【保存版】これで完璧!不倫・浮気と慰謝料に関する基礎知識

離婚であなたを守り切る。横浜プロキオン法律事務所
不倫に関する基礎知識
本ページでは、あなたの配偶者が不倫や浮気をした場合に、誰に対して、どのような行動を起こすことができるのか、そして、その後の手続きの方法などについてご説明いたします。逆に、あなたが不倫や浮気をしてしまった場合であれば、どのようなリスクがあるのか、ご理解いただけるでしょう。また、なぜ世の中に不倫や浮気が生じてしまうのか、文化人類学的な観点からも考察します。ここに書かれていることさえ理解すれば、ひとまず十分です。

<目次>

1 不倫・浮気は離婚原因になります

(1)離婚原因とは?

(2)どのような場合に不倫・浮気になる?

  ア 不倫・浮気の定義

  イ 風俗

  ウ 同性との性関係

  エ 肉体関係を伴わない場合

2 不倫・浮気があった場合は、謝料請求ができます

(1)配偶者に対する慰謝料請求

(2)不倫相手に対する慰謝料請求

(3)配偶者とその不倫相手の双方に対する慰謝料請求

(4)肉体関係を伴わない浮気の場合

3 不倫・浮気があった場合の手続き

(1)不倫相手に対する請求をしたい

  ア 交際の停止要求

  イ 慰謝料請求

  ウ 裁判

(2)配偶者に対して離婚請求・慰謝料請求をしたい

  ア 協議の開始

  イ 公正証書の作成

  ウ 調停の申立て

  エ 裁判

(3)離婚をしないという手段

4 不倫・浮気による慰謝料の相場

(1)慰謝料金額が300万円を超えるもの

(2)慰謝料金額が150万円〜300万円のもの

(3)慰謝料金額が150万円を下回るもの

5 不倫・浮気の証拠となるもの

6 不倫をしてしまった場合の帰趨(有責配偶者の視点から)

7 そもそもどうして不倫や浮気があるのか

1 不倫・浮気は離婚原因になります

(1)離婚原因とは?

   独身の女性と男性が、双方の合意によって結婚できるように、日本では、夫婦は合意によって、役所に届出をするだけで離婚することができます。しかし、実は、このことは世界ではむしろ稀であり、ほとんどの国では裁判所における手続きを必要とします。それは、財産分与や養育費、親権、面会交流など、決めなければならないことが多いことが理由の一つです。また、フィリピンやバチカン市国では宗教的な理由から離婚が認められていません。
   それはともかく、日本では、夫婦は合意によって離婚をすることができるわけです。しかし、必ずしも離婚をすることについて夫婦が合意できるとは限りません。そこで、日本の家族法は、離婚ができる原因として5つを挙げています(民法770条1項)。これに該当する場合は、裁判所に訴訟を提起することで(離婚訴訟)、相手が離婚に応じなくとも、離婚をする道が開けているのです。
   具体的には、

  1.    夫または妻に不貞な行為があったとき
  2.    夫または妻から悪意で遺棄されたとき
  3.    夫または妻の生死が3年以上明らかでないとき
  4.    夫または妻が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5.    その他、結婚を継続し難い重大な理由があるとき

   以上のいずれかに該当する場合には、たとえ夫婦の一方が離婚に応じなくとも、裁判所に離婚訴訟を申し立てることで、離婚にこぎつけることができます。そして、不倫や浮気があれば、①の「不貞な行為」にあたるものとして、離婚訴訟することができるのです。

(2)どのような場合に「不貞な行為」になる?

 ア 「不貞な行為」の定義

   不倫・浮気があったからといって、すぐに「不貞な行為」だから離婚が認められる、とは限りません。法律のいう「不貞な行為」というものに該当する不倫・浮気でなければなりません。
   そして、法律のいう「不貞な行為」とは、夫または妻が、配偶者以外の異性と性交渉に及ぶことをいいます。ここでいう性交渉とは、セックス・肉体関係のことです。露骨な言い方になりますが、男性器が女性器に挿入されて初めて不貞な行為とみなされるのが原則です。

