離婚の流れと手続きの基礎知識

【保存版】これで完璧!離婚の流れと手続きに関する基礎知識

4.調停離婚について

 

⑴ 調停離婚とは?

 

もし話し合いがまとまらず(もしくは相手と話し合いができず)、協議離婚を難しい場合は、家庭裁判所を利用した手続き(調停離婚、裁判離婚)を検討することになります。

そして、原則として、いきなり裁判を提起することができず、まずは調停を申し立てなければなりません(調停前置主義)。

 

調停離婚とは、家庭裁判所に調停を申し立て、裁判所から指定された期日に、調停委員という第三者(40から60代の男女のペアです。)を通して、夫婦が離婚をするかしないかや離婚の諸条件について話し合う手続きです。

 

調停では、それぞれ調停委員を通して話し合うことになるので、相手と直接顔を合わせて話あうことはありません。

そして、調停委員という第三者を通して、話し合いをするために、冷静にお互いの利害を調整できます。

そうですから、協議離婚で話し合いがまとまらない場合でも、調停であればまとまることが多いです。

 

そして、調停に際しては、弁護士に代理人を依頼し、調停に同席してもらうことをおすすめします。

代理人を依頼した場合には、弁護士が書面の作成や法律上の主張を行いますし、有利に話し合いを進めるためのノウハウや技術もあるので、相手のペースに巻き込まれずに調停を有利に進めることができます。

詳しくは、「離婚調停は弁護士と臨むべき本当の理由」をご覧ください。

 

⑵ 調停の進行について

 

調停の進行は、通常、下記の流れになります。

家庭裁判所に調停の申立

調停申立書や事実説明書などを作成し、家庭裁判所に提出します。

 

↓1ヶ月半程度

第1回調停期日

初回調停では、最初にご本人に対して、調停の流れや手続きの説明を行います(地方の裁判所では省略する運用をするところもあります。)。

その後、相手方が退席し、申立人側から事情の聞き取りを30分程度行い、相手方側からの聞き取りを30分程度行います。

離婚の合意が可能であれば、調停が成立します。

お互いの意見の相違がある場合には、互いに宿題を出されて(「どういう条件なら離婚できるか考えてきてください。」「財産の一覧表を用意して持ってきてください。」「養育費の計算のために源泉徴収票を持ってきてください。」「年金分割のために、情報通知書を持ってきてください。」など)、第2回期日の日程調整します。

 

↓約1〜2ヶ月程度

第2 回目以降の調停期日

第2回目以降の期日では、話し合いの続きをします。

その後、3回目・4回目と続くこともあります。

 

お互いに合意が形成できれば、調停成立です。

話し合いがまとまらない場合には、調停が不成立となります。

 

不成立の場合には、離婚するためには裁判を提起するしかありません。

別居期間がいまだ短い場合や、離婚原因が認められない見込みの事案では、裁判を提起せず、別居を継続するということもあります。

 

なお、調停委員は中立公正な立場で、どちらかに肩入れをすることはありません。

ただし、実際に調停に参加された方からは、「調停委員がまるで妻の味方のようだった。」「調停委員が不公平だった。」という不満の声が散見されます。

その理由については、「離婚調停でなんだか調停委員が妻の味方みたい・・・それには理由があるんです。」をご覧ください。

 

⑶ 調停の合意

 

調停で話し合いがまとまると、調停条項を相互に確認します。

そして、調停条項に双方合意できるのであれば、当事者双方を調停室に集めて、裁判官が調停条項を読み上げ、お互いに確認して、調停が成立します。

調停が成立すると、後日、調停条項の内容を記載した「調停調書」が作成され、当事者双方に送付されます(郵送または裁判所での受け取り。)。

 

調停調書の内容は、下記のようなものになります。

1.申立人と相手方は、本日、調停離婚する。

2.当事者間の長男○○(平成25年1月1日生)(以下、「長男」という。)の親権者を母である申立人と定め同人において監護養育する。

3.相手方は、申立人に対して、長男の養育費として月額3万円を平成27年10月から同人が満20歳に達する日の属する月まで、毎月末日限り、○○銀行○○視点の申立人名義の普通預金口座(口座番号○○○○○○○)に振り込んで支払う。

4.申立人は、相手方が長男と面会交流することを認め、その日時、場所及び方法等については、子の福祉に配慮し、当事者双方で協議して定める。

5.当事者双方は、本件離婚に際し、本調停条項に定めるほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する。

 

調停の成立により、法律上、夫婦は離婚することになります。

 

ただし、戸籍に反映させるために、原則として調停の申立人が、調停成立の日から10日以内に離婚届を調停調書謄本を添えて提出する必要が有ります。

この場合、相手方の署名押印は不要です。

また、年金分割の合意を調停で定めた場合には、調停成立から2年以内に年金事務所で年金分割請求の手続きをしなければなりません。

 

そして、調停調書があれば、万一、相手が約束を破りお金を支払わなかった場合でも、公正証書と同様に相手の財産を強制執行することができます。

さらに、面会交流について詳しく定めていれば、相手が面会交流の約束を守らない場合には、間接強制といって罰金のようなものを支払うよう求めることができます。

 

⑷ 審判離婚

 

家庭裁判所は、調停が成立しない場合でも、調停委員の意見を聴き、当事者双方のため衡平に配慮し、一切の事情を考慮して、離婚の審判をすることができます。

これを審判離婚と言います。

 

審判離婚が成立すれば、調停不成立になった場合でも、裁判を経ずに離婚をすることができます。

 

しかし、審判離婚は実務上はほとんど使われていません。

なぜなら、審判があった日から2週間以内に当事者のどちらかから異議申立があった場合には失効し、審判がなかったことになってしまいます。

そのため、当事者間の対立が大きい事案や、そもそも離婚の合意がない事案などでは、審判離婚したとしても、異議申立がされてしまうおそれが大きいため、裁判所も審判を出すことに消極的なのです。

 

実務上は、離婚の合意ができたが、当事者の一方が調停に出席することができない事情があるときなどに審判離婚が利用されています。

 

次ページで裁判離婚について解説!

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