今回は、離婚事件をメインとして取り扱っている当事務所の経験から、夫婦関係を円満に保つための絶対条件と言えるものを、3つ紹介します。配偶者とのこれからの関係に不安を抱えている方や、離婚を回避したいと考えている方は、どうぞ最後までお読みください。
1 はじめに
離婚問題に長年携わっていると、夫婦の関係が悪化する主な原因が見えてきます。それは、①お金の管理のこと、②家事・育児の負担の不平等さ、③イライラ(仕事のストレスや生理に起因するもの)を相手にぶつけること、この3つです。これらのどれか一つ、または複数が原因となって関係が破綻する場合がほとんどです。
もちろん、浮気や不貞、風俗通い(または風俗店勤務)などで関係が悪化することもありますが、誰しも知っていることですから、あえて私達の方で挙げる必要はないでしょう。いえ、逆に、上記の①から③により関係が悪化したために浮気に走る、というケースも極めて多いです。浮気や不貞は婚姻関係悪化の原因ではなく結果である、というのは我々が離婚問題に携わっていて日々感じることです。
そこで、今回は、上記①〜③に即して、夫婦の円満を維持するための絶対条件をお伝えします。
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2 夫婦円満のための絶対条件3つ
(1)小遣い制はダメ!家計用口座にお金を入れること!
夫婦のどちらかが家計を全面的に管理し、もう片方の配偶者の外出先の費用や昼食代を「小遣い制」で渡す夫婦は多いです。しかし、離婚に特化した我々弁護士からすると、これはNGです!
小遣い制にするということは、相手に家計の管理を全面的に委ねることになります。通常は妻が管理することが多いですね。この時に夫は、自らが汗水流して得たお金の管理を委ねる以上、どれだけの金額を貯蓄に回してもらえるのかを期待します。
久しぶりに通帳を見せてもらい、貯蓄があまりにもされていないことに驚愕し、口論になる。こうして関係が一気に悪化する場合があまりにも多くあります。妻としては、さまざまな支出を一生懸命に管理し、可能な限り節約に努めていたのかもしれません。しかし、実際にお金の管理をしていない夫側は、具体的な支出の項目を正確に把握できません。そのため、貯蓄ができていないという結果に唖然とするのが通常です。これは、妻が一生懸命管理をしていた場合も、そうでなかった場合も、同じなのです。
特に、小遣い制にするということは、自由に使えるお金が、せいぜいのところ月に数万というケースが多いでしょう。毎月数十万を稼いでいるのに、月に数万しか自由に使えない、その上貯蓄がされていなかった、となれば、夫側の感じる不満は極限的になります。これは、夫の主観だけ見れば、当然のこととも言えます。
妻としては、一生懸命家計管理をしていた、一方で、夫は貯蓄ができていない結果に不満を感じざるを得ない。このように、夫と妻のどちらも悪くないのに、関係が悪化してしまう原因になるのが、小遣い制なのです。
そこで、夫婦が日頃個人的に使っている口座とは別に、家計用の口座を作ることを強くお勧めします。その口座に、夫婦がそれぞれ、毎月決まった金額を入金するようにしましょう。ちなみに、貯蓄については、それぞれ、証券会社のNISA口座に定期積立をするなどして、毎月強制的にできるシステムを作ってしまうことがお勧めです。
(2)適切な育児・家事分担!(特に夫側)
育児や家事の分担も極めて重要です。ここで大きな不平等感を配偶者の一方が感じていると、その積み重ねにより、後戻りのできないほど恨みが募る場合が多くあります。
一般的には、夫の方が給与額が高いため、夫としては、役割分担なのだから、ある程度妻側に育児や家事の負担が偏ることも当然だろうとか、人類の歩みの中で性別による役割分担が数万年単位により築き上げられたのだから、妻側の家事負担が多いことは人類史の必然的結果である、などと心のどこかで思っている場合も多いでしょう。
ただ、妻側としても、観念的には「役割分担理論」を受け入れつつも、妻は、夫の日頃の仕事ぶりを常に見ているわけでありませんので、現実味をもって「役割分担理論」には納得できていないことが多いです。それは、妻の主観からすれば、当然のことと言えるでしょう。
ここでも、小遣い制と同じことが言えます。つまり、夫と妻、どちらも間違ってはいないのに、関係を悪化させてしまう原因なのが、仕事と家事の役割分担なのです。
したがって、夫は帰宅後や土日に育児や家事を積極的に担うなどして、妻に不平等感を感じさせない努力を、意識的に行うことをお勧めします。そしてこれは、夫の収入のレベルに関係なく必要なことです。
(3)趣味やライフワークを持つ!
最後に、意外と思われるかもしれませんが、趣味やライフワークを持つことの大切さをお伝えします。これもまた、夫婦関係を円満に維持するための絶対条件と言っても過言ではありません。
といのは、仕事や家事のみに支配されると、必ずイライラが募るからです。仕事や育児・家事といった、「やらなければならないこと」に囚われ続けていると、気持ちに弾力さが失われます。そして、休憩とのメリハリがつかず、可処分時間の全てを「やらなければならないこと」に使ってしまう羽目になります。その結果として生じるイライラは、完全には自分でコントロールできません。
仕事や家事に忙殺され、加えて生理前後のイライラが重なることで、妻が夫や子供に激しい八つ当たりをする場合もあります。夫としては、生理に関して頭では理解しつつも、経験に基づく納得はできませんので、当然に妻に対して反感を持つことになります。
夫側も同じです。どれほど社会的な地位があり、仕事に忙しい場合でも、そのモードを家庭に持ち帰ることで、イライラを家族にぶつければ、関係の悪化は避けられません。
そのため、「やらなければならないこと」のほかに、「やりたいこと」を見つけることは、自分自身のためだけでなく、家族のためにもなります。やりたいことが見つかれば、やらなければならないことに使う時間や労力を上手く制御できるようになります。
より良い人生を送るために、趣味やライフワークを見つけることを、ぜひともお勧めしたいと思います。
今回の弁護士からのアドバイス
夫婦関係の円満を維持するために、、、
☑️小遣い制はダメ!家計用口座を作って、夫婦がそこに入金するようにしましょう!
☑️どれほど忙しくても、可能な限り育児・家事の負担を適切に担えるようにしましょう!
☑️趣味やライフワークなど、「やりたいこと」を見つけ、「やらなければならないこと」に忙殺されないように心がけましょう!
弁護士のホンネ
今回は、久しぶりに、離婚問題を解決するためではなく、離婚問題を予防するための記事を書かせていただきました。
少し前から、あらゆる「問題」(経営的なもの、社会的なもの、医療的なもの、さまざまです。)に関しては、問題の解決ではなく、問題の予防こそが重要であると説かれています。離婚に特化している弁護士だからこそ、離婚問題の予防のための知見を広く皆様に伝えるべきなのだと思います。
今回の記事をご覧いただき、皆様の人生に少しでもお役に立てれば幸いです。
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