 イ 風俗

   不倫・浮気として実際の裁判でも多く扱われるのが、配偶者以外の異性と交際をしていた場合です。交際相手と肉体関係を結んだことが証拠から認められれば、不貞な行為があったとみなされます。
   それでは、夫の風俗通いがあった場合、これは「不貞な行為」とみなされるのでしょうか。
   結論から言えば、男性器を女性器に挿入させることを目的とするソープランドのようなサービスでなければ、「不貞な行為」にはあたりません。不貞な行為はあくまでも、そのような肉体関係を指すからです。
   ただし、先ほど挙げた5つの離婚原因の5つ目、「その他、結婚を継続し難い重大な理由」には十分にあたる可能性があります。これに該当すれば、離婚原因はあるものとして、離婚訴訟をすることは可能です。もっとも、例えばピンクサロンやヘルスといったサービスを1回、2回利用した程度では、「結婚を継続し難い重大な理由」には当たらないでしょう。一方、定期的に通っていた場合や、SMクラブやニューハーフヘルスなどの過激なサービスである場合などは回数が限られていても該当する可能性が高まります。
   詳しくは、「風俗通いは何回までなら離婚理由にならないの?」をご覧ください。

 ウ 同性との性関係

   では、夫の不倫相手が男性であった場合はどうなるでしょうか。こうした場合も、「不貞な行為」にはなりません。男性器を女性器に挿入させるという定義に当てはまらないからです。
   もっとも、これも「その他、結婚を継続し難い重大な理由」には十分に当たりますから、離婚原因にはなります。(東京地方裁判所平成16年4月7日判決などは、同性間の性交渉も「不貞な行為」に当たるとしていますが、いずれにしても、離婚原因になるという結論自体は変わりません)

 エ 肉体関係をともなわない場合

   それでは、厳密な意味での性交渉や、肉体的な関係を経ず、いわばプラトニックな関係で配偶者以外の異性と交際をしていた場合はどうでしょうか。
   このような場合も、「不貞な行為」には該当しませんが、やはり「その他、結婚を継続し難い重大な理由」にはあたる場合があります。異性との一度や二度のデート、手を組んで歩く、数回キスをするといった程度では、直ちにこの重大な理由には当たらないと考えられます。もっとも、その頻度や期間の長さが一定程度を超えると該当するといえるでしょう。
 ここで着目されるべきは、「通常であれば」そのような行動をとられた場合、配偶者の立場にある者がどう感じるかという、一般的な観点から判断されるということです。実際にそのような行動をとった者の配偶者が、結婚を継続できないほど傷ついたかという個別的な観点から判断されるわけではありません。

 オ すでに夫婦関係が破綻していた場合

   肉体関係を伴う不倫や浮気があった場合でも、不倫や浮気をした時点で、すでに夫婦仲が冷め、別居が始まっていたような場合は、「不貞な行為」には当たらないとされます。「不貞」とは、貞操義務に違反する行為を指します。法的には、夫婦仲が冷め、もはや実質的な夫婦関係が破綻している場合は、貞操義務はもはや消滅しています。それゆえ、その後に不倫や浮気があったとしても、「不貞な行為」には当たらないということです。また、理屈的に、すでに壊れた夫婦関係を壊すことはできないからだとも言われます。
   もっとも、すでに夫婦関係が壊れているために「不貞の行為」には当たらない場合であっても、そもそもすでに夫婦関係が壊れていることを理由として、離婚請求をすることは可能です。

2  不倫・浮気があった場合は、配偶者とその不倫相手に、慰謝料請求ができます

(1)配偶者に対する慰謝料請求

  あなたの夫または妻が不倫・浮気をした場合、あなたは夫または妻に対して慰謝料請求をすることができます。
  あなたが配偶者に対して離婚を請求しない場合であっても、慰謝料の請求をすることは認められます。つまり、離婚をせずに、別居状態のままで、配偶者に対して慰謝料請求ができるということです。さらに、その後実際に離婚に至った場合には、離婚自体に伴う慰謝料請求もできる場合があります。もっとも、後者の請求額は極めて低いものになるのが通常でしょう。この点については、「一度慰謝料をもらっても、離婚する場合にまた慰謝料請求ができる?」をご覧ください。

(2)不倫相手に対する慰謝料請求

  さらに、あなたは夫または妻の不倫相手に対して慰謝料請求をすることが可能です。不倫や浮気は、夫婦関係を壊すものであるため、あなたの「結婚生活を維持する権利」を侵害するものとして、不法行為にあたるとされます。
  この場合、不倫相手があなたに対して負う慰謝料の金額は、100万円から300万円の範囲内で収まるのが通常です。
  慰謝料の金額を判断する際に考慮されるポイントは以下の通りです。

