離婚したい男性へ。「性格の不一致」で離婚するために大切なこと

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「性格の不一致」で離婚したい男性へ

1. 最も多い離婚したい理由:「性格の不一致」

 離婚したい理由として一番多いのが、「性格の不一致」といわれるものです。
 「性格の不一致」とは、簡単に言うと、夫婦共同生活を重ねる中で見えてきたお互いの考え方や価値観の違いです。要するに、「性格の不一致」とは、「この人(妻)とは合わない」という感覚といえるでしょう。
 暴力や不倫などといった離婚を決意する大きな原因は存在しないとしても、「性格の不一致」に基づく不平不満が日々の共同生活の中でどんどん積み重なっていき、やがては夫婦関係が破綻する大きな原因となっているのです。

 結婚とは、いわば、男女間で、結婚する時までの互いの情報をもとに、その後の長き人生を拘束する鎖を互いに巻き合い、かつ、その鎖を解く鍵を互いに交換し合うようなものです。
 しかし、結婚した後の人生の長さを考えると、結婚した後に結婚する時に想定していた通りの幸せな人生が続く保障は何もありません。
 子供の出産や病気、お互いの両親の介護や相続、単身赴任や転職、不況による失業など、実に様々な出来事が待ち受けています。
 我々は結婚する前に知れる相手の情報のみを前提として結婚するわけですから、結婚後の人生が思っていた通りの幸せなものではない可能性も十分あるわけです。
 そして、結婚した後、「こんなはずじゃなかった」「思っていたのと違う」という「性格の不一致」を感じることが積み重なり、それが夫婦関係を破綻させる大きな原因となっていくのです。

 結婚というシステムのあり方、そして人間の生まれ持った性質からして、離婚したい理由として「性格の不一致」が一番多いという現状は、ある種当たり前のことと言ってもいいかもしれません。

2.「性格の不一致」を理由に離婚するための方法

(1)「性格の不一致」という離婚原因は存在しない

 離婚訴訟を提起して離婚判決を得るためには、民法770条に定められている「離婚原因」が存在することを裁判所に認めてもらえなければなりません。

 「離婚原因」とは、下記のものです。
 ①配偶者に不貞な行為があったとき。
 ②配偶者から悪意で遺棄されたとき。
 ③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
 ④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
 ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
   
 このように、「性格の不一致」という離婚原因は存在しません。

 ただ、「性格の不一致」のために夫婦関係が破綻するに至り、その結果として「⑤婚姻を継続し難い重大な事由がある」とされる場合もあります。

 しかしながら、裁判例を分析してみると、「性格の不一致」という理由のみで「⑤婚姻を継続し難い重大な事由がある」とした裁判例は少ないです。

 つまり、単に「性格の不一致」があるに過ぎない場合には、裁判所はなかなか離婚を認めてくれません。(これは離婚訴訟での話で、和解や合意で離婚することはもちろん可能です。)

(2)「性格の不一致」を主張する際のポイント

 このように、妻と離婚したい一番の理由が「性格の不一致」にあるにもかかわらず、そのことを理由とする離婚はなかなかできません。

 とは言うものの、離婚裁判で離婚が認められないからと言って、じゃあそうですかと復縁するほど人の心はシンプルにはできていません。
 たとえ裁判所が法律上離婚を認めなかったとしても、もう夫婦としての共同生活は将来に渡り存在しないのですから、事実上離婚しているようなものです。

 そのことは裁判所も重々承知しており、裁判所も、夫婦間の「性格の不一致」等を理由として婚姻関係が破綻し復縁の可能性がないと認められる場合は、「⑤婚姻を継続し難い重大な事由がある」として、離婚を認める傾向にあります。

 すなわち、裁判所は、結局のところ、「婚姻関係が破綻しているかどうか」「復縁の可能性が認められないかどうか」という点を考えており、「性格の不一致」はその判断のための一要素という位置付けとなります。

 そのため、「性格の不一致」を裁判で主張する際には、そのことが理由となってもう妻との結婚生活を続けることは決して有り得ないという自分の正直な心情を、具体的な事実を交えて丁寧に主張するのが良いでしょう。

(3)妻に思い知ってもらう

 ここまで離婚訴訟を提起して離婚判決を得ること(裁判離婚)の話をしてきましたが、離婚の種類には裁判離婚の他に協議離婚調停離婚があります。

 では、離婚訴訟の前段階としての離婚交渉・離婚調停に際しては、どのように「性格の不一致」を主張するのが良いでしょうか。

 離婚するかどうかを裁判所が決める裁判離婚とは異なり、協議離婚や調停離婚をするためには妻に離婚することに合意してもらう必要があります。

 しかし、妻が離婚することを嫌がっている時に、たんに「性格の不一致」があるから離婚してくれと妻を説得しても、妻はなかなか応じてくれないでしょう。

 妻に離婚に応じてもらうためには、「妻が離婚に応じない理由」がどこにあるのかを分析しなければなりません。

 一般的に考えられる「妻が離婚に応じない理由」としては、①気持ちの問題(愛している、未練がある等)②お金の問題(離婚に際して妻に渡す財産分与・解決金の金額、生活費等)があります。

 そして、①気持ちの問題に関しては、妻としても、夫との婚姻関係が破綻しており、もはや復縁の可能性は全くないと悟ったら、このまま無理やり夫との婚姻関係を継続しても虚しいだけと考えるかもしれません。

 そのため、離婚交渉・離婚調停に際しても、「性格の不一致」のためにもう妻との結婚生活を続けることは決して有り得ないという正直な心情を妻にしっかりと認識してもらうことが良いでしょう。
 妻に、離婚に応じようが応じまいが今後事実上の生活状況は決して変わらないという現実をしっかりと思い知ってもらうのです。

 妻がそのことを思い知ったにもかかわらず離婚に応じないとすれば、その主な原因は②お金の問題であることが多いです。

 そうなれば、あとは財産分与の額や生活支援の趣旨での解決金の額等の、いわゆるビジネス的な金額交渉により、夫と妻の双方が納得したところで、離婚の合意が成立することになるでしょう。

弁護士のホンネ

 夫婦といえども全く別の個性と感性をもった別の個体なのですから、どんな夫婦でも多かれ少なかれ「性格の不一致」はあるでしょう。夫婦の理想は、そのような「性格の不一致」を互いの忍耐や努力で受け入れ合って乗り越えていくものなのかもしれません。そのため、裁判所としても、当該「性格の不一致」が無理やり離婚させるほどのものであるかどうかにつき、慎重に判断しております。
 しかし他方で、あなたが「性格の不一致」な妻と今後の人生を死ぬまで送ることで、失われる幸せもあるでしょう。人生は一度きりなのですから、妻との「性格の不一致」に苦しむ生き方で本当に良いのかどうかは検討の余地があります。
 離婚は、より幸せな人生を送るための選択肢の1つとして検討すべきものと言えるのではないでしょうか。

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弁護士 山﨑 慶寛(プロキオン法律事務所)

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