今回は、神奈川県内で離婚調停を申し立てる予定の方のために、どこの裁判所に申し立て手続きを行えば良いのかの解説をします。神奈川県の家庭裁判所は、横浜家裁本庁、横浜家裁川崎支部、横浜家裁相模原支部、横浜家裁横須賀支部、横浜家裁小田原支部の５拠点を持ちます。裁判所のホームページよりも一見しやすくまとめましたので、どうぞご確認ください。
１ 管轄とは？
管轄というのは、どこの裁判所で手続きをすべきかという問題です。
離婚調停は家庭裁判所で手続きをすべきことは知っていても、実際にどこの家庭裁判所で手続きをすべきかということを把握している方は少ないでしょう。
家事事件手続法で定められています。
家事事件手続法
（管轄等）
第二百四十五条 家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。
つまり、離婚調停は、配偶者である相手の住所地を管轄する（いわば、「最寄りの」）家庭裁判所に申し立てをする必要があるということです。また、当事者が合意で、どこの家庭裁判所で調停をするかということを決めれば、その裁判所で手続きをすることも可能です。
以下、神奈川県内の家裁の管轄を一覧しておきましょう。
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２ 神奈川県の家庭裁判所の管轄一覧
| 裁判所 | 相手の住所地 |
| 横浜家庭裁判所（本庁） ＜場所＞ | 横浜市 鎌倉市 藤沢市 茅ヶ崎市 大和市 海老名市 綾瀬市 高座郡寒川町 ※横浜市保土ヶ谷区、鎌倉市、藤沢市には簡易裁判所がありますが、家庭裁判所はありません。横浜市内の本庁が管轄になります。 |
| 横浜家庭裁判所 川崎支部 ＜場所＞ | 川崎市 |
| 横浜家庭裁判所 相模原支部 ＜場所＞ | 相模原市 座間市 |
| 横浜家庭裁判所 横須賀支部 ＜場所＞ | 横須賀市 逗子市 三浦市 三浦郡葉山町 |
| 横浜家庭裁判所 小田原支部 ＜場所＞ | 小田原市 秦野市 南足柄市 足柄上郡（中井町、大井町、松田町、山北町、開成町） 足柄下郡（箱根町、真鶴町、湯河原町） |
３ 間違えて他の裁判所に申し立てをした場合は・・・
申立ては郵送でも可能ですので、間違えて他の支部などに申し立てをするなどの事態もあるかもしれません。しかし、その場合は、裁判所の方で、正しい管轄の裁判所に手続書類の送付をするなどの対応もしてくれます。ただし、申し立てをした人の意思確認が必要であったり、手続きに余分な日程がかかってしまうということがありますので、正しい管轄の裁判所に申し立てをするよう努めると良いでしょう。
弁護士の本音
法律事務所
神奈川県は人口が多く、支部が多くあります。
特に地方色や個性のある、小田原支部や横須賀支部は、弁護士として出廷する際、気持ちが高揚しますね。
なお、裁判所の場所によって、法的な手続きに違いが出ることはありません。
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