別居中だけど、相手の家にある私物を取り戻したい!弁護士が解説!

プロキオン法律事務所弁護士の荒木です。

別居をする際の経緯は様々です。

別居を計画的に進め、相手がいない時間帯を見計らって自分の荷物を全て引越し業者を利用して運び出すケースもあれば、仕事から帰ったら自宅に鍵とチェーンがかかっており、着の身のまま追い出される形で別居が始まるケースも少なくありません。

さて、今回は、突然別居が始まってしまい、相手の家に自分の物が残っている場合、自分の私物を取り戻すことができるのかについて解説したいと思います。

今回は、以下の3つのポイントに分けてお話しします。

「私物」は誰のもの?

引き渡しを求める方法とは?

・離婚条件と合わせて交渉するという選択肢

「私物」の所有権は?

まず、あなたが婚姻前に入手した物については、原則としてあなたの所有物となります。

独身時代に持っていた家電製品や、書籍など。婚姻後であっても、身分証明書や実印、銀行通帳など、性質的に共有できないものも、あなたの所有物です。

一方で、あなたが婚姻後に入手した物については、それがあなたの給与で購入した物であっても、夫婦が婚姻生活の中で形成した財産によって得られたものであるとして、夫婦共有財産として扱われることになります。

ですので、これは自分のものだ!と言えるのは、前者に該当するものです。

これは当然に返すよう求めることができます。

一方、後者のものは、まだ共有のものですから、その後の離婚の話でどちらに帰属するか決まるまでは、引き渡しを請求できないということになります。

引き渡しを求める方法とは?

私物の引き渡しを求める場合には、まずは相手に対して任意で引き渡しに応じるよう求めることが考えられます。

引き渡しを希望する私物のリストを作成し、私物を送付するよう求めてみるといった対応を検討してみましょう。

相手が任意の引き渡しに応じない場合には、そのままでは相手に対して私物の引き渡しを強制することまではできません

このような場合、訴訟を提起し、所有権に基づく引き渡し請求を行い、判決を得る必要があります。

判決が得られれば強制執行手続という手続を踏んで持っていくことができます。

もっとも、それはあくまでも理屈上の話です。そこまでに至るケースはほとんどなく、通常はどこかの段階で任意で引き渡しをしてくれるでしょう。

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離婚条件と合わせて交渉するという選択肢

さて、将来的な離婚を見据えて別居している場合、相手との間の感情的な対立が既に大きくなっていて、こちらが相手に対して私物の引き渡しを求めても、相手がすぐには私物の引き渡しに応じないことも少なくありません。

離婚の際には、一般的には財産分与を行いますが、財産分与の中で、個々の物の扱いについて取り決めをすることは一般的ではありません(車や不動産は別です)。

ただし、事実上の取り扱いとして、離婚後に私物の引き取りを行うことは往々にしてあります。

そのため、離婚条件について取り決める中で、事後処理として私物の引き取りの段取りを決めておくことも多くあります。

感情的な対立が大きく、当事者間で直接交渉することが難しい場合には、離婚調停といった裁判所を介した手続きの利用をして、離婚条件と離婚後の私物の引き取りについて調整をすることもお勧めです。

<まとめ>

・相手に対して、私物を引き渡すよう交渉してみよう

・相手に対して私物を引き渡すよう強制するためには、訴訟手続きの利用が必要。

・離婚をする場合には、離婚条件と合わせて私物の引き取りについての段取りを話し合おう

弁護士のホンネ

当事者の間で感情的な対立が大きくなってしまっている場合、個人で相手と交渉することは難しく、また精神的に疲弊してしまうものです。

裁判所を介した手続きの利用や、弁護士といった第三者の手助けを得ることについても、十分検討の価値があると思います。

この記事が、みなさんにとっての一助となれば幸いです。

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