【保存版】これで完璧!離婚の流れと手続きに関する基礎知識

離婚であなたを守り切る。横浜プロキオン法律事務所
離婚の流れと手続きの基礎知識

目次

1.はじめに

2.離婚する方法概観について

(1)絶対抑えるべきポイントとは?

(2)協議離婚・調停離婚・裁判離婚

(3)家庭裁判所と弁護士

3.協議離婚について

(1)協議離婚とは?

(2)離婚協議書について

(3)離婚公正証書の作成

4.調停離婚について

(1)調停離婚とは?

(2)調停の進行について

(3)調停の合意

(4)審判離婚

5.裁判離婚について

(1)裁判離婚とは?

(2)離婚原因について

(3)和解離婚

6.離婚と弁護士

(1)弁護士に依頼するメリット・デメリット

(2)良い離婚弁護士の選び方

1.はじめに

 離婚ー
 できる限り、人生で避けたい出来事ではありますが、今や日本は、年間25万組のカップルが離婚する「離婚大国」です。
 すなわち、結婚するカップルのおよそ3組に1組が離婚し、およそ2.1秒に1組のカップルが離婚している割合です。
 しかし、「離婚は結婚の3倍の労力を使う。」とも言われるくらい、離婚は精神的な負担も大きく、手続もめんどくさいもの。
 本ページでは、離婚の手続の流れや、絶対に抑えてほしいこと、それと離婚手続をとる場合お世話になることもある裁判所や弁護士について、離婚専門弁護士が解説いたします。

2.離婚する方法概観について

(1)絶対抑えるべきポイントとは?

 まず、離婚するために、一番大事な絶対に抑えなければいけないことをお教えします。
 離婚をするためには、

  • 相手方の同意
  • 法律上の離婚原因

のどちらかが必要になります。
 そして、不倫をするなどして婚姻関係の破綻を招いた「有責配偶者」は、原則として離婚請求が認められません。ただし、未成年の子供がいない+別居期間が相当長期+離婚に際して相手に十分な経済的給付を行うなどといった事情があれば、例外的に離婚できます。

 現在の状況を抑えるために、下記の質問に答えてみてください。
 ア 同意の有無
   配偶者の方は離婚に同意していますか?
   はい →あなたの状況は”A”です。
   いいえ→イに進んでください。
 イ 有責配偶者
 (ア)あなたは現在もしくは過去に不倫をしていて、不倫の証拠を配偶者の方に握られていますか?
    はい →(イ)に進んでください。
    いいえ→ウに進んでください。
 (イ)あなたには未成年の子供がいますか?
    はい →あなたの状況は”C”です。
    いいえ→(ウ)に進んでください。
 (ウ)10年以上の長期の別居期間はありますか?
    はい →ウに進んでください。
    いいえ→あなたの状況は”C”です。
 ウ 離婚原因
 (ア)相手に下記のような事情はありますか?
    不倫(性交渉あり。証拠あり。)
    3年以上の生死不明
    強度の精神病
    はい →あなたの状況は”B”です。
    いいえ→(イ)に進んでください。
 (イ)5年以上の別居期間はありますか?
    はい →あなたの状況は”B”です。
    いいえ→あなたの状況は”C”です。

回答
A あなたは協議離婚または調停離婚で離婚できる可能性があります。
B あなたには離婚原因が認められる可能性があるので、裁判離婚で離婚できる可能性があります。もちろん、相手との交渉次第で、協議離婚・調停離婚で離婚できる可能性もあります。
C あなたには離婚原因が認められないので、裁判離婚では離婚することは難しいでしょう。そのため、相手と協議・調停の場で交渉して、相手の合意を取得する必要が有ります。

 いかがでしたでしょうか。
 詳しくは、下記で解説いたします。

(2)協議離婚・調停離婚・裁判離婚

 日本には、大きく分けて、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つの制度があります。
 そして、各制度がどのように異なるかというと、

