪しいところはないのか、吟味されることもあります。
たとえば、接待交際費が高すぎる場合には、普段の食費や遊びでの支出も接待交際費として経費計上しているのではないかと穿った見方をされるかもしれません。
場合によっては、経費の内訳を明らかにしてほしいとのことで、総勘定元帳などの開示を求められるかもしれません。
このように養育費の算定については、夫も妻も本気になるもの。
特に、自営業の方については、色々と「ツッコミどころ」が多かったりするので、単純に所得を算定表に当てはめればいいわけではないと注意してくださいね。