  • 結婚していた期間
  • あなたに子供がいるかどうか
  • 不倫をきっかけにあなたが離婚に至ったかどうか
  • あなたの配偶者の年収
  • 不倫の期間
  • 不倫で肉体関係を伴った回数、頻度

  これらの要素を組み合わせることで、慰謝料の金額の軽重が決まってきます。

  なお、不倫相手に対して慰謝料請求ができる、という考えは必ずしも絶対的なものではなく、アメリカなどでは原則として認められていません。不倫相手にとっては、自由恋愛の範囲内であるともいえるからです。そのため、アメリカでもわずかな州が、一定の要件に該当する場合にのみ、そうした慰謝料を認めているにすぎません。(これについても、「一度慰謝料をもらっても、離婚する場合にまた慰謝料請求ができる?」をご参照下さい。)
 日本でも、法学者の間では、不倫相手は原則として不法行為責任を負わないという見解が有力です。夫婦間の貞操義務を不倫相手が直接負うわけではないからです。もっとも、現在の裁判所は、不法行為責任を認める戦前からの運用を継承しており、当分の間この運用は続くものと思われます。

(3)配偶者とその不倫相手の双方に対する慰謝料請求

   あなたの夫または妻が不倫をした場合の慰謝料請求は、あなたの夫または妻と、不倫相手双方に対して、順番に、または同時に行うことができます。もっとも、不倫を理由とする慰謝料の支払い義務は、配偶者とその不倫相手が連帯して負うものなので、一方が支払いをすれば、その分、他方は支払い義務を免れます。
   ここで、順番に請求をすべきか、同時に請求をすべきかということを述べます。配偶者とその不倫相手に対して同時に慰謝料請求をする場合の方が、慰謝料金額は高額になる傾向にあると考えられます(裁判の場合)。配偶者に対する慰謝料請求は、通常離婚請求を伴います。その結果、結婚生活が不倫によって離婚せざるをえないほど破綻してしまっていると理解されるため、被害が大きいとみなされるのです。

(4)肉体関係を伴わない浮気の場合

   「不貞の行為」とまでは言えない浮気というものがあります。配偶者以外の異性と手をつないで歩いたり、デートを重ねたり、数回キスをしたりというものです。
   この場合、肉体関係まではないとはいえ、結婚生活に対する脅威になることは同じです。したがって、慰謝料の金額自体は肉体関係を伴う場合に比べてぐっと低くなりますが、数十万程度の慰謝料が認められることがあります。東京地方裁判所平成24年11月28日判決は、既婚者と愛情表現を含むメールのやりとりをしたことについて、30万円の慰謝料を認めています。

3 不倫・浮気があった場合の手続き

(1)不倫相手に対する請求をしたい

   実際にあなたの夫または妻が不倫・浮気をした場合で、不倫相手に何らかの請求をしたい場合、まずは何を求めたいのかを確認しましょう。

  ア 交際の停止要求

    まずは不倫・浮気をストップさせるという場合は、自分が配偶者であり、不倫・浮気の事実を知っていること、今後も関係を続けるのであれば、法的措置を辞さない旨を記載した通知書を不倫相手に送るのが効果的です。できれば、相手に強いインパクトを与えるという意味でも、弁護士に依頼した上で弁護士名義で送付すると、より一層の効果が期待できます。通知書を受け取った不倫相手は、不毛な争いに巻き込まれることを望まず、すっと手を引くということが多くあります。

  イ 慰謝料請求

    また、不倫・浮気によって自身が受けた苦痛を、なんとかお金という形でもいいから不倫相手に請求をしたいという場合も、慰謝料を請求する旨を記載した通知書を、不倫相手に送るべきです。ここでも、弁護士名義であるとより一層の効果が期待できます。通知書を無視すれば、裁判沙汰になることが現実として分かるからです。
    その後、不倫相手とあなた(または弁護士)が交渉を行います。その上で、次のような内容で合意書を取り交わすことがよくあります。

  • 慰謝料として金200万円を支払うこと
  • 今後二度と配偶者と連絡を取り合わないこと
  • もし今後連絡を取り合うなどした場合は、連絡を取り合うごとに、違約金として10万円を支払うこと

  ウ 裁判

    協議がまとまらなければ、残るは裁判となります。裁判となる場合は弁護士に依頼することになるでしょう。裁判所に訴訟を提起してから、判決が出るまで、約半年から1年程度かかります。