<家庭裁判所の関与ナシ・当事者の合意アリ>
・協議離婚・・・当事者夫婦の合意と離婚届けの提出のみで成立する離婚。

<家庭裁判所の関与アリ・当事者の合意アリ>
・調停離婚・・・家庭裁判所の調停手続きで、当事者夫婦が合意して成立する離婚。家庭裁判所に調停を申し立てて、調停委員という第三者を通して話し合いを行いますが、あくまで当事者間の合意が必要というのがポイントです。

<家庭裁判所の関与アリ・当事者の合意ナシでも離婚可能性アリ>
・裁判離婚・・・調停が不成立になった場合、裁判を提起すれば、法律上の離婚原因(不貞行為、悪意の遺棄、生死不明3年以上、強度の精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由)があるとき、相手の同意ナシでも離婚が認められます(判決離婚)。法律上の離婚原因さえ裁判所に認められれば、当事者の合意すら不要というのが協議離婚・調停離婚との大きな違いです。
 なお、各手続きの違いなどについては、「協議離婚・調停離婚・和解離婚・裁判離婚・・・違いをすごく分かりやすく解説!」をご覧ください。
 

(3)家庭裁判所と弁護士

 調停離婚や裁判離婚の場合には、家庭裁判所に調停・裁判という手続きが行われることになります。
 この家庭裁判所とは、家庭に関する事件の審判(家事審判)及び調停(家事調停)、訴訟(人事訴訟)などの権限を有する裁判所で、通常、各都道府県の地裁所在地に設置されています。
 家庭裁判所は、家庭に関する事件を取り扱っているので、離婚以外にも、氏名の変更、性別の変更、養子などの審判、それと少年事件(少年審判)も取り扱っています。
 家庭裁判所における家事審判や調停などは、プライバシー保護のため非公開で行われます。

 また、家庭裁判所には、裁判官のほかに、家庭裁判所調査官という教育学や児童心理学のプロフェッショナルがいます。子供の親権や面会交流の絡む問題では、家庭裁判所調査官が子供の精神状態や監護状況を調査して、調停・審判・裁判などの手続きにフィードバックすることもあります。
 家庭裁判所調査官について詳しくは、「面会交流や親権・監護権などに大きな影響のある調査官調査ってナニモノ?」をご覧ください。
 
 それと、離婚に関しては、弁護士に対して相談したり、代理人として依頼をすることも可能です。
 よく、「離婚に強い弁護士」「離婚専門弁護士」などという広告を目にするかもしれませんが、弁護士には専門医制度のような専門を認定する制度はありません。
 弁護士は法律事務であれば全て行うことができるので、理屈から言えば、どの弁護士も離婚事件を処理することができます。
 ただし、弁護士経験うん十年でも離婚事件は取り扱ったことのない弁護士もいますし、若くても豊富な離婚事件経験がある弁護士もいます。
 そうですから、弁護士を選ぶ際にも、弁護士の経験値は千差万別です。

 さらに、実際に依頼を受け代理人として活動できるのは法律上弁護士に限られます。
 そのため、隣接士業(行政書士、司法書士)などに離婚相談する際には、注意が必要です。
  

3.協議離婚について

(1)協議離婚とは?

 協議離婚とは、当事者夫婦が離婚に合意して、役所に離婚届を提出して成立する離婚手続きです。
 日本では9割程度が協議離婚です。一般の方が想像する最もポピュラーな離婚の形態だと想います。

