結婚時に、将来の離婚に備えるのは不謹慎?婚前契約であなたの財産を守る方法

離婚であなたを守り切る。横浜プロキオン法律事務所
今回の記事は、特に、結婚を間近に控えている男性に読んでほしいと思います。

1 お金の負担が大きくのしかかる離婚

結婚をすると、順調にいくケースと、離婚へ向かうケースとに分岐されていきます。

離婚へ向かうケースといっても、多岐に渡りますし、その期間も様々なものですが、多くのケースでは、同居中、コミュニケーションがなくなり、その後別居。そして離婚への話し合いへと進んでいきます。

別居となると、生活費(婚姻費用)を妻に払わねばなりません。内縁であれば、別居と同時に内縁解消とみなされることが通常ですので、その必要はありません。しかし、婚姻によりあなたの戸籍に妻がいれば、共に暮らしていなくとも、生活費を援助しなければなりません。

また、離婚の時点では、これまで自分が汗水垂らして築き上げた財産の半分を妻に持っていかれます。最近は、それに加えて年金も分割され、老後の生活水準にも影響が出ます。お金的にははなはだ尋常ならぬ負担が生じるのが、この離婚というものです。

2 婚前契約とは??

それでは、こうした生活費の支払いや財産分与というものをしなくても良い方法はないのでしょうか。

実は、あります。ただし、結婚前にしなければなりません。

それが、「婚前契約」というものです。

欧米では一般的なのですが、結婚を男女間の契約というより、男女の人格の結合に準じて考えがちな日本では、あまり知られていません。

専門家でもあまり分かっていない方々が多いのですが、これは、結婚前になされた契約であればよく、特に登記などの面倒な手続が必要になるわけではありません。

確かに、民法では、登記をしなければ第三者に対抗することができない、と書かれています。

しかし、財産分与に関して第三者が関係してくることはほとんどないと言ってよいでしょう。

そして、当然、登記をしなくても、夫婦間では有効であることに変わりはありません。

3 こんな婚前契約はいかが?

そこで、例えば、婚姻前に、書面でこんなことを書いてみるのはいかがでしょうか。

(書面にする必要があるのは、口頭だとそういう取り決めをしたことが証拠に残らないからです。)

1  これから、お互い仲良く、一緒に居続けよう

2  ケンカをしても、先に謝るよう心掛けよう

3  浮気は絶対にしないと、ここに誓約しよう

4  残念なことに別居となってしまう場合は、自分の生活は自分で責任を持とう

5  残念なことに離婚となってしまう場合は、それぞれの名義の財産は、それぞれが承継しよう

こんなものでも効果は抜群です。

1、2、3は法的にはほとんど意味はありません。が、4と5だけ持ち出してフィアンセに見せても、サインしてくれるとはとても思えませんよね。

これで、別居時点で生活費の負担は原則として不要になりますし、離婚時に財産分与する必要もなくなります。

ただし、2人の署名は忘れないようにしてくださいね。誰と誰との取り決めなのかがわかるようにさせるためです。また、書面は二つ作って、それぞれがご実家などに保管しておくと良いでしょう。

現在の結婚制度では、①貞操義務、②別居時の婚姻費用負担義務、③離婚時の財産分与義務があるために、結婚にさほどメリットがないとも思う男性が多いのも事実です。

そのため、結婚したがらない青年たちはますます増えることでしょう。

結婚前に、こうした婚前契約を締結するという方法が広く知られること、婚前契約を締結することに対する抵抗感がなくなっていくこと、そして婚前契約の締結が実際に定着して行くことを願ってやみません。結婚制度は、私たちの幸福のためにあるはずのものです。敬遠される制度であってはならないと思います。また、少子化や高齢社会対策につながることは言うまでもないでしょう。

今のところ納得のできない部分も多い結婚制度。しかし、自ら納得いく制度に変えられる。それが、婚前契約の力です。

無料離婚相談の流れ

《弁護士のホンネ》

この婚前契約、日本では毎年数件しか使われていないなどと言われていますが、それは、あくまでも婚前契約が法務局で登記された件数を指しています。したがって、登記していない婚前契約(本文にも書かれているように、当然、夫婦間では有効です!)は実際にはもっと利用されている可能性があります。私も弁護士としてお客様からそのようなご相談をお受けすることがあります。ただ、件数自体が少ないのは間違いなく、そのために婚前契約に関する裁判例も圧倒的に少ないのです。ですので、どの程度の取り決めであれば有効で、どこまで極端な取り決めだと無効になってしまうのかについては、その判断が曖昧にならざるを得ない状況が続いています。ただし、昨今は共働きも多く、女性の就業も開放されている世の中ですから、本文に挙げた程度の取り決めであれば、有効なものといえるでしょう。
3組に1組が離婚する時代です。離婚時のリスク回避の必要は、あらゆる保険よりも高いといえるかもしれません。

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