(2)配偶者に対して離婚請求・慰謝料請求をしたい

  ア 協議の開始

    配偶者に対して離婚請求・慰謝料請求をする場合は、まずは夫婦間で話し合いをすることから始めましょう。それでも全く話し合いの余地がなければ、弁護士を入れることが多くあります。同居であれば、当事者間で話し合いをした方がスムーズですが、別居となってしまった場合は、弁護士を入れることで相手も緊張感をもって話し合いに応ずる可能性が高まります。また、今後の養育費や別居中の生活費が絡む場合、弁護士を入れるかどうかで、長期的には数百万円のメリットが出てくることもあります。可能であれば、弁護士に入ってもらうべきでしょう。

  イ 公正証書の作成

    話し合いがまとまれば、公正証書を作成して離婚と慰謝料について合意することがベターです。慰謝料が仮に分割払いになっている場合、途中で支払いが滞ることがあります。合意をしただけでは、支払いが滞れば別途裁判を起こさなければならなくなります。裁判を行う労力や費用をかけないためにも、公正証書を作成しておくべきでしょう。それがあれば、支払いが滞った場合に直ちに強制執行ができるからです。

  ウ 調停の申立て

    話し合いがまとまらない場合は、別居を経て、家庭裁判所に対して調停を申し立てることになるでしょう。調停は、相手配偶者が住んでいる地域を管轄する家庭裁判所で申し立てをします。二人の調停委員が話し合いを仲介します。話し合いの場が設定されるのは、1ヶ月半に一度、4、5回程度です。
    話し合われる内容は、離婚、慰謝料、財産分与、親権、養育費の金額など、多岐にわたります。
    離婚調停においても、弁護士が付き添った方が結果として望ましいものになることが多いでしょう。詳しくは、「離婚調停は弁護士と望むべき本当の理由」をご覧ください。

  エ 裁判

    調停は、調停委員が話し合いの仲介をしてくれるとはいえ、あくまでも”合意”がなければ成立しません。特に、慰謝料の金額は非常にもめやすい内容の一つです。これ以上調停を続けても無意味であると裁判所が判断した場合、調停手続きは終了します。その後は、裁判でもって離婚と慰謝料請求などを求めていくことになります。この場合は、弁護士の支援が不可欠でしょう。
    裁判所に裁判を提起してから判決がくだされるまで、約1年間かかります。ですが、裁判手続中に、裁判上の和解で慰謝料金額に合意して離婚に至るということも多くあります。また、この裁判のとき、同じ手続きの中で不倫相手に対して慰謝料の支払いを求める裁判を提起することも可能です。その場合は、配偶者とその不倫相手が共同被告という立場になります。
    それぞれの手続きの違いについては、「協議離婚・調停離婚・裁判離婚・和解離婚・審判離婚・・・いったい何がどう違うの?」をご参照ください。

(3)離婚をしないという手段

   不倫相手に対する慰謝料請求はするけれども、配偶者に対しては、別居はしても離婚はしないということも往々にしてあります。
   この場合、配偶者が夫であれば、その夫から婚姻費用という名目の生活費を受領できるというメリットがあります。不倫をした側である夫から離婚請求をしても、現在の裁判所の運用では簡単には離婚が認めません。したがって、半永久的に生活費を受領し続けるということが可能になります。
   ただし、あなた自身も、他に素晴らしい人を見つけて新たな人生を歩む道を閉ざしてしまうことになりかねませんので、この手段を選択すべきかは慎重に判断するべきでしょう。

4 不倫・浮気による慰謝料の相場

  それでは、具体的に不倫や浮気があった場合の慰謝料金額について述べます。
  慰謝料の金額は画一定期に定まっているわけではなく、そのケースに応じて、裁判所が個別的に判断します。ですので、以下の分類はあくまでも目安としてお考えいただきたいと思います。 また、金額については、不倫をした配偶者が他方配偶者に支払う場合を想定しています。不倫相手自身が支払う金額は、その二次的責任性ゆえ、相応に割り引いて考えることになります。

(1)慰謝料金額が300万円を超えるもの(ケースによっては500万円)

  •  結婚期間が20年以上
  •  不倫期間が3年以上
  •  不倫相手との性交渉の様子を動画に取るなどして保存
  •  虚偽の離婚届を提出
  •  不倫相手との間に子を数人設ける
  •  不倫相手との性交渉の頻度が週に1回近く
  •  不倫をきっかけとして離婚