 協議離婚では、離婚に伴う子供のこと(親権、面会交流、養育費)やお金のこと(財産分与、慰謝料、年金分割)について全て当事者間の話し合いで決めなければなりません。
 もちろん、役所は離婚届に記載事項がちゃんと書かれているか形式的にチェックするだけですので、子供のことやお金のことについては基本的に関与しません(ただし、親権者については離婚届に記載が必要ですので、親権者の記載がないと離婚届提出は受理されません。)。
 そのため、当事者間でしっかりと話し合いをした上で、本来協議離婚をする必要があるのです。
 ただし、実際には、これらの離婚条件についてはしっかりと話し合いをしているケースは稀で、
・子供と一緒に暮らすことを諦めてしまう。
・養育費の金額が相場よりも安い(もしくは高い)。
・本来もらえるはずの慰謝料、財産分与をもらえていない。
・年金分割をした場合年金が高額になるはずなのに、年金分割をしていない。
などどちらか一方が損をしているケースが多いように見受けられます。

 なお、協議離婚でも、相手と話し合いが進まなない場合には、弁護士に依頼をして、弁護士がお客様の代わりに離婚の諸条件について交渉をすることが可能です。
 弁護士に依頼や相談をした場合には、その弁護士の専門知識や経験を借りることができるので、依頼前より有利に解決できるケースが多いです。

 今後離婚に向けたお話し合いをするのであれば、「離婚に向けた交渉をする際に守るべき7つのルール」をご覧ください。
 また、突然妻から離婚を切り出されて動揺している方は、「妻から離婚を切り出されたら?必ずチェックするべき3つのポイント」 をご覧ください。

(2)離婚協議書について

 協議離婚に際して、子供のことやお金のことで合意ができた場合には、のちのトラブルを防ぐために、離婚協議書を作成することをおすすめします。
 離婚協議書とは、離婚の諸条件(子供のこと、お金のこと)を書面にまとめて、双方が署名・押印して、契約の形をとるものです。
 離婚協議書は契約なので、離婚の諸条件について合意をしたという強い証拠になります。また、万一、相手が約束した慰謝料を支払わなかったり、養育費が滞ったりした場合には、離婚協議書を根拠にして相手に請求することができます。
 離婚協議書を作成しない場合、あくまで口約束になってしまうので、後日トラブルになったときに、言った言わないの水掛け論になってしまったり、ひどいときにはそんな約束はしていないと噓を付かれてしまうこともあります。
 ぜひ、協議離婚の場合でも、あなたの権利を守るために、離婚協議書を作成することをおすすめします。
 
 なお、弁護士が代理人として協議離婚の交渉をする場合には、後日のトラブルを防ぐため、必ず離婚協議書は作成します。

(3)離婚公正証書の作成

 もし、あなたが養育費や財産分与・慰謝料などお金をもらう側であれば、離婚協議書から一歩進んで、ぜひ「離婚公正証書」を作成することを強くおすすめします。
 離婚公正証書とは、離婚の諸条件について、公証役場で法律の専門家である公証人が作成する公文書です。
 公証人が、離婚公正証書の内容を夫婦双方の前で読み上げて確認し、夫婦双方が署名押印し、公証人も署名することによって、離婚公正証書が作成されます。
 ご夫婦双方には公正証書の「正本」がそれぞれ渡されますが、公正証書の「原本」は公証役場が長期間にわたって保存します。
 
 離婚公正証書を作成した場合には、仮に相手が約束を破ってお金を支払わなかったり、養育費の支払いを怠った場合には、裁判所を通さずに、相手の財産(勤務先からの給与や、不動産・預金など)を差し押さえすることができるという強力な効果があります。
 通常は裁判所に訴訟を提起するなどして、裁判所の「お墨付き」をもらわなければなりません。
 離婚公正証書の場合には裁判所を通さずに相手の財産を差し押さえできる点で、単なる離婚協議書と比べ、その効果は絶大です。
 しっかりとお子様の養育費を確保するためにも、協議離婚の場合には離婚公正証書を作成することをおすすめします。
 
 離婚公正証書について詳しくは、「知らなきゃ損?!離婚するときって公正証書を作らなきゃいけないの?」をご覧ください。

4.調停離婚について

(1)調停離婚とは?

