妻から家を追い出されて生活費を請求された夫!

離婚弁護士はこうやる!妻に家から追い出された夫を助けた編

さて、今回の事件簿は、妻に家を追い出された上に、生活費まで請求された男性が、離婚を求めて奮闘した記録です。

離婚手続の流れが分かりやすく理解できると思います。

10年の家庭内別居と莫大な生活費

会社役員として社会で活躍している妻子持ちの男性X氏(55才)。

X氏は周りからすれば、2000万円近くの収入に、長女、長男、二男の3人の子にも恵まれ、申し分ない幸福な生活をしていると見えるかもしれません。

 

しかし、それは経歴や家族を列挙しただけの場合の話。実際には、X氏は、10年にも渡る妻との家庭内別居状態であり、子供たちも全員妻側の味方。

高額所得者であるにもかかわらず、妻が必要だという金額を生活費としてそのまま差し出してきた事により、自身名義での貯蓄はほとんどありませんでした。

 

妻は、日々の生活費に加え、長女の大学費用、長男・二男の高校費用を含めて月々50万円以上を毎月のように要求し、X氏はこれに応じていました。

一方で妻は、英才教育を受けて海外留学経験もあって英語に堪能。それにもかかわらず、仕事はしていませんでした。妻に言わせれば、自分の親が過労で倒れたことを見た経験から、仕事に人生を奪われるのは我慢がならないとのこと。

しかし、X氏に対しては先に述べた金額を生活費として毎月のように請求。そして、子供たちや友人とリゾートホテルへ行ったり、ビュッフェを食べに出掛けるという日々を送っていました。

帰ってきたら家に入れない!そのまま別居の開始

X氏がある日、出張先から自宅へ帰ると、ドアの前に「中へ入らないでください。」との張り紙が張ってありました。

家の内側からチェーンをかけらていました。

つまり、文字通り、X氏は妻により家を追い出されたのです。

別居はこのように強硬手段によって始まりました。ホテル暮らしを経て、なんとか状況が落ち着いた時点で、X氏は弁護士(つまり、我々のことです。)のもとに相談に来ました。

 

X氏は言います。「絶対に許せない。私の会社の社宅ですよ?私名義の自宅と言ってもいい。妻が家を出ていくべきではないのですか。」

X氏は続けます。「しかも、一方的に家を追い出しておきながら、生活費を請求する手続を裁判所を通じてやってきたんですよ!」

 

弁護士は驚きました。「は?」

 

なんと、X氏の妻はX氏を物理的な強硬手段をもって自宅を締め出す形で追い出した直後に、あろうことか自身の生活費を含めた生活費(すなわち、婚姻費用)を請求する手続きを、弁護士を入れて家庭裁判所に申し立てていました。

X氏とは生活をしたくない、X氏と一つ屋根の下で生活をしたくない、でも生活費はほしい。

 

X氏は言います。「絶対にこんな身勝手は許せません。何とかなりませんか?」

弁護士は答えました。「別居の経緯がなんであろうと、生活費を負担しないといけないというのは、残念ながら事実です。もっとも、別居原因が完全に妻の責任である場合は、少なくとも妻固有の生活費分については議論の余地はあります。まずは調停に応じて、金額についての交渉を行いましょう。」

離婚調停の「逆」申立へ!

婚姻費用の調停は、家庭裁判所に婚姻費用の調停の申立書を提出することで行うことができます。

受理された後、一週間程度後に裁判所と申立人とで最初の期日を決めます。そして、最初の期日が決まったら、申立書の写しと期日呼出状が相手方である夫のもとへ送られます。

 

弁護士とX氏はこの調停に参加し、参加と同時に、逆に離婚調停の申立てをしました。この機会に離婚調停の申立てをすれば、婚姻費用の手続きと同時に処理してもらえ、簡便だからです。

その結果、生活費の問題と離婚条件の問題について調停で話し合いをすることになりました。

 

X氏側の主張は一貫しています。

子供の生活費はともかく、妻の生活費までは支払わない。

 

弁護士もそうした主張が法的にも認められることを、裁判例を示しつつ、調停委員の説得にかかりました。

調停委員は法律の専門家ではありません。ですので、こういうときは弁護士の方から調停委員に法律の運用について情報を提供すると有効です。

 

もっとも、調停は話し合いですから、相手方がそれに同意しなければなりません。

結果としては、妻の生活費も一部負担する代わりに、子供の学校費用については原則として妻側が責任を持つ方向で話がまとまりました。X氏も金額についてはある程度納得できました。

 

しかし、離婚条件については話がまとまりません。

調停については、次回期日が1ヶ月後に設定されました。

 

その後、X氏は弁護士と3回ほど調停に参加しました。しかし、離婚については話が進みません。

X氏は苛立ちを隠せません。「先生、これを続けても決着はつかなそうですね。」

弁護士は答えます。「ええ、引き延し戦略の一環でしょう。不成立を早めた方がいいかもしれません。」

 

妻側は、別居はこのまま続けたいが、離婚をしたくないとのスタンスです。理由は言いませんが、明らかです。

つまり、このまま婚姻費用(生活費)がほしいから。夫のことはもはや愛していない。でも、生活費は欲しい。

 

一方で、X氏は、別居になるまでの間、毎月莫大なお金を妻に渡しており、自分自身の名義にはお金がほとんど残っていない。

妻はどこかにそのお金を蓄えているはず。財産を開示してもらい、財産分与を「逆」請求したい!そういう意向がありました。

 

結局、半年ほどで調停は不成立に終わり、X氏側の方から離婚裁判を申し立てることになりました。

次ページで離婚訴訟の提起!でも妻は財産を開示せず!

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