DV・モラハラがある場合は別居した方がいい?離婚や親権についての影響は?離婚弁護士が解説

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はじめに

配偶者からのDV(家庭内暴力)やモラルハラスメント(モラハラ)に悩んでいる方にとって、

「別居すべきかどうか」
「別居すると離婚で不利にならないか」
という点は非常に切実な問題でしょう。

さらに、被害の程度によっては、安全確保のための法的手段を検討しなくてはならないケースもあります。

本記事では、DV・モラハラがある場合において、別居することによる離婚や親権への影響、そして安全確保のための制度について解説します。

1 DV・モラハラがある中での同居は、大きなリスクを伴う

まず、DV・モラハラがある状況で、逆に同居を続けることは、次のようなリスクを伴うといえるでしょう。

・強いストレスにより、心身の健康を損なう
・相手の暴力や威圧的言動がエスカレートして時間が経過するにつれて被害が深刻化する
・精神的に追い詰められ、冷静な判断ができなくなる
・子どもが緊張や恐怖のある環境で生活することになり、成長や心理面に悪影響を及ぼす
・第三者から「同居している=問題が深刻ではない」と誤解され、被害が軽視される。

したがって、このようなリスクは直ちに回避するべきとは言えます。
ただ、一方で別居することによるデメリットについても検討する必要があるため、その点について以下でご説明いたします。

2 一方的に別居をしても、離婚において不利になるわけではない

DV・モラハラがあったとしても、一方的に家を出ると離婚で不利になるのではと心配される方は多いです。
しかし、DV・モラハラから身を守るための別居は、正当な行動と評価されます。

そのため、一方的に別居をしたとしても、同居義務違反などと判断されることはないでしょう。
そのため、離婚裁判において、そのことだけで有責配偶者と判断されて不利になることはありません。
同居義務について詳しくは、「婚姻により発生する4つの義務について弁護士が解説!【同居・協力・扶助・貞操義務】」をご覧ください。

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逆に、あなたが離婚したい気持ちが強ければ早く別居した方が良いということになります。
というのも、DV・モラハラなどは、よほどひどい行為が行われた証拠(録音や診断書など)がなければ、それ自体で裁判において法律上の離婚原因となることはないからです。
その場合、裁判で離婚が認められるためには、別居期間が3〜5年必要になるため、早く別居をし、この年数を稼ぐ必要が出てくるということになります。
また、相手の支配や威圧から離れ、冷静に考えられ、調停・訴訟の準備を落ち着いて進められるというメリットもあるでしょう。

3 生活費の問題はどうか

DV・モラハラが原因で一方的に別居した場合、生活費はどうなるでしょうか。
一般的に、別居中の夫婦間では、双方の収入や監護する子どもの数を考慮した算定表に基づき、収入の多い方が少ない方に婚姻費用を支払う義務が生じます。

一方で、別居に至った原因や、婚姻間婚姻関係が破綻した原因が、もっぱら婚姻費用をもらう側にある場合は、信義則違反としてその者は婚姻費用をもらう権利が無くなります。
しかし、あなたに不貞行為などがなければ、DV・モラハラが原因で別居した場合、別居に至った原因がもっぱらあなたにあるということにはならないため、別居をしたとしても、婚姻費用を請求する権利は問題なく認めらます。
具体的には、「勝手に家出をして帰ってこない妻。それでも婚姻費用は支払わないといけない?」をご覧ください。

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したがって、あなたがDV・モラハラを原因として一方的に別居をしたとしても、離婚までの間は配偶者に婚姻費用を請求することで生活費を賄っていくことができます。
ただ、別居後に実家で生活できない場合は、家賃を支払う必要があり、今より住環境は悪くなることもあるので、その点も十分に考慮する必要はあるでしょう。

4 子どもはどうするか

別居の際に子どもを連れていくかは悩ましい問題です。
あなたが、子どもの親権を取りたい場合、子どもを連れていくことは、親権獲得のために重要な監護実績を継続できるというメリットがあります。また、子どもの生活環境を安定させやすいことなどのメリットもあるでしょう。
一方で、子どもを無断で連れていくと相手に「連れ去り」と主張されるリスクもあります。
そのため、お子様をどのようにするかという点については、専門家の判断の上慎重に行うべきでしょう。
具体的には、以下をご覧ください。

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5 危険がある場合は「保護命令」の申立てを検討する

このように、離婚、婚姻費用、親権などで不利にならないと分かっても、別居後、逆上した配偶者が自分を見つけにくることに恐怖を感じる方もいるでしょう。
その場合、DVの内容や程度によっては、裁判所の保護命令を利用することが考えられます。

保護命令とは、DV防止法に基づき、裁判所が加害者に対して一定の行為を禁止・制限する命令です。
具体的には、配偶者があなたやお子様へ接近することを禁止する命令(DV防止法10条1項1号、同条3項)や、配偶者があなたへの電話等の連絡を禁止する命令(DV防止法10条2項)などがあります。
また、配偶者があなたの親族へ接近することを禁止する命令(DV防止法10条4項)や、まだ同居している場合に引越しの準備のため配偶者を退去させる命令(DV防止法10条1項2号)などもあります。

この保護命令について違反があった場合は、刑事罰の対象となるため、十分な抑止力になる上、「命令がある」という事実自体が、被害者にとって大きな心理的安心につながるケースも多くあるでしょう。

そして、保護命令を申し立てたからといって、必ず離婚しなければならないわけではないですし、離婚の交渉や裁判で不利になるということはありません。
むしろDVの存在を客観的に示す事情や、別居や離婚がやむを得ないことを示す事情として、離婚の交渉や裁判であなたにとって有利な証拠となるでしょう。

保護命令を申し立てるにあたっての具体的な流れなどは、「配偶者暴力等に関する保護命令って何?どういう場合に申し立てができるの?」をご覧ください。

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6 まとめ

・DV・モラハラがある中での同居は、被害の深刻化や精神的負担、子どもへの悪影響など大きなリスクがある。
・身を守るための別居は正当な行動であり、一方的に別居しても離婚で不利になることは原則ない。
・別居後も婚姻費用は、収入状況に応じて請求できる場合が多い。
・子どもを連れて別居するかは、親権や「連れ去り」との主張リスクを踏まえ慎重な判断が必要。
・危険がある場合は保護命令を利用でき、接近禁止などで安全確保と法的に有利な証拠につながる。

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 DV・モラハラがある場合、別居や保護命令は、我慢できなかった結果ではなく、自分と家族を守るための正当な選択です。
離婚への影響を過度に恐れて、危険な状況に留まり続ける必要はありません。
一人で抱え込まず、法的な支援を受けながら、安全で将来につながる一歩を検討していきましょう。
DV・モラハラがあるケースでは、別居のタイミングや離婚手続の進め方を誤ると、かえって危険が増すこともあります。
そのため、行動を起こす前に、ぜひ弁護士へ相談してみてください。
状況に応じて、別居・保護命令・調停・訴訟をどの順番で進めるかを整理することで、安全と法的利益の両立を目指す道筋をご提案します。

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