 もし話し合いがまとまらず(もしくは相手と話し合いができず)、協議離婚を難しい場合は、家庭裁判所を利用した手続き(調停離婚、裁判離婚)を検討することになります。
 そして、原則として、いきなり裁判を提起することができず、まずは調停を申し立てなければなりません(調停前置主義)。

 調停離婚とは、家庭裁判所に調停を申し立て、裁判所から指定された期日に、調停委員という第三者(40から60代の男女のペアです。)を通して、夫婦が離婚をするかしないかや離婚の諸条件について話し合う手続きです。
 調停では、それぞれ調停委員を通して話し合うことになるので、相手と直接顔を合わせて話あうことはありません。
 そして、調停委員という第三者を通して、話し合いをするために、冷静にお互いの利害を調整できます。
 そうですから、協議離婚で話し合いがまとまらない場合でも、調停であればまとまることが多いです。
 
 そして、調停に際しては、弁護士に代理人を依頼し、調停に同席してもらうことをおすすめします。
 代理人を依頼した場合には、弁護士が書面の作成や法律上の主張を行いますし、有利に話し合いを進めるためのノウハウや技術もあるので、相手のペースに巻き込まれずに調停を有利に進めることができます。
 詳しくは、「離婚調停は弁護士と臨むべき本当の理由」をご覧ください。
 

(2)調停の進行について

 調停の進行は、通常、下記の流れになります。
 
・家庭裁判所に調停の申立
 調停申立書や事実説明書などを作成し、家庭裁判所に提出します。
 ↓1ヶ月半程度
・第1回調停期日
 初回調停では、最初にご本人に対して、調停の流れや手続きの説明を行います(地方の裁判所では省略する運用をするところもあります。)。
 その後、相手方が退席し、申立人側から事情の聞き取りを30分程度行い、相手方側からの聞き取りを30分程度行います。
 離婚の合意が可能であれば、調停が成立します。
 お互いの意見の相違がある場合には、互いに宿題を出されて(「どういう条件なら離婚できるか考えてきてください。」「財産の一覧表を用意して持ってきてください。」「養育費の計算のために源泉徴収票を持ってきてください。」「年金分割のために、情報通知書を持ってきてください。」など)、第2回期日の日程調整します。
 ↓約1〜2ヶ月程度
・第2 回目以降の調停期日
 第2回目以降の期日では、話し合いの続きをします。
 その後、3回目・4回目と続くこともあります。
 ↓
・お互いに合意が形成できれば、調停成立です。
・話し合いがまとまらない場合には、調停が不成立となります。
 不成立の場合には、離婚するためには裁判を提起するしかありません。
 別居期間がいまだ短い場合や、離婚原因が認められない見込みの事案では、裁判を提起せず、別居を継続するということもあります。
 
 なお、調停委員は中立公正な立場で、どちらかに肩入れをすることはありません。ただし、実際に調停に参加された方からは、「調停委員がまるで妻の味方のようだった。」「調停委員が不公平だった。」という不満の声が散見されます。
 その理由については、「離婚調停でなんだか調停委員が妻の味方みたい・・・それには理由があるんです。」をご覧ください。

(3)調停の合意

 調停で話し合いがまとまると、調停条項を相互に確認します。
 そして、調停条項に双方合意できるのであれば、当事者双方を調停室に集めて、裁判官が調停条項を読み上げ、お互いに確認して、調停が成立します。
 調停が成立すると、後日、調停条項の内容を記載した「調停調書」が作成され、当事者双方に送付されます(郵送または裁判所での受け取り。)。
 
 調停調書の内容は、下記のようなものになります。
 1.申立人と相手方は、本日、調停離婚する。
 2.当事者間の長男○○(平成25年1月1日生)(以下、「長男」という。)の親権者を母である申立人と定め同人において監護養育する。
 3.相手方は、申立人に対して、長男の養育費として月額3万円を平成27年10月から同人が満20歳に達する日の属する月まで、毎月末日限り、○○銀行○○視点の申立人名義の普通預金口座(口座番号○○○○○○○)に振り込んで支払う。
 4.申立人は、相手方が長男と面会交流することを認め、その日時、場所及び方法等については、子の福祉に配慮し、当事者双方で協議して定める。
 5.当事者双方は、本件離婚に際し、本調停条項に定めるほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する。

