男性の離婚で絶対に気をつけるべき4つのこと

離婚であなたを守り切る。横浜プロキオン法律事務所
男性が離婚で絶対に気をつけるべき4つのこと

《目次》

1 ローン負担中の家から出ない!
2 子供の連れ去り注意!
3 妻の使っている銀行を確認!
4 ラインのやりとりは消さない!
《弁護士のホンネ》

1. ローン負担中の家から出ない!

 あなたが妻との離婚を決意し、妻と住んでいた自宅(ローン負担中)から出て別居を開始したとしましょう。
 あなたは実家やホテル、または別に家を借りでそこで住み、妻は自宅(ローン負担中)に住んでいるという状況です。
 さて、自宅(ローン負担中)のローンは誰が負担することになるのでしょうか。
 それは、住宅ローンの支払名義人であるあなたです。

 確かに、自宅のローンの支払いの負担は、婚姻費用の減額事由とはなりますが、減額されるのはおおよそ3万円程度であることも多く、実際に負担している月々のローンの額よりも格段に少ないのが通常です。
 つまりこの場合は、あなたは妻の居住費を負担する一方、妻としては離婚の交渉が継続している限り(=離婚に同意しない限り)居住費をあなたが払い続けてくれるという状況になります。
 離婚交渉は時に長期化しますし、離婚交渉中における多額の経済的負担は交渉力の減少を招きます。
つまり、一方で妻は格安で自宅に住めるし、生活費ももらえるということで、離婚をする積極的メリットを感じません。離婚に対する妻の交渉力が上がってしまうのです。
 

2. 子供の連れ去り注意!

 親権者について夫婦間で争いがある場合、結局裁判所が夫婦のいずれか一方を親権者と定めることになります。
 ここで、裁判所が親権者を定める際には、別居後の子供の養育状況を極めて重視する傾向にあります。
 そのため、妻が別居する際に子供を連れ去った場合、妻側には①母親であること(夫側が親権を得るのはそもそも困難)、②別居後子供の養育を担っていること、という2つの大きなプラス要素が認められることになります。
 この状況においては、夫側が子供の親権を獲得することは極めて困難であり、妻側に子供の養育上何らかの大きな落ち度がない限りほぼ認められないと言わざるを得ません。
 他方において、別居後に夫側が子供の養育を担っているという状況であれば、夫側が親権を獲得できる可能性が格段に広がります。
 夫側が子供の親権を獲得するためには、別居後に子供の養育を担っていることが極めて重要であると言えるでしょう。
 そのため、子供の親権を勝ち取るためには、別居に際して妻に子供を連れ去られないように注意すべきです。

3. 妻の使っている銀行を確認!

 離婚条件の交渉の柱の1つに、財産分与があります。
 財産分与とは、簡単に言えば、結婚してから別居開始時までの間に夫と妻が積み上げてきた財産を夫婦で半分こにすることです。
 財産分与の対象は、結婚してから購入した不動産、生命保険・学資保険等の保険、有価証券、退職金、年金、預貯金など極めて広範囲に及びます。
 もちろん、妻名義の銀行預金口座内の預貯金も財産分与の対象となります。
 ただし、妻名義の銀行預金口座の中に預金残高がいくらあるのかを把握している夫は意外と少ないものです。
 例えば、同居期間中の家計を妻が取り仕切っていた場合、妻は日々のやりくりの中で貯蓄をしていたかもしれません。
 妻が専業主婦であったとしても、夫に渡すお小遣い以外の給与は全て妻が管理しており、妻名義の銀行預金口座に多額の預金が入っているという場合もあるでしょう。
 妻がいかなる銀行を使っているかは、その銀行名・支店名が分かれば別居状態となった後であっても調べることが可能かもしれません。仮に妻側が隠そうとしたとしても、弁護士に頼めば調べられることもあります。
 しかし、銀行名もわからないという状況であれば、(妻側に隠されてしまったら)後から調べようもありません。
 そのため、可能であれば、別居状態に至る前に、せめて妻名義の銀行預金の数と銀行名・支店などの情報については調べておくとよいでしょう。

4. ラインのやりとりは消さない!

 離婚の決意に至るまでには、実に様々な事情があるものです。
 様々な日々の生活における小さな不協和音の積み重ねで離婚の決意に至ることもあるでしょう。
 そして、一方当事者である妻が離婚に同意をしない場合には、離婚調停や離婚訴訟においては調停員や裁判所に、自分が離婚したいと思った理由や自分が妻からされてきたことをしっかりと理解してもらう必要があります。
 しかし、離婚を争う妻としては、あなたが調停員や裁判所に対してした説明に反論してくることでしょう。
 調停員や裁判所にとっては、夫と妻のどちらが言っていることが正しいのか、話を聞いているだけでは断定できません。
 その時、あなたが妻とラインでやり取りしているのであれば、そのラインのやり取りはあなたの言っていることを正当づける極めて重要な証拠となります。

 また、例えば離婚訴訟に至った場合には、弁護士があなたの代理人となり、同居期間中のエピソード等を書面にまとめて離婚を請求することになります。
 その際、ラインでのやり取りは、その時々のエピソード等をより正確に思い出すきっかけとなりますし、またその出来事が起こった時期を正確に特定する手助けにもなります。

 妻とのラインのやり取りは妻側も把握している可能性が高いものですから、その意味でもラインでのやり取りは消さないでおくことをお勧めします。時にそれが有力な証拠となることもあります。

弁護士のホンネ

 妻が離婚に応じない理由は、夫を愛している等の気持ち上の理由から生活水準維持等の経済的理由まで様々な理由が混然一体としているものです。
 このうち夫を愛している等の気持ち上の理由については、いきなり夫から離婚を切り出された場合に、それを真摯に捉えて真剣に考えようとする妻ばかりではないでしょう。
 中には「何がなんでも絶対に離婚してなるものか!」と強く決心されている人もいます。
 このような場合には、まず、妻に、自分の離婚の意思は極めて強く、不変的であるということをしっかりと認識してもらうことから始めると良いと思います。
 話し合いが一向に進まないと感じた場合は、弁護士に相談して弁護士から連絡してもらったり、裁判所に離婚調停の申し立てを行ったりして、自分の離婚への決意が強く不変的であるということを目に見える形で認識してもらうことも一つの手です。
 妻としても、たとえ離婚しなかったとしても従前のような夫婦関係に戻れることは決してなく、人生という有限の時間を虚しく費やすことになるだけだと認識すれば、諦めて離婚について真剣に考えてくれるかもしれません。

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弁護士 山﨑 慶寛(やまざき よしひろ)

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