高級マンション、タワマンに離婚後も住み続けるための方法を離婚専門弁護士が解説!

プロキオン法律事務所(https://rikon-procyon.com/)(横浜で離婚に特化した法律事務所として東京と横浜に事務所を構えています。)の代表弁護士の荒木です。離婚や男女問題に特化した弁護士として、年間200回以上の離婚調停や裁判に出席しています。
夫側、妻側、それぞれに立場に応じて弁護活動を行っています。
(弁護士 荒木雄平 /プロキオン法律事務所 代表弁護士)

この家で、これからも暮らしていきたい――そんな想いに寄り添って

夫とはもう一緒に暮らせない。でも、長年住んできたこの家だけは、手放したくない
子どもの学校もあるし、なるべく環境を変えたくない
そんなお声を、私たちはたくさん聞いてきました。特に、首都圏のタワーマンションや高級マンションにお住まいの方にとっては、今の暮らしを維持することが、安心や安定のカギになることも少なくありません。

離婚は「別れ」ですが、それ以上に「新しい生活のスタート」でもあります。この記事では、離婚後も今のマンションに住み続けたいと考えている方へ向けて、具体的な方法と注意点を、実例を交えて丁寧に解説します。

婚姻中に購入したマンションは、名義に関係なく共有財産

「名義は夫(または妻)になっているから、自分には権利がない」と思っていませんか?
実はそれ、大きな誤解です。

民法では、婚姻期間中に夫婦で築いた財産は、名義に関係なく「共有財産」と推定される(民法762条)とされています。つまり、夫の名義で購入したマンションであっても、婚姻中に取得したものであれば、原則として夫婦の共有財産として、2分の1ずつ分ける対象となります。

現在のマンションの評価額(時価)は、不動産業者による査定によって算出します。
そして、そこから別居時点の住宅ローン残高を差し引いた金額が、マンションの「純資産価値」として評価されます。

✅ 成功例

Fさん(40代女性・港区のタワーマンション居住)は、マンションの名義が夫単独だったため当初は諦めかけていました。しかし当事務所に相談の上、不動産査定とローン残高証明を取得し、共有財産として評価を受けて5,000万円相当の財産分与に成功しました。

❌ 失敗例

Gさん(50代男性)は「名義は妻だから自分には関係ない」と判断し、査定も交渉も行わないまま離婚に応じた結果、本来分与されるはずだった2,000万円以上の資産を取り逃すことになりました。

離婚時にはマンションの名義をどちらかに統一し、代償金を支払う

離婚後にマンションを共有名義のままにすることは一般的ではありません。基本的には、どちらかの単独名義に変更する必要があります。仮に共有のままだと、後から共有物分割請求手続をとる必要があり、紛争が継続することになります。

どちらかの単独名義にする場合、不動産を取得する側は、相手に「代償金」として、相手の持ち分(名義ではありません)相当の金額を支払うことになります。

具体例

  • マンションの評価額:1億円(夫名義)
  • 住宅ローン残高:−2,000万円
  • 夫の預貯金:1,000万円
  • 妻の預貯金:200万円

→ 共有財産の合計:
1億(マンション)+1,000万(夫預金)+200万(妻預金)−2,000万(ローン)=9,200万円
→ 分与額の基準:9,200万円 ÷ 2 =4,600万円

仮に夫がマンションを取得する場合:
→ 夫はすでにマンション(1億円)+預金(1,000万円)=1億1,000万円の資産を取得
→ 4,600万円の持ち分を超えているため、妻に4,400万円を代償金として支払う必要があります

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自分が住み続けたい場合は、「代償金」の交渉で名義取得を目指す

一方、自分が住み続けたい場合には、マンションの名義を自分に変更する代わりに、代償金を支払う必要があります。
上記の例で、妻がマンションを取得したい場合:

→ 取得資産は1億円
→ 自分の分与持ち分4,600万円を引いた差額:1億−4,600万円=5,400万円
→ この金額を夫に代償金として支払う必要があります

「そんな金額、一括で払えない…」という場合も、以下のような方法で調整可能です:

◆ 代償金調整の方法

  • ローンを自分が負担する
    → 住宅ローン2,000万円を引き継ぐと、支払うべき代償金は3,400万円に
  • 慰謝料と相殺する
    → 夫に不倫やDVなど有責性がある場合、慰謝料300万円を相殺し、代償金は3,100万円に
  • 分割払い・長期分割による和解
    → 支払い方法も交渉可能。無理のない条件を組み立てることが大切です

✅ 成功例

Hさん(40代女性・子ども2人)は、マンションの名義を取得し、ローンを自身が引き継ぎ、慰謝料300万円と相殺のうえ、3,000万円の代償金を2年間の分割払いで合意。現在も同じマンションで子どもたちと穏やかに生活を続けています。

よくあるご質問(Q&A)

名義が夫のマンションでも、自分が住み続けることは可能?