 調停の成立により、法律上、夫婦は離婚することになります。
 ただし、戸籍に反映させるために、原則として調停の申立人が、調停成立の日から10日以内に離婚届を調停調書謄本を添えて提出する必要が有ります。この場合、相手方の署名押印は不要です。
 また、年金分割の合意を調停で定めた場合には、調停成立から2年以内に年金事務所で年金分割請求の手続きをしなければなりません。
 
 そして、調停調書があれば、万一、相手が約束を破りお金を支払わなかった場合でも、公正証書と同様に相手の財産を強制執行することができます。
 さらに、面会交流について詳しく定めていれば、相手が面会交流の約束を守らない場合には、間接強制といって罰金のようなものを支払うよう求めることができます。
 

(4)審判離婚

 家庭裁判所は、調停が成立しない場合でも、調停委員の意見を聴き、当事者双方のため衡平に配慮し、一切の事情を考慮して、離婚の審判をすることができます。これを審判離婚と言います。
 審判離婚が成立すれば、調停不成立になった場合でも、裁判を経ずに離婚をすることができます。
 しかし、審判離婚は実務上はほとんど使われていません。
 なぜなら、審判があった日から2週間以内に当事者のどちらかから異議申立があった場合には失効し、審判がなかったことになってしまいます。
 そのため、当事者間の対立が大きい事案や、そもそも離婚の合意がない事案などでは、審判離婚したとしても、異議申立がされてしまうおそれが大きいため、裁判所も審判を出すことに消極的なのです。
 実務上は、離婚の合意ができたが、当事者の一方が調停に出席することができない事情があるときなどに審判離婚が利用されています。
 

5.裁判離婚について

(1)裁判離婚とは?

 裁判離婚とは、調停が不成立になった場合に、当事者の一方が、裁判所に対して配偶者との離婚を求めて、訴訟(人事訴訟)を提起するものです。
 ただし、裁判で離婚が認められるためには、下記の離婚原因が必要になります。

 ①不貞行為
 ②悪意の遺棄
 ③生死不明3年以上
 ④強度の精神病
 ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由

 さらに、裁判所は、①〜④の離婚原因があるときでも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができます。
 
 裁判所が訴訟を審理した結果、これらの離婚原因を認め、離婚相当と認めるときは、判決で離婚が命じられ、相手方の同意がなくても離婚することができます(判決離婚)。

 離婚の裁判は、訴訟手続きなので、管轄の家庭裁判所に対して訴状を提出し、月に1回程度指定される口頭弁論期日に出頭し、準備書面で法律的な主張をしたり、証拠を提出したりして、審理を行います。
 場合によっては、証人尋問を行います。
 このように、訴訟手続きは複雑で精密であるため、長期に及びがちであり、訴訟提起から解決までの期間は、最低でも10ヶ月程度、平均して1年程度、長い場合には数年に及ぶこともあります。
 
 離婚裁判は、複雑で専門知識が必要になるため、弁護士に依頼されることをおすすめします。
 弁護士に依頼すれば、口頭弁論期日の出頭も弁護士が代理して行うので、ご本人様が出頭する必要はありません。
 ただし、和解成立時や、証人尋問時にはご本人に出頭していただく必要があります。

