離婚したら家の家具や家電はどうなる?離婚時の動産処理の基礎知識

プロキオン法律事務所東京事務所の弁護士古川です。

夫が別居したけど、家に残された私物はどうすればいいの?
家具や家電は処分していいの?

当事務所にはこのような相談がよくあります。

 

私物の引き取りや共有財産である動産の分与などの動産処理は、離婚に付随するその他の問題(親権や不動産の分与など)に比べれば後回しにされてしまう傾向にあります。

 

しかし、動産であっても思い出深い物高価な物もあります

また、生活に非常に密着したものでもあり、その重要性は軽視できません

 

そこで、今回は離婚時の動産処理についての問題を説明します。

 

ベッドやタンスはどう処理すれば良い?

・夫が残していった私物は処分してしまっていいの?

・財産分与としてちゃんと話し合わないといけないの?

 

私物の引き取りや動産の分与で困った時は、ぜひこの記事を参考にしてください。

 

①まずは夫婦の共有財産なのか私物(夫婦の一方の特有財産)なのかを判断

 

動産の処理は、その動産が私物(夫婦の一方の特有財産)なのか夫婦の共有財産なのかで異なります。

夫婦の財産は、基本的には夫婦の共有財産と推定されます。これは動産でも変わりません。

 

しかし、概ね以下の3つのどれかに当てはまる物は私物として、夫婦のどちらか一方の特有財産とされます。

ア 夫婦の一方が結婚前から持っていた物

イ 結婚後に、夫婦の一方の特有財産(結婚前からの預貯金や親族からの贈与・相続など)で買った物

ウ 夫婦の合意で特有財産とした物(専用財産とも呼ばれます。例えば夫婦の一方が専ら使用することを予定されている日用品(化粧品など)がこれに当たります。)

 

対象の動産が以上のア〜ウに当てはまる場合は私物になります。私物の処理についてはをご覧ください。

 

ア〜ウに当てはまらない場合は共有財産になります。共有財産の処理についてはをご覧ください。

 

 

②共有財産である動産の処理

 

動産であっても共有財産である以上、財産分与の対象となります。

そのため、原則は、動産の現在価値を双方で分け合う必要があります。

 

具体的には

ア 中古品販売店などに実際に売却しその代金を分ける

イ 業者の見積もりやインターネットの買取相場などから市場価値を算出し、動産を取得する側がもう一方に対してその市場価値の半額を支払う

といった方法があります。

 

しかし、家具や家電といった動産類は現在の価値を算出したとしても低額にとどまることが多い上に、品数も多く煩雑です。

そのため、実際には、市場価値などを算出することなく、双方で話し会いの上それぞれが希望する物を引き取り、残りの物は処分するという簡便な方法が取られることが多いです。

 

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③夫婦の一方の私物である動産の処理

 

夫婦の一方の私物である場合、その物の所有権を持つ側が引き取ることになります。

 

仮に、所有権を持つ側がなかなか引き取らなかったとしても、もう一方が勝手に処分することはできません。

勝手に処分してしまった場合は、不法行為として損害賠償責任を負う可能性があります。

また、窃盗罪や横領罪といった刑事上の罪を問われる可能性もゼロではありません。

 

④注意点

 

もし夫婦の一方の私物を勝手に処分してしまった場合、損害賠償責任という民事上の責任だけでなく、最悪刑事上の責任まで問われることになりますので、絶対にお勧めできません

 

これは、離婚後であっても同じです。

所有権には消滅時効はないため、離婚後何年経っても元妻(元夫)の私物を捨てることができないという事態も生じ得ます。

 

このような事態を回避するためには以下のような対応をする必要があります。

ア 離婚時に私物の処理方法をきちんと合意しておく(例えば「自宅に残置された私物については所有権を放棄する」という文言を離婚協議書に入れるなど)

イ アのような合意がないときには、私物処分の前に必ず相手の了承を取る(メールなどでも構わないので、形に残る方法で処分の同意や所有権の放棄などの意思表示をもらう

 

イについては、離婚後に相手がきちんと対応してくれるか未知数であるため、アのように離婚時にきちんと取り決めしておくことが大切です(イの場合は、相手に対して「何の返答もない場合には私物をレンタル倉庫などに移しその料金を請求する予定である」と伝えるなど、返答するように促す工夫が必要になります。)。

 

<まとめ>

家具や家電も財産。まずは夫婦の共有財産なのかを確認しよう!

・共有財産ならばその価値を分け合うのが本来のやり方。でも実際にはそれぞれ欲しい側が引き取るのが一般的。

相手の同意なしに勝手に処分はNG!損害賠償責任を負ってしまうリスクがあるので注意しよう。

 

弁護士のホンネ 

今回は動産が共有財産である場合と私物である場合に分けて説明をしましたが、ある動産が共有財産であるのか私物であるのか判断が困難な場合もしばしばです。

そのため、実際には、相手が引き取りを希望する物は全て引き渡してしまった上で、共有財産であるか私物であるかの区別をせずに「自宅に残置された一切の動産について所有権を放棄する」などと処理をしてしまうことも多いです。

いずれにせよ、離婚時に動産についても何らかの取り決めを行なっておくことは非常に重要です。

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