A. はい。可能です。名義に関わらず、夫婦で築いた不動産は共有財産として扱われるため、代償金を調整することで取得できます。

ローンが残っている場合でも名義を変更できますか?

A. 可能です。ただし、金融機関の承諾(ローン引き継ぎ可否)が必要です。審査に通らない場合は、別の交渉方法を検討します。

財産分与で受け取る現金は、ローン返済に使えますか?

A. はい。受け取った代償金を、ローン残高の一部返済や、名義変更に伴う費用に充てるケースも多くあります。

売却という選択肢もある?

A. もちろんです。どちらも取得しない場合は売却し、得た金額を2分の1で分けることになります。将来の資金計画に応じて判断しましょう。

当事務所の解決事例:

「子どもとの暮らしを守りたかった」――タワーマンションに住み続けるという選択

■ 依頼者プロフィール

40代女性・東京都港区在住・小学生の子どもと二人暮らし。
夫は同年代で大手商社勤務・年収約1500万円、家族で港区内のタワーマンションに居住。

■ 相談内容と経緯

ある日、夫の携帯から会社の後輩との不倫が発覚。
ショックを受けた依頼者様でしたが、子どものことを第一に考え、夫婦で話し合いの末、別居することに。

ところが、夫は別居後すぐに「婚姻費用は払わない」と一方的に主張。生活費の援助を拒絶し、精神的にも経済的にも追い詰められた依頼者様からご相談を受け、当事務所が受任しました。

■ 当事務所の対応

私たちはまず、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立て。
同時に、夫側からも離婚調停が申し立てられたため、そちらも依頼者様の代理人として対応しました。

調停の中で、夫側は「マンションを売却すべき」と主張。
しかし、依頼者様としては「子どもと今の住まいで暮らし続けたい」という強いお気持ちがありました。

そこで当事務所の弁護士は、

  • 夫は不貞行為を行った有責配偶者であり、
  • 妻に離婚の応じる義務はないこと、
  • 別居後の生活費として月額32万円の婚姻費用を継続的に支払う義務があることを明確に主張しました。

さらに、夫の財産についても、

  • 預貯金
  • 投資信託
  • 退職金見込額

などを詳細に開示させ、財産分与の対象としました。

■ 調停の結果

当事務所は、離婚に応じる条件として次の提案を行いました:

  • 自宅マンションの分与(妻単独名義)
  • 住宅ローンは夫が引き続き負担
  • その他の財産から1200万円の分与

これに対して夫側からは、「ローンは妻が負担すべき」「金額を減らしてほしい」との減額交渉がありましたが、

粘り強く交渉を重ねた結果、最終的に以下の条件で合意に至りました:

✅ 自宅マンションを妻が取得(名義変更)
✅ 今後の住宅ローンは妻が負担
✅ その他に現金で600万円の財産分与

■ 調停成立までの期間

初回相談から調停成立までは約8ヶ月間。
調停の間も依頼者様はお仕事と育児を両立しながら、都度こちらと連携をとって慎重に進めていきました。

■ 弁護士からひと言

「不倫された側が、家まで手放さなければならないのは納得できない」
そんなお気持ち、とてもよくわかります。
特に港区のような都心部のタワーマンションは資産価値が高く、それに対する感情的・経済的な想いも深くなります。

このケースのように、「住み慣れた自宅に子どもと一緒に暮らし続けたい」という願いは、しっかりと法的にサポートすることで実現可能です。
早い段階から弁護士に相談することで、結果もプロセスも大きく変わります。
一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

弁護士のホンネ

弁護士 荒木
弁護士のホンネ

正直に申し上げると、最近のマンション価格高騰によって、タワマンの財産分与はかなり金額が大きくなっています。
「住み続けたい」というお気持ちと、「支払う代償金の高さ」がぶつかり、交渉が難航するケースも少なくありません。
しかし、交渉の仕方や条件の組み立て方によっては、あなたにとって無理のない形で自宅を確保することも十分可能です。
こうした問題は、「正確な不動産評価」と「交渉力」がものを言います。
まずは、不動産会社に無料査定を依頼し、今のマンションの時価を把握しましょう。
そして、できるだけ早い段階で、不動産評価と財産分与に強い弁護士に相談してください。
新しい暮らしを安心して始めるために、あなたの「住まい」の未来を一緒に考えていきましょう。

当事務所では離婚問題に関する無料相談を実施しています。どうぞお気軽にお申し付けください。

なお、なお、本文に挙げた成功例・失敗例は、実際の事例やありうるケースを融合したものです。

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