(2)離婚原因について

 それでは、法律の定める離婚原因について具体的に見ていきましょう。
 
・不貞行為
 不貞行為とはいわゆる不倫であり、配偶者以外の方と性的関係を結ぶことを言います。
 不倫に関しては、証拠が非常に重要になります。
 
 不倫については、別記事で詳しく解説していますので、「これさえ知っておけばもう完璧!不倫・浮気に関する基礎知識」 をご覧ください。

・悪意の遺棄

 悪意の遺棄とは、正当な理由なく民法752条の同居・協力・扶助義務を履行しないことを言います。
 ただし、単に別居している、同居に応じないというだけでは、この「悪意の遺棄」が認定されることはほぼありません。
 なぜなら、夫婦が別居する場合(一方が無断で別居を強行した場合も含む。)には、必ず何らかの別居の理由や事情があり、別居を強行した側もいろいろと裁判所に言い訳をするので、「正当な理由のない」ものとは認定され難いからです。
 
・3年以上の生死不明

 文字通り、3年以上生存も死亡も確認できない状況が現在まで続いていることを言います。
 こちらも認められる例は非常に少ないです。

・強度の精神病

 強度の精神病とは、精神障害の程度が、夫婦の共同生活を達成できないほどに達している場合を言います。
 強度の精神病と認定されるためには前提として専門医の鑑定が必要であり、その認定はハードルが高いといえます。
 さらに、判例は、夫婦の一方が不治の精神病にかかった場合でも「病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込みがついた上でなければ、…離婚の請求は許されない」(最判昭和33年7月25日民集12巻12号1283頁)と判示し、強度の精神病のほか、「具体的方途の見込み」がなければ離婚請求は認められないという方向を示しています。
 そのため、実際に裁判で離婚原因として強度の精神病を主張する場合には、相当にハードルが高いです。
 実務的には、④「強度の精神病」が離婚原因として認められない場合でも、様々な事情を考慮して、⑤「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められるとして離婚請求が認められることもあります。
 
・その他婚姻を継続し難い重大な事由

 こちらは①〜④以外の一切の事情を総合して、婚姻関係が破綻しているかどうかにより判断されます。
 特に、実務的には、別居期間が非常に重要であり、別居期間が5年以上の長期に及んでいる場合には、夫婦の婚姻関係は破綻しているとして「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められる傾向にあります。
 婚姻を継続し難い重大な事由として認定されている例があるのは

  •  暴行・虐待
  •  重大な病気・障害
  •  宗教活動
  •  勤労意欲の欠如
  •  犯罪行為・服役
  •  性交不能・性交拒否
  •  親族との不和

など多岐にわたります。
 なお、性格の不一致も婚姻を継続し難い重大な事由としてよく主張されますが、長期の別居期間がある場合などを除き、離婚原因として認定されることは稀です。
 性格の不一致が原因で離婚を考えているのであれば、早めに別居などを進める方が良さそうです。
 
 別居を始める際の注意事項については、「夫と離婚したい!離婚を検討中のあなた。別居するときの大切なポイント3つ」をご覧ください。
 また、別居後の生活に関しては、「妻と別居したら早くに見つけておくべきこと3つ!」をご覧ください。

(3)有責配偶者(不倫をした側)の離婚請求

 不倫をした側など自ら婚姻関係の破綻を招いてしまった者(有責配偶者)は、原則として、離婚請求が認められません。
 ただし、例外として、

 ①別居期間が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと
 ②夫婦間に未成熟子が存在しないこと
 ③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状況におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと

という3要件がある場合には、離婚請求が認められます。
 おおむね、①の別居期間は10年程度が基準と言われてきましたが、最近の判例では徐々に緩和する傾向もうかがえます。詳しくは「不倫をしても離婚請求が許される時代が到来した!?」をご覧ください。

(4)和解離婚

 離婚裁判を提起して、判決離婚に至らなくとも、裁判の手続きの中で離婚条件などに合意して和解して離婚成立させることも可能です。これは和解離婚と言います。
 和解離婚の場合も、調停離婚と同様に、和解調書が作成されます。
 
