不倫をして出て行った妻。それでも婚姻費用を払わなければいけない!?

離婚であなたを守り切る。横浜プロキオン法律事務所
今回は、主に男性(夫)向けの記事になります。

1 妻の不倫から別居へ

残念なことに、妻の一方的な身勝手により別居になったにもかかわらず、夫の離婚請求に対しては応じない一方で、別居期間中の婚姻費用(生活費)を平気な顔で請求してくる妻が中にはいます。夫にとっては非常に屈辱的なことと言えるでしょう。

大抵の場合、別居にはその前兆があります。夫婦仲が冷めて会話がなくなり居心地が悪くなった。妻が職場や家庭内でのストレスに耐え切れず精神的に参ってしまい、家でも妻の精神が常に不安定な状況になり、夫にとっても家庭が安らぎの場所ではなくなった。あるいは、妻が不倫に走り、ラブホテルの名前が入ったライターや割引券などを発見してしまい、妻を信用できなくなってしまったなどなど。

いずれにしても、別居自体は突然始まります。
ある日、あなたが仕事から帰ると、テーブルに置き手紙が置かれている。
「申し訳ありませんが、もう、あなたとうまくやっていく自信がありません。本日より別居をさせていただきます。住所についてはしかるべき時が来たらお知らせいたします。」

この、「あなたとうまくやっていく自信がありません」という言葉。このような、夫に問題があるかのような言い方は、妻の不倫など、妻側に明白な原因がある場合においても、使われることが良くあります。つまり、往々にして、妻は、自分の行動が別居の直接の原因であっても、「自分は悪くない」、「私は被害者だ」という根本的なスタンスをぬぐいきれないことが多いのです。

いずれにせよ、別居は突然やってきます。
そして、別居になった場合でも、通常、夫にはある義務があります。
それは、扶養義務。つまり、生活費を渡さないといけないというものです。

2 生活費(婚姻費用)という不都合な真実

あなたに、不都合な真実をお伝えしなければなりません 。
それは、生活費を渡さないといけない義務(婚姻費用分担の義務)は、妻が不倫などをして別居になった場合でも、引き続き発生し続けるということです。別居やその後の離婚の責任が妻にある場合であっても、それは慰謝料などの問題に帰するのであり、夫婦が婚姻期間中に協力し合う義務というのは、戸籍上夫婦である限り無くならないのです。
常識的に考えても非常に納得がいかないと感じる方は多いでしょう。
しかし、裁判所では、原則としてそのように取り扱われています。

それでは、不遇にも不倫をされて別居となった夫は、もはや泣き寝入りをするしかないのでしょうか。

3 裁判所の判断は?

一つ、私たちの希望となりうる裁判例があります。
昭和58年12月16日に東京高裁が判断したものです。

「夫婦の一方が他方の意思に反して別居を強行し、その後同居の要請にも全く耳をかさず、かつみずから同居生活回復のための真摯な努力を全く行わず、そのために別居生活が継続し、しかも右別居をやむを得ないとするような事情が認められない場合は、…少なくとも自分自身の生活費にあたる分についての婚姻費用分担請求は権利の濫用として許され」ない

と判断されました。

その他、平成17年3月15日に福岡高裁が判断したものに、次のようなものがあります。

「X(妻)は有責配偶者であり、そのX(妻)が婚姻関係が破綻したものとしてY(夫)に対して離婚訴訟を提起して離婚を求めるということは、一組の男女の永続的な精神的・経済的及び性的な紐帯である婚姻共同生活体が崩壊し、最早、夫婦間の具体的同居協力扶助の義務が喪失したことを自認することに他ならないのであるから、このようなX(妻)からY(夫)に対して、婚姻費用の分担を求めることは信義則に照らして許されないものと解するのが相当である。」

言ってみれば、当たり前のことです。
このような、一方的な別居の強行や、男性との不倫を発端として別居を始めたという状況にもかかわらず、夫の収入が妻より高い限り生活費を支払わなければならないという制度に、もはや正当性を見出すことは難しいでしょう。
結婚制度が信頼を失えば、当然婚姻率は下がりますし、少子化が改善することもあり得ません。
別居に至った原因が妻の別居強行や不倫を起因とする場合は、こうした裁判例を武器に、婚姻費用の減免を求めていくことは不条理なものとは言えませんし、それが功を来すこともあります。諦めず、粘り強く対応していきましょう。

無料離婚相談の流れ

《弁護士のホンネ》

こうした裁判例があるにもかかわらず、調停での運用は必ずしもこのような考えで動いてはいません。
調停委員の方々にこうした裁判例があることを示しても、「そうは言っても、事案が異なりますから」の一言で、ほぼ取り合ってくれないでしょう。調停委員さんの仕事は、調停を合意で成立させることですから。
そういう場合には、調停は不成立にして、裁判所に審判という形で判断してもらった方が良いかもしれません。
ただ、調停委員による、調停成立のために妥協をしろ!という圧力は相当なもので、ほぼ言いなりになってしまう方々がほとんどではないでしょうか。
気持ちを強くもって、自らの意見はしっかり主張する、場合によっては裁判官と直接話し合いをする機会を設けてもらうなどすることをお勧めしたいと思います。

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弁護士 青木 亮祐(あおき りょうすけ)

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