(2)慰謝料金額が150万円〜300万円のもの

  •  結婚期間3年以上
  •  不倫期間半年以上
  •  不倫相手との性交渉の様子を画像にして保存
  •  子供あり

(3)慰謝料金額が150万円を下回るもの

  •  結婚期間が3年以内
  •  不倫期間が数ヶ月以内
  •  子供なし
  •  肉体関係までは認められない(数十万円程度)

5 不倫・浮気の証拠となるもの

  ここで、不倫・浮気の証拠となりうるものをまとめておきましょう。裁判において、「不貞の行為」があったとされるには、必ず証拠が必要となります。これがなければ、基本的には慰謝料の請求はできません。以下では、証拠として利用される代表的ものを挙げます。

  ① 性交渉そのものを撮影した写真・動画

    これが一番はっきりした証拠です。こんなものは実際にあるのかと疑問に思われる方も多いと思いますが、実際に、よく見受けられます。不倫・浮気は普段抑えられている性欲が溢れでたときに行われることも多く、そうした場合、それを記録に残して大切に保存しようとする方も時々おられるのです。

  ② ラブホテルに入っていったところを撮影した写真

    これも一級の証拠といって良いでしょう。ラブホテルに異性と入った場合、通常はそこで性交渉が行われます。このような、「このようなことをしていれば、このようなこともしているはず」ということを経験則といいますが、裁判所もこれを適用して不貞の事実を認定します。
    逆に、ラウンジなどが充実しているシティホテルに入ったところや、昼間に自宅に招き入れたところを撮影しても、そのことから直ちに性交渉が行われたとは限らないため、不貞の事実は認められないでしょう。
  

  ③ 配偶者が不倫・浮気を認めた事実

    例えば、配偶者が不倫や浮気を認めたことを覚書のような書面に記載している場合や、認めた旨を発言している様子を録音している場合は、証拠になります。

  ④ ライン(スマートフォンアプリケーション)

    現代の日本では、最も活用されている私的コミュニケーションツールと言っても過言ではないでしょう。このラインにおけるやりとりも、証拠となり得ます。もっとも、言葉の羅列だけであると、実際に性交渉があったかどうかをはっきりと判断することは難しいでしょう。配偶者と不貞相手とのライントークにおいて、何年何月何日に性交渉をした、ということをはっきりと言葉にするということは通常考えられないからです。

  ⑤ クラウドでつながっているパソコン

    昨今のパソコンは、様々なアプリが他のデバイスと連動・同期しています。そういうわけで、夫又は妻が、自宅にある配偶者のパソコンをみて、その配偶者がスマートフォンなどの他のデバイスで行ったメールやSNSのやりとりを閲覧してしまう、ということも多々あります。

  ⑥ カーナビ

    これは忘れられがちなものです。カーナビは、履歴が残ります。したがって、自家用車でどこに出かけていったか、記録に残っていることがあります。交際相手としか行かないような場所へ行っていたとすれば、交際の事実の証拠になってしまう可能性があります。

  ⑦ GPS機能搭載のデバイス

    ランニング用の小型GPSなどが世の中にはあります。こうした小型GPSを、例えば配偶者のバッグに忍ばせておくとか、配偶者が運転する車に隠しておくなどして、配偶者の足取りを追うということをする人もいます。そのような方法が良いか悪いかは別として、その結果明らかになった事実は、不倫や浮気の証拠になってしまうものです。

 以上のような、不倫・浮気の証拠については、「よく使われる不倫の証拠ベスト5!ここに紹介!」や、 「こんなのが証拠に使われる!?不倫・浮気の「意外な証拠」ベスト3!」にも記載していますので、併せてご覧ください。

6 不倫をしてしまった場合の帰趨(有責配偶者の視点から)

  さて、ここで、もし、あなたが不倫や浮気をしてしまい、それが夫または妻にバレてしまった場合について述べます。ここでは、以下の点に注意する必要があるでしょう。

(1)原則として、あなたから離婚の請求はできない

   本文の始め、1(1)で述べましたように、もし配偶者が離婚に応じない場合であっても、法律により定められた5つの離婚原因に当たる場合には、裁判所に離婚を求めることができます。しかしながら、現在の裁判所の運用では、不倫をしたことによって結婚生活が破綻してしまった場合、不倫をした側が離婚の請求をすること(「有責配偶者からの離婚請求」と呼ばれます)は認められていません。
   ですので、あなたが不倫をしてしまった場合で、どうしても離婚をしたいという場合は、なんとしても配偶者を説得する必要が出てきます。裁判で離婚を請求しても、効果がないためです。
   もっとも、裁判所も、どのような場合であっても離婚を認めないというわけではなく、次のような場合には、例外的に離婚を認めるという運用をとっています。