 和解調書も調停調書同様、相手の財産を強制執行することができます。
 

6.離婚と弁護士

(1)弁護士に依頼するメリット・デメリット

 離婚・男女問題に関して、弁護士がお手伝いできることは大きく分けて

  • 法律相談
  • 代理人業務(協議、調停、裁判のいずれの段階でも活動できます。)

の2つがあります。

・弁護士との法律相談
…30分から1時間かけて、弁護士がお客様の話を伺い、法律上の見通しや相場、今後有利に進めるためのアドバイスや代理人業務を依頼した場合の費用の見積もりを行います。

<メリット>

  • 法律上の相場や見通しがわかるので、慰謝料や財産分与など請求を見落して損をすることがなくなる。
  • 弁護士の知識や経験から、今後どのように進めれば、最大限有利に話をすすめられるのかアドバイスを受けることができる。
  • 代理人業務を依頼した場合の費用見積もりを知ることができる。
  • 弁護士によっては、無料で相談をすることができる。

<デメリット>

  • 弁護士によっては、30分5000円程度の相談料がかかる場合がある。
  • 代理人業務を依頼しない場合には、自分が直接相手と離婚の交渉をしなければならない。

 なお、弁護士との初めての相談にあたっては、「初めての弁護士との法律相談・離婚相談を充実させるポイント2つ!」をご覧ください。
 
・代理人業務
…弁護士がお客様の代わりに、相手と交渉したり(協議段階)、調停の申し立て書類の作成・提出・裁判所との調整、調停への同席や書面・証拠の作成(調停段階)、訴状など書類の作成・提出・裁判所との調整、訴訟への出頭や書面・証拠の作成、証人尋問などの対応(訴訟段階)などとトータルでサポートします。

<メリット>

  • 弁護士がお客様の代理人となって交渉の窓口になるので、相手と直接話合わないで済む。一度も顔を見ないで離婚することも可能。
  • 不誠実な対応をしていた相手でも、弁護士がつくと態度が変わる。
  • 弁護士の専門知識や経験を借りて、交渉・調停・裁判いずれの段階でも有利に進めることができる。特に、相手に弁護士がついた場合には、丸め込まれないためにこちらも弁護士をつけることを強くおすすめします。
  • 訴訟など代理で弁護士が出頭してくれるので、基本的に裁判所に行く必要がない。普段通りの生活を続けることができる。
  • 弁護士が相手に財産分与や慰謝料・養育費など適正な金額を請求をするので、弁護士費用を考えても経済的にプラスになることも多い。

<デメリット>

  • 費用がかかる。一般的に、協議・調停段階では60万円程度、裁判段階では80万円程度の費用がかかります。ただし、相手から受け取る金額によっては、かえって経済的にプラスになることもあります。
  • 離婚事件に慣れていない弁護士に依頼した場合には、費用ばかりかかって、有利に進められないケースも。

(2)良い離婚弁護士の選び方

 それでは、良い弁護士を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか?
 そのためには、まず初回の法律相談に行ってみることをおすすめします。
 そこで、

  • 説明がわかりやすいか。親切か。
  • 専門用語も噛み砕いて説明してくれるか。
  • 態度が傲慢だったり、偉そうにしていないか。
  • こちらが質問したことにしっかりと回答してくれるか。知識や経験不足な面はないか。
  • 頭の回転が早いかどうか。
  • 事務所が職場や自宅に近いかどうか。
  • 人間的に相性が合うかどうか。

などをチェックしてみましょう。
 弁護士としてもお客様から事件の依頼を受けるにあたっては、相互に信頼関係が重要になります。
 ぜひ、法律相談をうまく活用して自分に合う弁護士を探しましょう。
 
 弁護士の探し方・見分け方については、「こんな弁護士は危ない?!避けるべき弁護士の見分け方ポイント3つとは??」「コジラセ弁護士に当たらないために、賢い離婚弁護士の選び方とは?」をご覧ください。

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弁護士 荒木 雄平(あらき ゆうへい)

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