子の離婚に親が介入しすぎることに注意!負の影響とは?

弁護士

プロキオン法律事務所(https://rikon-procyon.com/)(横浜で離婚に特化した法律事務所として東京と横浜に事務所を構えています。)の代表弁護士の青木です。離婚や男女問題に特化した弁護士として、年間200回以上の離婚調停や裁判に出席しています。
夫側、妻側、それぞれに立場に応じて弁護活動を行っています。
(弁護士 青木亮祐 /プロキオン法律事務所 代表弁護士)

1 はじめに

離婚という出来事は、当事者にとって精神的にも身体的にも大きな負担を伴う人生の一大事です。親として、わが子の離婚問題を他人事のように見過ごすことは難しく、心配になるのは当然のことでしょう。とはいえ、親の思いが過剰になりすぎた結果、事態をさらに悪化させてしまうケースが少なくありません。この記事では、親が子どもの離婚問題に過度に関わることのリスクと、その対処法について、具体例を交えて解説していきます。

2 親が暴走してしまう背景とその影響

親という立場にあると、どうしてもわが子の話を全面的に信じたくなるものです。特に、離婚に至る背景として、「配偶者からひどい仕打ちを受けた」などと子どもが訴える場合、親は強い憤りを感じ、「子どもを守らなければ」という思いから感情的に行動しがちです。

たとえば、あるケースでは、娘が夫のモラハラを訴えたことで、母親が相手方に直接電話をかけ、「人として最低だ」「犯罪者みたいなものだ」と罵倒。その結果、当初は協議での離婚を目指していた夫側が態度を硬化させ、調停から訴訟にまで発展してしまったという事例がありました。

このように、親が感情的に介入し、暴走してしまうことで、当事者同士の関係がさらにこじれてしまい、結果的に離婚までの道のりが遠のいたり、不要な敵意を生んだりする危険があります。また、親自身の言動が名誉毀損や侮辱罪などの法的責任を問われる可能性もあるため、慎重な対応が求められます。

3 最終決定者としての介入

本来、離婚は夫婦という当事者二人の話し合いによって進められるべきものです。弁護士が関与する場面でも、最終的な合意には両当事者の納得が不可欠です。

しかし、親が介入しすぎると、たとえば「この条件では納得できない」と親が言い出し、本人が合意しかけた条件が覆されるといったこともあります。「孫の親権は絶対に渡すな」「慰謝料をもっと取るべきだ」など、親が自らの価値観で判断し、子どもに強く主張することで、子ども本人も交渉のバランスを見失ってしまうのです。その結果、まとまるはずの話し合いがまとまらなくなるという場合が少なくありません。

ある夫婦は、子どもが小さいうちに離婚することを決意し、当初は話し合いでの穏便な解決を模索していました。ところが、妻側の父親が「おまえの言い分は通るはずだから、条件を飲んでもらえないのであれば応じるな」と強硬姿勢を取ることを娘に通告しました。夫が不信感を募らせ、調停は決裂してしまい、しかも、結果として裁判で、妻側にとって予定よりも不利な内容で解決となってしまいました。

このように、親の「良かれと思って」の関与が、結果的に解決の妨げになってしまう例は少なくありません。

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4 もう一人の当事者としての介入

当事者の配偶者にとっては、配偶者の親は“他人”です。その親が夫婦間の問題に強く関与してくると、「自分の領域に土足で踏み込まれた」という印象を受け、感情的な対立が激化することがあります。

親がもう一人の当事者になることで、反対側の当事者の不信感が強くなり、態度を硬化させる例は極めて多くあります

また、感情的対立があまりに激しくなると、配偶者の親に対して損害賠償請求を提起する例もあります。ある夫婦では、相手の親が不当に離婚問題に介入した結果、離婚する意向はなかった相手に離婚に向けてマインドコントロールしたと述べて、訴訟を提起するといった例もありました。

離婚訴訟だけでも大変の中、他の親族を巻き込む訴訟が分岐して発生すると、家族関係にも大きな影響が及びます。すべての関係者にとって望ましくない事態と言えるでしょう。

5 離婚が問題になる前の段階でも注意を!

離婚問題が生ずる前の段階であっても、親が頻繁に介入してくる家庭では、夫婦間の信頼関係が築きづらくなる傾向があります。たとえば、些細な夫婦喧嘩を母親に相談したところ、母親が激昂して相手を責め立て、夫婦の関係が悪化してしまったという例は数多く見受けられます。また、相手が常に親に相談をしているらしい、ということに配偶者が勘付くことで、信頼関係にヒビが入る場合もあります。

要するに、夫婦間の対等な関係が、親の介入によって歪んでしまうのです。一方が常に親を味方につけて優位に立つようになると、もう一方は精神的に追い込まれ、「自分はこの家族にとって外様なのではないか」と感じるようになります。このような力関係の偏りは、モラハラや心理的DVにつながる恐れもあります。

ある男性は、結婚後に妻の実家近くに住むこととなり、義母が頻繁に家に訪れては「掃除が行き届いていない」「土日は仕事を休むようにして」「娘には楽をさせてあげて」などと注文を受けました。妻はそれをかばうどころか、「母さんの言う通り」と同調したことで、男性は次第に心を閉ざし、最終的には別居に至りました。

6 まとめ

親として子どもを心配する気持ちは自然なことです。しかし、離婚や夫婦間の問題は、まず当事者同士の意思と対話によって解決されるべきものです。親が過剰に介入すると、夫婦間の関係がさらにこじれるだけでなく、家族全体に長期的な禍根を残すことになりかねません。

もちろん、家庭内暴力や深刻な精神的圧迫など、当事者だけでは対応できない場合には、親が一時的に支援することが求められる場面もあります。ただし、その場合でも「自分が前面に出て解決しよう」とするのではなく、冷静に状況を見極めた上で、子どもに適切な専門家を紹介するなどの“裏方の支援”に徹することが、円滑な解決への近道となるでしょう

弁護士のホンネ

弁護士 青木
弁護士のホンネ:親の介入はできるだけ慎重に!

弁護士として、これまで多くの離婚や夫婦間のトラブルに関わってきましたが、その中で強く感じるのは、「できるだけ夫婦の問題は夫婦で解決すべきであり、親の介入は例外的であるべき」ということです。

親御さんとしては、子どもが苦しんでいる姿を見て、居ても立ってもいられない気持ちになるでしょう。「何か力になりたい」「間違っていることは正したい」と思うのは当然です。しかし、その善意が、かえって夫婦間の問題を複雑化させ、解決を遠ざけてしまうことも少なくありません。

とくに、結婚した子供が自分の家のすぐ近くに住んでいるなど、子供夫婦の力関係が元々偏っている場合があります。そうした場合は特に、親の関与は“慎重に慎重を重ねた形”であるべきです。できれば弁護士やカウンセラーなどの第三者を通じて、親としてできる支援の方法を検討していただくことをお勧めします。

当事務所では、親御さんからのご相談にも対応しております(ただし、できるだけご本人のご同席もお願いしています。)。子どもの幸せを願う気持ちを、真に子どものためになる形で活かせるよう、ぜひお気軽にご相談ください。

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