  1.    別居期間が結婚期間中で相当に長いこと
  2.    未成熟の子がいないこと
  3.    離婚によっても、残された家族が過酷な生活に陥らないこと

   以上の3つの点を考慮して、離婚が認められる場合があります。
   これについて、以前は、8年程度の別居が必要だなどと言われ、実際に裁判所もその程度の別居期間がなければ離婚を認めませんでした。しかし、昨今は、この別居期間をより短縮する方向で判断がなされています。特に、平成26年6月12日の東京高裁判決は、有責配偶者からの離婚請求を、2年間の別居期間しかないにもかかわらず認めました。また、平成27年5月21日の札幌家庭裁判所判決は、有責配偶者からの離婚請求を、わずか1年半の別居期間で認めています(婚姻期間自体は18年半)。このような裁判所の趨勢は、今後も注意が必要です。
   この点については、詳しくは「不倫をしても離婚請求が許される時代が到来した!?」をご覧ください。

(2)別居できない期間、生活費を要求され続ける結果に

   以上のように、有責配偶者からの離婚請求が認められないことを利用して、半永久的に生活費を請求し続けられるという事態になる場合もあります。時間が経てばいずれは離婚ができますが、その際は多額の慰謝料を支払わなければなりませんので、経済的な負担は甚大なものとなります。

 以上のように、有責配偶者は現在の運用では非常に不利な立場に置かれています。このことはぜひとも理解しておかれると良いでしょう。

7 そもそもどうして不倫や浮気があるのか

  さて、これまで不倫や浮気がある場合に、どのような手続きが取られるのかを中心に述べてきました。そして、有責配偶者という立場になった場合の経済的な負担についても申し上げました。
  こうした事態になるにもかかわらず、世の中に不倫や浮気はなくなりません。なぜなのでしょうか。むしろ、不倫や浮気を「悪」と決めつけている私達の社会こそに誤解や問題があるのでしょうか。最後に、これについて考えてみましょう。
  アメリカの人類学者で、恋愛学では世界権威とも言えるヘレン・フィッシャー氏は、その著作中で、世界中で共通する統計として、結婚してから4年が離婚のピークであることを論じています。ヘレン・フィッシャー氏は、その理由として次のような点を人類学的な見地から推論しています。
  すなわち、この4年間というのは、子供が身ごもり、産み、育み、ある程度手がかからなくなるまでの期間なのではないかと。
  二足歩行を始めた人類は、その態勢により骨盤を狭くしました。その結果、子を狭くなった骨盤を通れるだけの大きさで産まざるを得なくなります。それにより、人類は子供を未成熟の状態で外界に出す道を選択しました。そうすると、未成熟の子供を守り世話をするため、母親が常に寄り添い抱えていなければなりません。
 この間、母と子の食糧はどうするのでしょうか。それを獲得してくるのが、夫の役目です。夫は、母が子に始終寄り添っていなければならない期間、妻と子を守ります。
 しかし、これはいつまででしょうか。それが、母が子に始終寄り添う必要がなくなる時点、つまり、4年なのではないかと。人間の脳は、子を守る必要があるこの4年間は、相互に愛しあうように形作られているというのです。そして、人類はより多様な子孫を残すことで、生存する能力は高まっていきます。多様な子孫を残すには、同じ異性ではなく、異なる異性と子供を作る必要があります。新たな恋が生まれる原因です。
(詳しくは、「男と女が4年で離婚するには理由がある?」をご覧ください。)

 こうした考えに賛成も反対もあるでしょう。
 しかしながら、男女の愛に終りが来るという現実、そして結婚をしても恋をする能力がなくなるわけではないという事実は、古今東西共通の事実であり、誰も否定できません。
 こうした避けられない事実に社会がどう向き合っていくのか。その姿勢は、離婚という制度の中に、もっとも端的に現れてくるものです。そして、これからもそれに対する社会の姿勢に変化があるたびに、離婚という制度も変化を続けていくことでしょう。

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離婚であなたを守り切る。横浜プロキオン法律事務所
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