あなたが解雇になっても、別居中の妻への生活費は下げられないのは本当か!?

1.婚姻費用はこんなもの!

婚姻費用という名の生活費の支払い。これは、妻と別居をした際にも、残念ながら必要となります。

そもそも別居しているにもかかわらず、なぜ婚姻費用の支払いが必要とされているのか。学術的な説明では、婚姻関係にある者は、相互に助け合い、同水準の生活レベルを確保しあう義務があるからといいます。

しかしながら、婚姻関係が事実上破綻してしまった場合にもこれを適用すべきなのでしょうか。大いに疑問を持たざるを得ないところです。

もっとも、裁判所の運用では、正式に離婚に至るまでは、生活費は支払い続けなければならないということになっています。これに対しては、こういう制度では、もはや婚姻自体、正当化できるのか、婚姻制度に対する信頼自体崩壊してしまうのではないか、との反論がありうるところですが、現時点にて裁判所の運用に変化はありません。

ここでは、そうした裁判所の運用を前提に、婚姻費用の算定の仕方や、あなたが会社を解雇になってしまった場合に婚姻費用がどうなるのかについて、考えていきたいと思います。

2.婚姻費用の算定の仕方は?

婚姻費用というのは、先ほど申し上げたとおり、夫婦間では、収入の高い方と同水準の生活レベルを確保しましょうという制度です。

したがって、それぞれの年間収入額が、まずは一番の基準となります。
こうした収入を基準に、裁判所の作成した養育費・婚姻費用算定表という表がよく利用されており、裁判所もこれに則っています。

この表は既に離婚をしているかどうか(離婚をしていれば「養育費」の表。離婚していなければ「婚姻費用」の表。)、子どもが何人いるかによって、適用される表がことなってきます。そして、自分の収入を縦に、そして別居中の妻の収入を横に見て、自分がいくら支払わねばならないのか、おおよその金額をここで確認できるはずです。

自分と相手の収入を当てはめ、その交差点をみます。すると、例えば、離婚しておらず、14歳以内の子が一人いる場合は、表11が適用されます。あなたの年収が700万円程度で、妻の収入が200万円程度であれば、10万から12万円のゾーンに位置することがわかるでしょう。調停や審判においては、この10万円から12万円の間で、婚姻費用の金額が決まります。

ここで注意すべきは、原則として、その収入は「前年度」の年間収入を基準にするということです。ですので、「今年、あまり残業はない予定なので、収入は50万円程度下がるはず」、といった主張をしても、ほとんど受け入れてもらえません。
また、今年は会社が不景気でボーナスが出るかわからない、収入は100万円ほど減る可能性が高い、などという主張も、同様に受け入れられないでしょう。

ただ、確実な根拠があれば、認められることが多いです。
例えば、前年度の給与明細と今年度の給与明細を比較し、特定の手当てが完全になくなっている場合。こうした場合は、その手当ての12ヶ月分、年収が減ることが確実ですので、基本給に変化がなければ、その分を前年度収入から控除してもらうことはできるでしょう。

そして、転職した場合。この場合は、新しい職場の給与明細が重要です。また、賃金規程の記載された就業規則があればなお良いです。これによって、年間所得がほぼ確実にわかれば、それを基準に婚姻費用を算出してくれるでしょう。

もっとも、こうした賃金規程がなく、ボーナスの受給の可能性がある場合は、今年度の年間収入額が不明として、前年度の収入(多くは源泉徴収票記載額)によって判断されてしまうことが多いです。

3.解雇されてしまった場合、婚姻費用は下がらない!?

では、あなたがお勤めの会社から解雇されてしまった場合はどうでしょうか。
実は、こうしたケースは非常によくあるのですが、裁判官によって判断が異なってしまうというのが実情です。
つまり、解雇をされてあなたに収入源がなくなっても、それでもなお前年度の収入を基準に判断する裁判官もいるのです。

なぜこんなことが起きるのでしょうか。

裁判所は、あなたが現に収入がどのくらいあるかどうかというより、どの程度の収入を得る能力があるか、をみます。
したがって、解雇になって会社を辞めた状態にあっても、前の会社で働けていた以上は、その収入を得る能力があるだろうという風に考えることができるわけです。

ですので、解雇になって、どこにも働いていない状況にあると、裁判官によっては、前年度の収入を基準にされてしまう可能性が高いので、注意が必要です。

こちらとして主張できることは、一生懸命再就職活動に精を出しているという点です。民間の転職サイトやハローワークでの求人応募の履歴をしっかりと証拠として提出するだけで、結果が変わることがあります。

一方、正社員でなくとも、なにがしかの仕事について収入を得ている場合は、それを基準に評価してくれる可能性があります。なぜなら、現に収入を得ている場合は、どの程度収入を得る能力があるかの、もっともたる証拠になるからです。そう、働いていない場合は、そうした、どの程度の収入を得る能力があるかの証拠がないため、前年度の収入額を基準にされやすいいうことですね。

なお、妻が働かずに家にいるということもよくあると思います。その場合、妻については、通常、パート程度はできるであろう、その程度に収入を得る能力はあるだろうという考えの下、年間100万円から120万円程度の収入を基準として婚姻費用が算出されることが多いです。

会社を解雇になった方からすれば、その程度の収入とみなしてもらえるのはちょっとずるい、と思われるかもしれませんね。

弁護士のホンネ

解雇になった場合でも前年度の収入を基準とする。このような驚きの判断をする裁判官に対しては、弁護士としてもやるせない思いを抱きます。いくら景気が回復したとはいえ、解雇になってすぐに新しい職場を見つけられるはずもなく、特に、同程度の水準の給与をもらえる場所に就業できることは稀です。通常、企業は長く勤めさせるインセンティブとして、就業年数に応じて基本給を上昇させます。成果報酬うんぬんが騒がれる時代ですが、依然として就業年数は重要なファクターになっていますし、現にこれが効果を奏して、会社への忠誠や業務効率を上げている部分があることは否めません。
ただ、こういう裁判官がいるからこそ、弁護士として、戦略を蜜に練っていくことが求められます。本文で述べた通り、再就職活動をがんばっているにもかかわらず就業できていないことを的確に示しましょう。裁判官の判断を変えられる可能性が出てきます。

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