今回は、あなたが妻との離婚を想定しつつ、別居に至った場合、準備しておくべきことについて述べたいと思います。
1 心の支えになってくれる友人
これは非常に重要です。
離婚はすぐには成立しません。
離婚に時間がかかる理由は、財産分与、親権、養育費、年金、慰謝料・解決金など決めるべきことがたくさんあり、その一つ一つが今後の生活に直接関わるため、簡単に判断できないからです。
また、生活費をもらっている妻としては、それがもらえなくなる、あるいは減額されるため、離婚へ急ぐことにメリットがないという点もあります。
そうやって離婚が長引く中、非常にストレスがたまることが多くなります。
直接妻とやりとりをしている場合は、そのやりとりの億劫さ。妻のお金に対するがめつさに対する失望感。
人格を否定したりされたりすることによる憤りや不毛さ。
また、弁護士に依頼している場合であっても、その弁護士と連絡が取りづらいことによる苛立ち、解決までどれくらい時間がかかってしまうかわからないという不安。
こうしたストレスを解消してくれるのは、気心のしれた友人です。
素直に気持ちを話すことで解放された気持ちになれますし、その友人が現状を笑い飛ばしてくれるかもしれません。
笑いは、すべての逆境をコメディー化してしまう優れた効果があります。
まだ長くかかるかもしれない離婚問題のストレスを、こうした友人との会話をきっかけに和らげることができれば、この問題に立ち向かうことがいくぶん楽になるでしょう。
離婚の問題をきっかけとしてうつ病を始めとする精神的な病気を発症してしまう方々も少なくありません。
友人はあなたの気持ちにバランスをもたらしてくれる非常に重要な存在です。
妻が離婚に応じてくれないんですが、弁護士の先生に間に入っていただくのが良いんでしょうか?調停というと大げさなので、まずは交渉から始めるべきでしょうか? 離婚をしたいけど、交渉と調停、どっちの手続きを取[…]
2 生涯うちこめるライフワーク
弁護士がここまでアドバイスすることはほとんどありませんが、私自身は、これこそが非常に大事なものだと確信しています。
離婚を念頭に別居をしたことで、あなたには、誰もが得難い「時間」というものを獲得できました。
この「時間」をどのように使うかは、まさにあなた次第です。
これをきっかけに、キャリアアップのための自分磨きをするのも良いでしょう。
旅行や趣味に費やしても良いかもしれません。
私が特にお勧めするのは、ライフワークを見つけるということです。
生涯をかけてうちこめるライフワークを見つけられれば、あなたの体力が衰えた老後においても、生き生きと生活することが望めます。
老後からライフワークを見つけようとする方もいますが、やはり若い時からライフワークを見つけていれば、その分、好きな分野を奥深く追求できますし、何よりも人生がより密度の濃いものになると思います。
熱中できるものが見つかれば、同じものを追求する人と知り合いになり、そこでまたネットワークを広げ、豊かな人間関係を築くこともできるでしょう。
ライフワークは、特に自分が子供のときや若い時にやっていたこと、好きだったこと、やりたいと思っていたことを思い出すと、見つかりやすいです。
登山、天体観測、遺跡の探求、古文書の研究、古代文字を学ぶことなど、大人になった今なら、きっとできることが見つけられるでしょう。
別居によって、そういうライフワークを見つけたり、行ったりする時間がようやくできたと言えます。
これまで妻のために時間を割いていた部分を、ぜひ、他の誰でもなく、あなた自身のために使ってみてはいかがでしょうか。
3 味方になってくれる弁護士との出会い
親身になってくれて、連絡をすぐにとれる弁護士というのは、実はそう簡単には見つかりません。
弁護士は非常に忙しい職業です。
通常、手がけている事件の種類も豊富で、多くの弁護士は休日返上で仕事をしています。
裁判所で被告人を弁護し、複数のお役所で法律相談をし、抱えている数十件の案件に関しそれぞれ必要な書面の作成をし、裁判所や相手方と電話で協議や交渉をしているのが弁護士というものです。
そうした中、なかなか依頼者からの電話に出られない、連絡をとる時間を作れないという弁護士は多いです。
主な理由は、やはり手広く事件をこなしているため、一つの種類の事件に集中できていないということでしょうか。
しっかりとあなたのために時間を作れ、親身になってくれる弁護士というパートナー。
そうした、離婚問題を解決するためのパートナーを、ぜひとも見つけてください。