別れた女性に「子供を認知してほしい」と言われたら。絶対に行うべきDNA鑑定。

プロキオン法律事務所の弁護士の青木です。

私たちの元には、時々、次のようなご相談も入ります。

私自身は結婚しているのですが、、、過去の不倫相手から、子供を認知してほしいという連絡がありました。別れた時点では妊娠は知らなかったのですが。

過去の交際相手や不倫相手から、子供の認知を要求された場合、どんな対処をすべきでしょうか。以下、お伝えしたいと思います。

1 認知前にDNA鑑定は必須

認知とは?

認知とは、女性の子供の父であることを役所に申し出る法的な手続です。

これによって、法律上実父であることが確定します。実父であることが確定すると、親としての責任が発生しますので、例えば女性に対して子供の養育費などの支払いをしなければなりません。

また、仮にあなたが亡くなった場合、認知された子供は、あなたの財産を相続する権利が生じます

このように、認知によって、あなたの親として重大な責任が生じます。重大な責任が生じる以上、確実に自分の子供かどうかを調べなければなりません

Aさんのケース

私が以前相談をお受けした方(Aさんといいます。)の例です。

Aさんは、過去の不倫相手から子供の認知を請求されていました。

Aさんは、「生まれた時期からして、間違いなく自分の子供だと思う。」とのことでした。

多くの弁護士であれば、「それでは、認知に応じた上で、養育費については適切な金額に留められるよう、交渉をしていきましょう。」とアドバイスをすると思います。

しかし、私は万一のことを懸念し、「自分の子供だと思っていても、それが確実であることが分かっている方が、愛情も増すのではないですか?結果が仮に予想できるにしても、まずはDNA鑑定を受けてみましょう。」と述べて、AさんにDNA鑑定を受けるよう説得しました。

なぜ私が万一のことをこれほど懸念したかというと、仮に自分の子供でない子を認知することの不利益があまりにも大きすぎるからです。

現在の養育費制度のもとですと、子供が生まれてから原則として20歳まで、長ければ22歳(大学卒業時)まで、月々の生活費を負担しなければなりません。

ご年収にもよりますが、仮に月々7万円程度だとしても、年間で84万円、20年(240ヶ月)で1680万円です。こ

れに加えて、私立学費などを負担しなければならないケースでは、さらに数百万円が上乗せされることになります。

あまりにも結果が重大ですので、安易に認知に応じるべきではありません。

そこで、私はDNA鑑定を強くお勧めしたのです。

さて、AさんのDNA鑑定の結果ですが・・・・・、Aさんと子供に父子関係はありませんでした。

Aさんの年収は2000万円を超えていたため、もし認知に応じていれば、毎月の養育費額は20万円程度になっていたはずです。

総額は、子供が成人するまで20年間(240ヶ月)で4800万円に上っていたはずです。

DNA鑑定の結果を聞いたとき、ゾっとしたのを覚えています。

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DNA鑑定を受けよう!

以上のわけですので、DNA鑑定は必ず受けるようにしましょう。

DNA鑑定は、多くは株式会社などの民間機関が提供しています。

例えば、DNA鑑定 東京などと打ち込んで検索をすれば、様々な会社のホームページが列挙されます。

閲覧をしてみて、場所と費用を中心に検討し、問い合わせをしてみましょう。費用については、1万円~5万円程度のものがスタンダードです。

DNA鑑定の一般的な流れは次の通りです。

  1. 検索して見込みをつけたDNA鑑定会社に電話などで問い合わせ。
  2. 日程を調整して予約。
    (相手の女性も検査のために赴く必要がありますので、相手の女性の日程も調整しましょう。)
  3. 当日、鑑定会社の事務所に赴く。お会計も。
    (相手の女性とは別々の日時に赴き、それぞれ別に検査を行うことも可能です。)
  4. 鑑定会社の事務所内で、口内を綿棒で触り、細胞を摘出。
  5. 後日(2週間から3週間後)、鑑定会社から調査結果が届く。

鑑定費用の支払いについては、あなたが全額負担する場合は、あらかじめ会社の口座に振込をしたり、当日事務所で現金払いなどをすることになります。

2 認知をしたら養育費の金額交渉へ移行

鑑定結果が届きましたら、実際の親子であるかどうかが分かります。

DNA検査は誤差がほぼないと言えるものですので、鑑定結果によって科学的に親子関係の有無が証明されると言って良いでしょう。

自身の子供でないことが判明したら、これ以上何も応じる必要はありません

逆に、自身の子供であることが判明したのでしたら、認知に応じなければなりません。応じない場合は、相手の女性から認知請求訴訟を提起される可能性があります。

したがって、自身の子供であれば、認知をした上で、養育費の金額の交渉に移りましょう。

養育費の金額については、

をご確認ください。

弁護士のホンネ 

DNA鑑定などと言うと、女性から、「ばかにするな!子供への愛はどうなんだ?」と反論されるかもしれませんが、むしろ、DNA鑑定によって自分の子供であることを確信できた方が、子供への愛は深まるのではないでしょうか。そして、女性に対してもより協力的に支援ができるはずです。

女性に対しても、DNA鑑定をしたい理由として、「自分の子供であることの確信を持った上で、愛情を持って子育てに協力していきたい」旨を打診されると良いと思います。

それでもDNA鑑定を拒否されたら・・・・、なおさら、疑いを持って、認知には慎重になった方が良いと思います。

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